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2015年5月29日 (金)

「水木しげるの 泉鏡花伝」~水木しげる著

Img_20150529_0001

泉鏡花については、国語だったかの時間で、名前は習って知ってはいました。


あと、小畑実さんの歌で、「湯島通れば 思い出す お蔦(つた)主税(ちから)の

心意気 知るや白梅 玉垣(たまがき)に 残る二人の 影法師」とか「婦系図(

おんなけいず)」の「湯島の境内」のところ、「月は晴れても心は暗闇(やみ)だ。」

とか、「切れるの別れるのッて、そんな事は、芸者の時に云うものよ。・・・・・私に

ゃ死ねと云って下さい。蔦には枯れろ、とおっしゃいましな。」というくらいしか知り

ませんでしたが・・・・(これ知っている方は、かなりのご年配)


あと、泉鏡花が神経質みたいに清潔好きで、酒の燗もグラグラ煮立たせて飲ん

だ(これを泉燗と言い、泉鏡花の信奉者は真似をしたそうですが、アルコールが

飛んじゃうんじゃないかな?)そうです。


誰かがラジオで話をしていたのですが、ウル覚えですが、刺身もお湯で煮て食べ

たとか(刺身で無く、煮魚でしょうが)、旅行は奥さんが付いてきて、料理は奥さん

に作らせたとか、この本には出てきますが、天井からチリが落ちてくるから、天井

板の隙間に紙を貼ったとか・・・・


この本、もちろん「泉鏡花伝」ですから、泉鏡花の生まれた時から、尾崎紅葉との

出会い、妻の「すず」さんとの出会い(当時芸者で、同棲したのを、師の尾崎紅葉

から叱責され、これがもとで、「婦系図」の湯島境内の場が生まれたわけです

が)、泉鏡花の死に到るまで描いてあります。


その中で、泉鏡花作品の「黒猫」「高野聖」が描いてあるわけですが、「高野聖」

読んで見ると、妖怪ものですね。「高野聖」という題なので、私、てっきり、仏教

係の本だと思っていました。お恥ずかしい 。 


他にも、「青空文庫」で読んでみると、それに類する物語も多くあり、「妖怪年代

記」なんて、主人公が松川私塾に入り、その目的が、塾が昔、旗野という千石取

りの館で、邸内に三件の不思議、「血天井」「不開室(あかずのま)」「庭の竹

藪」。これを知りたさに寄宿するわけで、いろいろな不思議がありますが、最後の

どんでん返しが面白いですね。書けば長くなるので、読んでください。


さて、泉鏡花が妖怪好き、水木しげるも妖怪好き、これで、なぜ水木しげる氏が「

泉鏡花伝」を描いたが分かりました。


水木しげるは、「水木しげる 遠野物語」を描いていますが、「遠野物語」といえ

ば、妖怪がたくさん出てくる物語ですが、泉鏡花も探したら、同じく、興味を持った

のでしょう。


「遠野の奇聞」。「近ごろ近ごろ(ママ)おもしろき書を読みたり。柳田國男氏の

著、遠野物語なり、再読三読、なお飽くことを知らず。この書は陸中国上閉伊郡

(かみへいごおり)に遠野郷とて、山深き幽僻地の、伝説異聞怪談を土地の人の

談話したるを、氏が筆にて活かし描けるなり。あえて活かし描けるものと言う。し

からざれば、妖怪変化豈(あに)得てかくのごとく活躍せんや。・・・・・」いかに、

「遠野物語」に興味を持ったかが伺われます。


なお、解説を、金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長の秋山稔氏が書いていま

すが、泉鏡花は随筆「一寸怪(ちょっとあやし)」で、怪談を「理由のある怪談」と

「理由のない怪談」に分けており、「理由のある怪談」は「因縁話・怨霊」で、現世

で非業の死を遂げた霊が祟るもの。「理由のない怪談」は「天狗、魔の仕業」によ

るもの。


「黒猫」は殺された盲人の怨念が、黒猫に取りつく物語で、「理由のある怪談」。

「高野聖」は「理由のない怪談」だと、秋山氏は分類をしています。


泉鏡花は、文語体で書いていますが、文語体も「文章が立っている」という感じで

いいですね。2,3,読んで見たら、ハマリそうな感じ。なお、泉鏡花の本は、パソ

コンをお持ちでしたら、「青空文庫」でかなりの本が読めます。

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