「昭和天皇実録 第一巻・第二巻」~読書中
「昭和天皇実録」が発表されていたのは、知っていたのですが、どうせ、東京で
閲覧できるくらいで、私の如く、下々の平民には読む機会は無いだろうと思って
いて、3月下旬、Amazonを覗いていたら、出版されていたので、慌てて注文。
値段を見たら、なんと、1,890円(税抜き)ですよ。しかも箱付きで、両方とも約
700頁程度、びっくりしました。多分、出版されたら、○万円はするなと思ってい
たのですが・・・・
で、Amazonからは、4月上旬到着予定だったのが、待てど暮らせど到着せず、4
月の下旬に、5月の上旬に発送するとのメール。
到着して、開けてみたら、これ、ホンマに1,890円?という本。という事で、読み
かけの本もあったので、今やっと読み始めたところです。
今回の発売が、第一巻(明治34年4月29日・昭和天皇がお生まれになったっ
日から大正2年12月)、なお、大正2年12月29日に「この日、『博物博士』にな
りたいとのご希望を側近に洩らされる。○東宮殿下御言行録」となっています。
昭和天皇12歳の時ですから、今の子供よりしっかりしてますね。
第二巻が大正3年から大正9年まで。大正9年12月31日「三十一日 金曜日
積雪につき、午後、御座所前庭に高さ八尺の雪だるまをお作りになる。○東宮
侍従記」。ここの所、普通の子供と一緒ですね。
この「昭和天皇実録」は第十八巻までと索引1冊で、全19冊になる予定ですが、
マスコミで話題になった、戦前、戦中、戦後の事はまだ先です。
入手がされにくいみたいなので、一応出版の予定を書いておきます。
平成27年9月刊~第三巻(大正10年~12年) 第四巻(大正13年~昭和2年)
平成28年3月刊~第五巻(昭和3年~6年) 第六巻(昭和7年~10年)
第七巻(昭和11年~14年)
平成28年9月刊~第八巻(昭和15年~17年) 第九巻(昭和18年~20年)
平成29年3月刊~第十巻(昭和21年~24年) 第十一巻(昭和25年~29年)
第十二巻(昭和30年~34年)
平成29年9月刊~第十三巻(昭和35年~39年)第十四巻(昭和40年~44)
第十五巻(昭和45年~48年)
平成30年3月刊~第十六巻(昭和49年~53年)第十七巻(昭和54年~58)
第十八巻(昭和59年~64年)
平成31年3月刊~索引
あくまで予定です。
書き方は次の様な感じになります。最初の所です、明治34年4月29日。
「二十九日 月曜日 東京市赤坂区青山の東宮御所内御産所において皇太子
嘉仁親王大正天皇(注:大正天皇は2行書き)の第一男子としてご誕生になる。
この日皇太妃節子貞明皇后(注:貞明皇后は2行書き)には午前より御出産の徴
候あり、午後三時四十分侍医相磯慥の拝診をお受けになり、七時頃御産所に入
られる。・・・」という書き方ですが、
大正4年12月21日「午後、芝生のコートにおいて常次官・出仕をお相手にテニ
スをされる。二十三日午後にも行われる。○東宮侍従日記」、とありますが、大
正4年でテニスをされるとは、随分早いですね。14歳の時です。今上天皇がテニ
スを好まれるのも、昭和天皇の影響でしょうか?
さて、良く言われるように、この「実録」には、行間を読む必要があり、いろいろ本
があったのですが、適当に見て保阪氏の本を。保阪氏は次の5点について、「こ
の前提を踏まえて実録を吟味していくと、そこから従来とは異なるさまざまなこと
が浮かびあがってくる。」とし、
(一) 「民」の側の刊行にみられない国家所蔵の記録文書を使っている。
(二) 史実の確定について政治的、歴史的な判断を行っている。
(三) 昭和天皇像を明確にしておき、それにもとづいて記述を進めている。
(四) 引用史料の列記が曖昧かつ不正確な面がある。
(五) さりげない記述の中に重要な史実が隠されている。
この本も、まだ全部は読んでないのですが、いずれにしても、「実録」の副読本が
必要な感じです。
考えれば、信長、秀吉、家康、何れも時代の実力者で、天皇を廃そうと思えば、
できたはずなのですが・・・家康は「禁中並公家諸法度」の最初に「天子諸芸能之
事、第一御学問也。(天子がおさめるべきものの第一は学問である)・・・・・」と、
天皇の政への関与を縛っていています。明治維新以降、天皇が中心になって
いきますが、田原総一郎氏は「なぜこの国では天皇は一度として排除されること
なく存在しつづけたのだろうか。さまざまな野心に燃え、支配力もあり、いささか
でも危険な存在は躊躇なく取り除いた権力者たちが、なぜ例外なく天皇を存続さ
せたのだろうか、これはそれぞれの恣意的ではなく、世界に類のない日本民族
の特殊性と言えるのではないだろうか。」と書いています。
私もここのところ同じ疑問を持っていて、日本民族にとって「天皇」の存在とはな
にか、少し考えたく、「昭和天皇実録」を買っているのですが、この4冊だけでも、
読むのは大変ですよ。まあ、全部買っても、4万円弱だから、内容に比べれば安
いものですが。
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