「これでおしまい」~加来耕三著
私のブログが、「これでおしまい」という事ではないのですが、昨日受診した特定健診・がん
健診の結果が来て、まあ、これが、目を覆いたくなるような、ひどい結果。
封筒の中に、もう一つ封筒が入っていて、「主治医様紹介状」と書いてあって、ホッチキスで
止めてあるものの、ざっとした止め方で、知らずに開けましが、心筋梗塞の恐れあり、要精
密検査の結果と、心電図が入っており、あとで、「紹介状の送付」に「開封せずに医療機関
へお持ちいただき・・・・」と、見ちゃったものは、しかたがなく・・・・
と言うことで、半日ばかりドットきて、もうぼつぼつなら、せめてカッコイイ言葉でも残そうか
と、上の本を借りていました。
加来耕三氏は、歴史家でもあり、作家でもありますが、二週間ほど前こちらへ来られ、講演
会をされましたが、これは、面白くもあり、ためにもなる話で、ブログに、まとめて書こうと思
っているのですが、なかなか時間が取れず、と言うところで、いつかご紹介したいと思いま
す。
辞世、最後の言葉いろいろありますネ。少しばかりご紹介を・・・・・
■余ハ岩見人森林太郎トシテ死セント欲ス
森鴎外のあまりにも有名な言葉ですが、小説家として、また軍医として、最高の陸軍軍医
総監になっています。
墓の文字は「森林太郎墓」の文字のみですが、ネットで見ると、案内の標柱には「森鴎外墓
所」となっており、「森林太郎」がみたらどう思うでしょう。
本の方では、「大正十一年七月九日の、死去の寸前には、『馬鹿馬鹿しいと』つぶやいたと
も伝えられる。」とも書いてあります。享年六十一歳。
■よ し
これまた、誰が言ったのかと思ったら、夏目漱石。
漱石は状態が深刻になった時、胸を開いて「水をかけてくれ死ぬと困るから」と訴えたそう
ですが、「掲出は、漱石の訴えに看護婦が応じた後に、つぶやいたとされる言葉である」。
鴎外と比べると、あっけない言葉ですが・・・享年五十歳。若いですね。
■僕本月本日を以て目出度死去致し候間此段謹告仕り候也
(ぼく ほんげつほんにちをもって めでたく しきょいたしそうろうあいだこのだん きんこく
つかまつりそうろうなり)
明治の評論家、作家。斎籐緑雨。
「掲出は、自ら考えた死亡広告」。死亡広告は、翌日付の「万朝報」と「朝日」に掲載された
そうです。これも、良いな。
■きょうはいよいよゆくぜ午後まではもつめぇ
河竹黙阿弥の言葉。いかにも、歌舞伎狂言作家にピッタリ。カッコ良いな。
■この世をばどりゃお暇(いとま)に線香とともについには灰左様(はいさよう)なら
「東海道中膝栗毛」の作者、十返舎一九の言葉。「灰左様なら」。焼いた後の「灰」と「はい
さようなら」をかけているところは、如何にも戯作者の代表とされる、十返舎一九。
■葬るに分を越ゆるなかれ
このあと「墓や碑を建ててはならない。ただ土を盛り、わきに松か杉を一本植えれば足る」。
と続くそうですが、いかにも、二宮尊徳の言葉。
■これでおしまい
勝海舟。「明治三十二年一月十九日、風呂上がりに突然脳溢血に襲われ、二十一日に他
界した。
掲出は死の直前妹に洩らしたとされる言葉である。脳溢血という病いの性格上、はたして
意識があっての言葉だったのかどうかはわからない。」
きりが無いのでここらで止めますが、あと、上杉謙信、豊臣秀吉、石田三成、細川ガルシ
ャ、坂本龍馬、沖田総司等々の言葉と、その人物の知られざる面も書いてありますので、
興味ある方は是非ご一読を。読みやすく、面白い本でした。
さて、私はどんな言葉を残そうかな・・・・・「もっと女を」では露骨過ぎるか、これは却下。
(文引用:「これでおしまい」~加来耕三著」)
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