「男はつらいよ TV版 第一回」のこと その一
これが、車平造一家の唯一の写真だそうです。兄は、おいちゃんで、名前は車竜
造。
お母さんと、さくら。お母さんは、この写真を撮ってまもなく、亡くなります。お父さ
んはその後、事業がうまくいかず、酒のむちゃ飲み、さくらが中学校の時死亡。
寅次郎は随分殴られ、「お前は寅でなく、豚だ」とも言われたそうです。
兄さんですが、大学を中退し、好きな釣りに行った時、時化に遭い不慮の死を
遂げます。さくらが高校を卒業した時です。
車寅次郎は、兄と比べると、こうも違うかと思うくらい、出来が悪く、中学校の時
から不良の仲間入りをし、家には出たり入ったりで、さくらが物心着く頃、いつの
間にかいなくなったそうです。
寅次郎とさくら、実の兄、妹と思っていたら、母親が違うんですね。なお、TV版で
は、隣の工場の、タコ社長と、柴又帝釈天の、御前様は出てきてきません。もち
ろん、博さんもです。
私が、参考にした資料ですが、TV版のマスターテープが、第一回と最終回(第
26回)しか残ってなく、このDVDには、その二回分と、山田監督、フジテレビ制
作者兼演出家の小林俊一氏の対談、作曲者の星野哲郎、TV局の美術スタッフ
の対話、関敬六と谷幹一の墓参りの様子が、収録されています。
本の方もTV版には触れてありますが、第1回と第26回のあらすじしか、書いて
ありません。第2回目から第25回目までは、DVDの方に、写真で少々紹介をし
てあるだけです。
この頃は、まだ、山田監督はこのドラマの監督ではなく、脚本と原案に関わって
います。
この頃、渥美清は、「おもろい夫婦」、「くいしんぼ」、「出雲の女」と有名な作品を
だしており、
山田監督と小林プロデューサは、何時かは、渥美清を主演に、大型喜劇を作ろ
うと思っていたそうですが、この間書いた、「愚兄賢妹」という企画書を提出した
そうです。
題名が何となくピントとこなく、小林氏が演歌の歌詞で「つらいもんだよ男とは」と
いうのを聞き、この作詞者が、「男はつらいよ」の主題歌を作った、星野哲郎氏。
同時に、山田監督がどこかで「男もつらい」という歌詞を聴いたそうで、偶然の
一致ですが、これで、「男はつらいよ」という題になったそうです。
なお、作曲は山本直純氏ですが、イントロが長く、これに「わたくし、生まれも育ち
も・・・・」というタンカを入れたらピッタリで、星野哲郎氏には許可無く入れたそう
ですが、「タンカを入れて良かった」と述べています。
さて、本論ですが、寅次郎は18年ぶりに柴又に帰ってきます(おばちゃんは、杉
山とく子)。
が、ご覧の通り、テキヤ仲間を集め、どんちゃん騒ぎ、寅さんは、さくらに酌をす
るように、強要しますが、もちろん拒否で、「誰も言わないわよ、帰ってきてなん
て」とまで言い。寅次郎は、次の日、謝り、又旅にでようとしますが・・・・
途中、恩師だった坪内散歩先生(懐かしの東野英治郎)宅によると、小さい頃、
いつもいじめていた、寅次郎の後輩で、さくらの友人の冬子(佐藤オリエ)が戻っ
て来て、一目惚れ、TV版では、この「冬子」が全作をとおし、唯一のマドンナで
す。
右が冬子役の佐藤オリエさんですが、かわゆいですね。なお、映画版の第2作
目の「続男はつらいよ」でも、マドンナ役で出演しています。
忘れていました、さくらさん役は、長山藍子さん。恋人がいます。後、考え方の違
いで、別れますが・・・・
寅次郎は、先生のお宅から、帰りますが、家の横の所で、腹痛をおこし(芝居
か?)、救急車で運ばれ・・・・ここまでが第1回で、あと最終回の前の25回まで
は、写真による説明になりますが・・・
渥美清を診てくれた先生(井川比佐志)が、さくら(前の恋人とは別れています)
に惚れ、いろいろあったようですが(テープがないので分かりません)、結局結婚
します。
本当かどうかは分からない、弟(佐藤蛾次郎)がでてきたり、舎弟の登が転がり
込んだりで、とらやはガチャガチャになります。
そのうち、生みの母(武智豊子)が見つかり、逢いに行きますが、イメージとは全
く違い、帰っていきます。映画版第2作目では、ミヤコ蝶々さんで、再び会いに
行き、今度は仲良く再会できたそうです。TV版ではよく分かりませんが・・・・
さて、散歩先生が倒れ
うなぎ、しかも天然うなぎが食べたいと。寅次郎は、舎弟の登と一緒に、荒川
に獲りに。一日がかりでやっと一匹。料理して持って行くも、先生は椅子にもた
れたまま冷たくなっていました。
寅次郎が、葬儀をうまく取り仕切りますが、先生の娘、冬子さんにも恋人がいる
ことが分かり、最終回、第26回目・・・・また旅へ・・・・
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コメント
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はじめまして。
フジテレビ制作の連続テレビドラマ・男はつらいよ に関する記述を
興味深く拝見しました。
よし宜しければ、ぜひご覧ください。
今から15年ほど前に制作した個人サイトです。
突貫工事ですが、同作と渥美清さんを私なりに追究しました。
http://jonathanfactory1.web.fc2.com/
投稿: 川島 | 2015年3月13日 (金) 04時55分
コメントありがとうございました。
突貫工事にしては、素晴らしい内容でした。資料の収集も大変だったと思います。
渥美清さんを初めて見たのは、NHKの「夢であいましょう」でした。とにかく、面白かったのを覚えています。
「男はつらいよ」は、別件で調べものをしていたら、たまたまTV版に出会って、もったいないので、ブログにした次第です。
渥美清さんのような俳優、もう多分でないかな、と思うと寂しい限りです。
投稿: sugikan | 2015年3月13日 (金) 23時07分
閲覧ありがとうございました。
男はつらいよ を研究する本は数多くありますが
私の欲しい情報が無かったので自分で調査して制作しました。
出来るだけ当時の雰囲気や空気感を再現出来るように心がけたつもりです。
こちらのブログで紹介されてるビデオソフトですが
制作した小林Pは、これまで様々な人達から同じ質問をされてきた
男はつらいよ に関して、公式な形で返答した最初で最後の作品となりました。
私も渥美清さんのような役者は、2度と現れないだろうと思います。
いろいろとありがとうございました。
投稿: 川島 | 2015年3月14日 (土) 01時16分