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2015年3月19日 (木)

「決戦!関ヶ原」~伊東潤・天野純希・冲方丁・吉川永青・葉室麟・矢野隆・上田秀人著

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普通は、「関ヶ原」なら、「関ヶ原」で、一人の作家が書くのですが、この本「決

戦!関ヶ原」、7名の作家で書いています。


もっとも、全体的なことではなく、各作家が、別々の武将の事を書いて、「関ヶ原

」を浮かび上がらせようという、意図なのでしょうが・・・


■伊東潤氏は「徳川家康」を描いて、題名は「人を致して」。

伊東氏は「国を蹴った男」で第34回吉川英治賞文学新人賞、「巨鯨の舟」で第4

回山田風太郎賞等を取った方。

「徳川家康」は皆さん、ご存じですね。


■吉川永晴氏は「可児才蔵」を描いて、題名は「笹を噛ませよ」。

吉川市は「我が糸は誰を繰る(後、戯史三國志 我が糸は誰を繰るに改題)」で

第5回小説現代長編新人奨励賞。「戯史三國志 我が槍は覇道の翼」で、第33

回吉川英治文学新人賞候補。


「可児才蔵」は、美濃の斉藤龍興の家臣であったものの、斉藤家が織田信長に

滅ぼされ、明智光秀、織田信孝、柴田勝家、三次秀次、前田利家と転々とした

身の上。いまは、福島正則の家臣。


本来、福島家が「関ヶ原」の栄えある先陣を切る予定が、井伊直政から、騙さ

れ、先陣の功を取られますが・・・後は小説をお読み下さい。


■天野純希氏は「有楽斎の城」を描いて、題名は「有楽斎の城」。

天野氏は「桃山ビート・トライブ」で第20回小説すばる新人賞。「破天の剣」で、

第19回中山義秀文学賞を受賞。


「有楽斎」は、織田信長の弟で、本能寺の時、二条御所に泊まっていたため、抜

け出すことができ、「武」より、「茶の湯」を好む人物。関ヶ原から生き延び、大阪

城に残り、「淀殿(茶々)」が、大阪城の実権を握っているため、豊臣勢の動向を

ているようにと、暗黙の命令。


■上田秀人氏は「宇喜多秀家」を描いて、題名は「無為秀家」。

上田氏は「奥右筆秘帳」シリーズで、「この時代小説がすごい!」の2009年版、

2014年版の2回、文庫シリーズ第一位。また、第3回歴史時代作家クラブ賞シ

リーズ賞受賞。「孤闘 立花宗成」で、第16回中山義秀文学賞を受賞。


宇喜多家は内紛し、西軍、東軍分裂しますが、「万一があればどうする。秀頼様

は、太閤殿下唯一のお血筋ぞ」という事で、西軍につきますが、敗れます。


命は助かりますが、「慶長八年(1603)家康が征夷大将軍になったのを知った

秀家は、匿っていてくれた島津家を守るために自訴、罪一等を減じられ、八丈島

へ流罪となった。」そうです。


「寝返った小早川秀秋を筆頭に家康方で戦った加藤家、福島家ら多くの大名が

滅亡したなか、秀家の子孫は数百年を生き抜き、今に続いている。」・・・「長い歴

史のなかで、どちらが勝者なのだろうか。」


■矢野隆氏は「島津義弘」を描いて、題名は「丸に十文字」。

矢野氏は、「蛇衆」で第21回小説すばる新人賞を受賞。


島津義弘、この時六十六歳。もちろん西軍ですが、破れてからが、すごい。敵兵

に囲まれてからも、徳川家康の陣に向かっていき、そのまま逃げ切ります。


■冲方丁(うぶかた・とう)氏は「小早川秀秋」を描いて、題名は「真紅の米」

冲方丁氏は、「黒い季節」で、第1回スニーカー大賞金賞を受賞。「天地明察」

で、第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞。「光圀伝」で第3回

山田風太郎賞等を受賞。


「小早川秀秋」。この人物の裏切りで、「関ヶ原の合戦」の決着が、ついたような

もので、NHKドラマでもやっておりましたが、冲方丁氏のような解釈もあるかと・・


■葉室麟氏は「石田三成」を描いて、題名は「虎狼なり」

葉室麟氏は「乾山晩愁」で、第29回歴史文学賞を受賞。「銀漢の賦」で第14回

松本清張賞を受賞。「蜩ノ記」で第146回直木賞を受賞。


もちろん石田三成は破れますが、獄舎の中で、毛利茂元と行動を共にした
恵瓊

と三成の対話。最後の2~3頁ですが、コンナノもあり?という感じで読みま

した。



さて、歴史書と歴史小説は当然違うわけで、上の小説家の方、かなり歴史に詳し

い事が分かると思います。その上に想像の翼を広げていく、ひょっとしたら、こち

らが本当かな?と思えるところもあり、なにせ、7人の競作です、いろんな見方が

ありますが、以外と分かりやすく、

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こんなのも附録で付いてますから、これ見ながら読むと、よく分かりますよ。こ

の附録のためだけに、本を買っても損はしないと思います。

特に、私みたいに、日本史オンチには。世界史もオンチか  。


 

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コメント

おもしろそうですね。
どこの出版社なのか、文庫なのか単行本なのか、わかるといいのですが。

ときどきのぞかせていただいております。
九州は若いときに一度行ったきりなのですが。

スミマセン m(_ _)m

単行本で、出版社は講談社、値段は少しお高くて、1,600円(税別)。
図書館か、公民館にあると思いますが、無かったら、購入のリクエストをしてみてください。多分、購入してくれると思います。高い本の時は、私が、やる手です。

機会があったら、長崎にもお寄りください。今、軍艦島とか、教会群の世界遺産登録とか、必死で宣伝しているところです。ブログにも、又お立ち寄りを 

こはるさんの、ブログの花の写真良いですね。心癒やされます。

図書館に購入リクエスト、なるほど!
九州はずっと昔、高校の教員をしていたとき、修学旅行の引率で行きました。
別府から阿蘇を通って長崎までです。
ただ、生徒が気になって、何も見られなかった・・・。
長崎はまた、行きたい所です。

図書館、公民館の図書室は大いに利用してください。
できれば、図書館の人と仲良しになれば、少し高い本でも、購入して貰える可能性が、なきにしも非ず、かもです。
長崎も、いろいろ頑張っておりますので、是非どうぞ。

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