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2015年2月 5日 (木)

「剣術修行の旅日記」~永井義男著 其の二

Img_20150205_0002

       (剣術修行の旅日記~永井義男著より)


さて、剣術の防具が発達する前は、刃引きした刀や木刀を使っていましたが、こ

れとて、場合によっては大怪我の危険性があり、いわゆる「形」の練習が主だっ

たようですが、これでは、単純で、退屈なだけみたいですが・・・


江戸の中期、竹刀と防具が工夫され、これによって、危険性が少なくなり、一子

相伝、口伝が崩れ、互いに打ち合っても、危険性は少なくなり、新流派の勃興が

あり、自流の宣伝のために文政年間頃から、積極的に他流試合をおこない、天

保年間末から、ほとんどの道場で他流試合が解禁になったそうです。


これに伴い、諸藩の修行人が全国の藩道場や町道場に、他流試合をするよう

に、なったそうです。


が、ただ一人で他道場に乗り込むのではなく、修行の許可が下りると、藩から修

行人に手札が渡され、これがないと藩校道場は修行人を受け入れなかったそう

です。


藩の役人は、江戸の藩邸に連絡をし、修行人の予定を藩校に知らせ、これを藩

邸宅で留守居役が各藩の留守居役に連絡をし、これを、各国許の藩道場に連絡

がいき、「○月なかばころ、佐賀藩の牟田文之助という鉄人流の修行者が行く」

と分かるようにしてあったそうです


ただ、修行人は武名録(姓名習武録ともいう)をもって、立ち会った相手に姓名を

記して貰ったそうで、今で考えれば、出張復命書ですね。


さて、旅の途中、当時は参勤交代、藩士の往来が頻繁で、各宿場には各藩の指

定旅籠屋があり、各藩の城下町には修行人向けに修行人宿(修行者宿、修行人

定宿)があり、修行人には無料で、現地の藩が負担をしていたそうです。


修行人宿で、手形と希望を確かめると、宿の主人が、藩校道場、個人道場に出

向き、立ち会いを頼み、その日のうちに、藩校の役人が宿に来て、予定を決めた

そうです。当日は、わざわざ道場から、門弟が迎えに。


当時の道場は、文之助の日録によると、広さは十坪(三十三平方メートル)から

二十坪(六十六平平方メートル)。いまの試合場は、八十一平方メートルから、百

二十一平方メートルですから、狭かったことが分かります。しかも、床は土間に稲

わらを敷いたり、筵を敷いたり、青天井の道場もあり、雨の日は試合ができなか

ったり。江戸あたりでは、板張りがしてあったそうですが・・・・

Img_20150205_0001

                 (同 上)


さて、道場に着いても、一対一で審判が付く試合ではなく、長州藩明倫館では、

師範として柳生新蔭流の馬来勝平と片山流の北川弁蔵がおり、嘉永六年十月

十七日、門弟八十七、八名と立ち会い。次の日も、午前中四十名、午後からは

四十二、三人と打ち合い。これ、一対一では無理ですよね。


当時は、上の図絵のように、現代の「地稽古」で、お互いに向き合い、打ち合うと

いうものだったらしかったのです。「『他流との合同稽古』だったと言ってよい」形

式だったそうですが、他流との稽古を通じ友情が芽生え、夜はとにかく、試合相

手と飲む話ばかりです。


二刀流が珍しいためか、稽古を多く申し込まれたり、見物人がドット来たそうです

が、島原藩では稽古に来ると人数が少なく。これには、江戸で島原藩主松平忠

精(ただよ)の前で行われた試合で、その強さが伝わったらしく、「そのときの牟

田殿の刀流のあざやかさが当地にも伝わっており、藩の重役も興味を示しま

した。そため、高弟は貴殿を敬遠したのです。・・・・」との打ち明け話。


我が島原半島を納めていた、島原藩の武士は、意外と腰が引けていますね。文

之助が、如何に強かったが分かります。


さて、文之助は神道無念流の斎籐弥九郎の道場、練武館に入門、修行をします

が、この間、千葉周作の玄武館、桃井春蔵の至学館、男谷道場の男谷清一郎

の道場にも、出向いていますが、結果はどうだったか、以下、最終号に。


(参考・文引用:「剣術修行の日記~永井義男著」より)

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