「女雛」と「男雛」
今日は、「ひな祭り」、何にもないのも淋しく、コンビニのケーキと、雛あられを買
って来ました。
暦の説明を読むと、「女の子の幸せを願う3月3日の『ひな祭り』はほかに他に桃
の節句、上巳の節句とも言われています。古代中国では3月初めの巳の日を上
巳といっていました。現在わが国では三月三日をひな祭りとしています。・・・」と
載っていますが、新暦で今日は戊寅、旧暦の3月3日は丁卯ですから、現代で
は、上巳とは関係無いみたいですが・・・・
さて、この「女雛」と「男雛」の左右の並び方、現在は雛壇に向かって左が「男雛」
右が「女雛」になっていますが、
これ、前にも載せましたが、昨年の「島原のひなめぐり」の写真で、島原の「押し
絵雛」ですが、ご覧の通り、向かって左が「女雛」右が「男雛」になっています。こ
れ、逆に置くと、そっぽを向くことになります。明治中期の作品です。
調べて見ると、前に紹介した「考証要集~NHK時代考証資料」では、
雛人形【ひなにんぎょう】今では女雛を上手(注:「じょうず」ではなく、「かみて」と
読みます、舞台に向かって右側)男雛を下手(注:「へた」ではありません「しも
て」と読みます、舞台に向かって左手)に並べるが、これは昭和三年十一月の昭
和天皇のご即位の写真に倣って東京の雛卸商の組合が流行させたたためで、
それ以前の伝統的な雛人形の並べ方は、男雛が上手、女雛が下手である。現
代劇では注意すべし(東京新聞、2003年3月3日朝刊)。」
となっているのですが・・・・
畏れ多くも、宮内庁のホームページから取りましたが・・不敬罪にならないかな?
左は、平成21年「天皇陛下ご即位二十年」に際しての記者会見。右は「天皇皇
后陛下御結婚満50周年に際して」の記者会見。
はやり、「お内裏様」と同じ並びですね。
ネットの画像で見ると、大正天皇は意外と、右に写ったり、左に写ったりしていま
す。右が明治天皇。
いつだったか、こんな話を聞いたことがあります。明治から大正期は、西洋に追
いつけ、追い越せで、生活等も西洋の真似をしたとか、男女の並び方も、西洋方
式にしたとか。下々の私にはどうでも良いことですが・・・・
考えるに、西洋はレディファーストで、記者会見などで、女性を先に入れ、そのま
ま正面を向くと、向かって左が女性、右が男性になりますから、ですね・・・
という事で、はっきりはしませんが、京都では、向かって左に「女雛」右に「男雛」
を置くそうです。
又々考えるに、日本では左大臣と右大臣では、左大臣が偉く(天皇の席から見
てですから、正面から見れば右で、舞台も正面から見て右が上手で、役柄の上
の者が上手、落語でも、上手が大家さん、下手の方に八っさんなどがいるよう
に、喋りますから、大体は、向かって右が偉い人が座るようになるのですが、ま
あ、お内裏様も、女性上位になったのかな?
いつもお世話になっている、「近世風俗志」。3月3日の所に、
「上巳と云ふ。また桃花の節なる故に、婦女子は桃の節句と云う。・・・・・・古は雛
遊びと云ひて、今日のみにあらず、平日にこれをなす事、『源氏物語』末摘花の
巻にあるは正月八日、紅葉賀正月、野分・夕霧ともに八月なり。『宇津保物語』
には、季の詳らならざると、冬の雛遊びあり。これらは今世、幼稚の遊びに土偶
等(にんぎょう)等を並べ、小さなる鍋釜そのた庖厨(ほうちゅう)の具をもって、ま
まごと、飯事なり、平日の遊びすると同じきなり」とあり、最も「古も高貴の児女
は、雛の調度と云いて・・・・・人形も精製なるもあらん・・・・」ということで、貧富の
差で、人形、道具などは違い、三月三日だけでなく、「平日」の遊びであることが
わかります。
「けだし古、民間には、紙、土偶を並べ諸器も木葉・蛤殻等を用ふの類なるべし。
・・・・・・ある古老曰く、昔の雛遊びの調度は質素にて、今世のごとき善美の物を
用いず。・・・・・・」
ひな祭りには、蛤の吸い物をつけ、蛤は二つに離すと、外の貝とは合わないので
女性の貞操を意味するとかいてありますが、「近世風俗志」には、「蛤殻」を使っ
たの記述があちらこちらあり、ひょっとしたら、蛤の吸い物は、この名残で、貞操
云々はあとから付けた理屈では?
買って来たケーキですね。カミサンが食べないので、男雛を寝かして、その上に
女雛を重ねて、遊んでます。
今日は「男はつらいよ」の続きを書こうと思ったのですが、「ひな祭り」だったと思
い出し、ほとんど資料無しで書いたので、まとまらない文章でした(いつもです
が)。 (*_ _)ゴメンナサイ 。
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