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2014年11月29日 (土)

「島原藩南串山村馬場庄屋・古記録抜書帳」~雲仙市南串山町古文書研究会

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雲仙市の南串山村(現雲仙市南串山町)は、島原の乱後、万治元年、馬場庄左衛門が庄

屋に就任し、それ以降、馬場家が庄屋を継いでいきます。南串山と言っても、ご存じない方

がおられるので、左図は江戸時代の島原の村の様子ですが、矢印の所が、南串山村にな

ります。

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        (「島原半島の歴史~松尾卓次監修より」)

この馬場庄屋のご子孫の方が、町外に移るにあたり、屋敷を解く時、古文書が出てきたそ

うで、それを、教育委員会に寄贈され、現在、これを、古文書研究会で解読中であり、その

一部が、一番上の写真のように、発行をされました。


今回の発行は、「古記録抜書帳」と、隣町、小浜町の本多宣章(小浜湯太夫~島原藩から

派遣され、小浜温泉の管理を任せられたご子孫)氏所蔵の「元御巡見之部」「追鳥猟之部」

を解読したもので、現在「定書等控帳」「免許の品覚書」を解読中だそうです。


この、古記録集は、馬場庄屋が入手、あるいは色々な文献等から、島原、南串山に関する

事を、抜き書きしたもので、「有馬左衛門家日記抜書」「鍋島家譜」「長崎根元記」「日記、覚

書」「長崎実記」「旧記・日記類聚集」「隈部杢左衛門覚書略書」「享保明細書」「大変記」

「起立帳・金蔵庵覚書・歓喜庵日記」「落穂集」からの抜き書きの記録です。


島原・天草一揆の折、南串山も参加をしますが、串山村人口1962名に対し、1962名、

100%が参加したことになっていますが、他町では、年寄り、小さい子供等、山奥の穴に逃

れていたという、言い伝えもあり、参加人数も研究者によって、まちまちの所がありますが、

ほとんど参加と言って良いでしょう。上の地図右側、色の濃い所が全村参加、少し薄いとこ

ろが一部参加、薄いところが不参加です。


一揆後、人口が少なくなり、幕府は移住政策をとり、特に小豆島からの移住が多く

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この冊子は、上段が原文の印刷、下段が読み下し文、後の方に、現代語に直してあり、少

し見にくいので、書き写してみると

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多喜弥覚書①

一  小豆島より、三十軒引越し候内、当村京泊名田の平十七軒住居。

   歓喜院と申す真言宗の僧同道、浦分に仮庵を取り補理(しつらえ)、之を入れ置き、岡

   分に志自岐(しじき)権現を勧請仕り候。


多(太)喜弥は、乙名か筆者(びしゃ)の役の人であろうという事だそうです。小豆島からの

移住の方の墓も残っており、これは次回という事で・・・


島原・天草一揆の事、寛政四年の雲仙噴火、又、島原城主二代目の松倉勝家について

も、「松倉長門守は、父に似合ず、武を忘れ諸士を愛(いつくし)まず、女色を好み、酒に

酖(ふけり)て領内の仕置正(たださ)ず。・・・・・」とあり、この後、四十八人が脱藩されたこと

も書いてあり(鍋島家譜③)、なかなか面白いものでした。


なお、古文書研究会の方は、ボランティアで平成22年から解読をされているそうですが、

まだまだ古文書があり、次回の出版が待たれます。










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旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。

こういう「抜書」は恐らく代々の名主家当主が村を治めていく上で承知していなければならないことをダイジェストしたものでしょうから、村の歴史を俯瞰する上でも非常にわかりやすい有益な記録になっていることが多いですね。続編にも期待が持てそうですね。

コメントありがとうございました。

この「抜書」、村のこと以外にも、いろんな事が書いてあり、今まで、島原藩主二代目の話は聞いていたのですが、出典が分からなかったのですが、これを読んで、出典が分かりました。

庄屋さんは近代に至り、寺子屋を開き、その後、学校の校長先生もされたそうで、代々、勉強家だったのでしょう。

今後、どのような話が出て来るのか、楽しみです。研究会の方は、解読に苦労されているみたいなのですが・・・

ウイットに富んだ人生の達人の『千々石deその日暮し』読ませていただいています。
リタイヤ後もへこたれず、楽しく前向きに暮らしておられることがよくわかります。

私は、千々石町の生まれで、12歳まで育ち、今は県外に住んでいて、現在も同級生が数名、千々石町で暮らしています。
年に数回、お墓参りのために帰省していますが、今や限界集落を超越して、親戚も少なくなりやがて消滅しそうで寂しくなります。
リタイヤして、古稀を目前にしてもなお、主体的な生き方が出来ずにいまだに勤め人をやっています。

今回は、南串山町のことが書いてあり、たまたま、雲仙市歴史資料館南串山展示館を訪問したことがあるのでコメントした次第です。

展示館見学が目的ではなく、小学校卒業55周年の同窓会の翌日、先生のお言葉に甘えて、先生宅を訪問したところ、同じ敷地に展示館があって、展示館は庄屋さんの屋敷に作られ、隣が先生宅という次第です。

先生は、81歳、スーパー爺ちゃんで、全くの自然農法でお米6aと畑2aを耕作中です。
化学肥料を使わない、鶏のエサも手作り、砂糖も手作り、魚と塩は何ともならないので、これはやむを得ず購入、ビール、焼酎も手作り、焼酎に「庄屋の○○」と名付けていたと思います。
病気知らずで「原城マラソン」にも毎年、参加しています。

訪問した際、南串山展示館の馬場庄屋さんも立派だけど、先生も展示というか、社会の生き方展示人になれるのではないかと思い、ここは南串山の過去と現在の展示館かなと思った次第です。

学術的なことではないので申し訳ありませんが、偶然だったので先生のことを少し書かせていただきました。

12月初めに先生宅を訪問予定ですので、展示館を再度、しっかり見学してきます。
千々石に行くたびに、一番残念に思うことは、久保田食堂がなくなって美味しいちゃんぽんと皿うどんが食べられなくなったことです。
その代りの自称「ちゃんぽんブログ」ですかね?

スミマセン、無駄に時間を消費させました。
不愉快な思いをされた場合は、即削除してください。


コメントありがとうございました。

最近は、「ちゃんぽんブログ」、というより、犬も歩けば棒にあたるで、何となく、まとまりのない事ばかり書いて、反省しているところです。

本来、雲仙岳の各山のルート、山の中の、人の行かない所なども書きたいのですが、どうも、昨年より、体調が思わしくなく、出かけられないところです。

先生の方は、多分、資料館を訪ねた時、同じ敷地内の方とお話しをしたこともあり、多分、その方ではないかなと思います。お元気な様子はうらやましい限りです。

主体的な生き方、難しいですね。あっという間に、60半ばを過ぎましたが、今まで何をしてきたのか、人生を振り返って見れば、自分で自分が恥ずかしい事ばかりです。少しは、前向きに生きていこうかと、思ってはいるのですが・・・・

久保田のチャンポン、宮本書店、小学校横の城代酒屋、松本写真館(しばらく下宿で、お世話になりました)、伊藤文具店、潰れていくたびに寂しい思いです。後は、どうなっていくのか・・・

はじめまして。インターネットで、偶然こちらのホームページにたどり着きました。
「島原藩南串山村馬場庄屋・古記録抜書帳」とても興味深いです。
この古記録集は、どちらかから購入することはできるのでしょうか。
私の父は南有馬出身ですが、先祖はやはり小豆島からの移住者ではないかと思っています。
私自身は島原には住んだことはありませんが、
先祖探しの手がかりになりそうで、ぜひ読んでみたいです。

コメントありがとうございました。返事が遅くなりましたがスミマセン。

古文書の解読については、「島原藩南串山村馬場庄屋・古記録抜書帳」に続き、現在、「定書等控帳」等を解読中です。出版されたら、また、ブロブに載せるつもりですが・・・

購入については、古文書研究会が保管していますから、在庫があるかどうか、確かめられた方が良いかと思います。

〒854-0701 長崎県雲仙市南串山町甲2717-4
         雲仙市歴史資料館南串山展示館内 古文書研究会

電話がないので、郵便か、急ぐようなら、雲仙市教育委員会 0957-37-3113 に問合わせれば、責任者の方の電話番号を教えてくれると思います。

なお、南有馬町郷土誌によると、「南有馬町の住民についてその祖先を尋ねると、林田氏は小豆島、前田氏は薩摩、井口氏は豊前、白倉氏は五島、江島氏は大川、本多氏は豊後の産という。」と書いてありましたが、大体の所、だと思います。、ご参考にまでに。

さっそく、ありがとうございます。急いではいないので、郵便で在庫確認をしようと思います。
『南有馬町郷土誌』、まだ読んでおりませんでした。探して、読んでみようと思います。
祖母の旧姓は林田なので、なるほど、と思いました。
先祖探し、戸籍謄本を取り寄せて、明治・幕末まではさかのぼったので、
なんとか幕末以前の江戸時代にさかのぼりたいと思っています。

今後も、ホームページの更新、楽しみにさせていただきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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