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2014年11月22日 (土)

「日本ではなぜキリスト教信徒数は増えないのか」★宮﨑賢太郎~雲仙お山の情報館

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今日は、「雲仙市の歴史を学ぶ会」の11月例会で、講師は長崎純心大学教授の宮崎賢太

郎氏。宮崎氏は最近、次の様な本を出されています。なお、氏自身も、カクレキリシタンの

子孫でもあります。

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宮崎氏の講演会は2度目で、多分前の分にも載せたと思いますが、日本における、キリシ

タン史の概略です。これ説明すると時間がかかるので・・・・略

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この中で、キリシタン時代。16世紀初頭から、禁教の1614年まで、最大40万~45万人

がキリシタンだと言われています。当時の人口比からすると約3%。


最も、長崎県大村の例をとると、キリシタン大名になった理由として、ほとんどが南蛮貿易

での利益を求めて、キリシタンになっておりますが、大村の場合もそうであり、領主がキリシ

タンになったので、臣下もなり、領民もなりと、いわば強制的な意味合いもあったのでしょ

う。本当に、キリシタンの教義を知って、改教した者がどれくらいいたのかは、不明です。


現在、カトリック信徒数約44万人、内4万人が居住不定、年間幼児洗礼約3032名、成人

洗礼約3271名、死亡約4089名、年間カトリック信徒増加者数2214名(「カトリック中央

協議会教会現勢2010」)、

日本におけるキリスト教信徒数、カトリックとプロテスタント(諸派総計約65万人)。合わせ

てわせても、今の人口比で1%未満だそうです。


韓国では1400万人弱、韓国の宗教人口の30%(プロテスタント約20%、カトリック約

10% 2005年韓国統計庁発表)です。


2010年の日本におけるミッション(キリスト教を布教するための学校)校。

■カトリック系

幼稚園534、小学校53、中学校102校、高校113校、短大17,大学21、その他含めて

854校。

■プロテスタント系

小学校17、中学校63、高校82、短大20、大学56校


だそうで、ちなみに、仏教系大学44校、新宗教大学6校、神道系大学2校、という事で、い

かに、キリスト教関係の学校が多いか、分かると思います。にも関わらす、キリスト教信徒

が増えない。


この原因として、「舶来高級信仰」、いわゆるブランド志向ですが、宗教も同じで、日本人の

キリスト教徒へのイメージとして


「酒も煙草も飲まず、毎週日曜日には必ず教会に行き、敬虔で、禁欲的な生活を送り、カト

リックの子だくさんという言葉があるように、避妊も堕胎も許されない、到底自分には近づけ

そうもない、生真面目すぎる堅苦しい宗教。」


結論として、

「多神教徒である日本人自身が、正しいキリスト教であるためには、一神教でなければなら

ないと生真面目に考えすぎ、伝統的な日本の諸宗教と融合することをかたくなに拒み続け

てきたから」と言うことだそうです。


ということで、「フィリッピン、韓国、中南米各国独自の歴史的宗教的伝統・習慣と結びつき

ながら土着化。」ということが、必要ではなかろうか、というような話でした。


なお、阪神大震災、東日本大震災に触れ、「平和、平等、人権尊重、弱者救済、人間愛と

いったヒューマニズム精神に基づく社会が着実に築き上げられつつある。それは、間違

いなく伝統的な大和魂や仏教の慈悲心、仁義礼智信を学ぶ儒教精神とは異なる、キリスト

教隣人愛の思想に育まれたものではないだろうか。」と書いていますが、これ、?????

「キリスト教隣人愛の思想」とは関係無いんじゃないんですか。もっとも、宮崎氏は、キリシ

タンで、ミッション系の学校の先生だから・・・・・


著書で、「先祖より家の宗教として受け継がれた仏教や神道は日本の一般民衆の心の支

えとはなり得ていません、古色蒼然としてそこに問題解決の力を感じることは出来ません。

何よりも多くの一般の日本人は仏教とは名ばかりで、実際には仏教徒としての教育ほとん

ど受けてこなかったのであり、墓参りや法事のとき意外は接点はありません。」と書いてあ

りますが、法事等の時、お坊さんのお話、また、彼岸の時など、講師を呼び、話を聞くことが

あります。


この話の面白いこと。触発され、「親鸞」「蓮如」「歎異抄」等の入門書を読んでいますが、「

人間いかに生きるか」。役に立ちますね。五木寛之さんも、仏教に関する事を、書いておら

れますが、何万人もの人が読んでいて、仏教の事を、知らない間に学んでいるのでは?


なお、宮崎氏は、一神教(キリスト教、イスラム教)みたいに、お互いが、いがいがみ合うの

ではなく、多神教的に認め合うことが必要であり、この点で、キリスト教も変わらないといけ

ないのではないかということでした。


【おまけ】

今日の雲仙風景です。

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別所ダム(鴛鴦の池)。風もほとんど無く、鏡のような水の風景でした。

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コメント

 sugikanさんが?をたくさんつけておられるところ、同じように感じました。
もうすこし客観的、学問的な分析が聞けるかと思っていましたが、特定の宗教的立場からの説明でした。

宗教面では、キリスト教だけではなく、寺の檀家、神社の氏子の数が激減していると聞いています。
現在、宗教の過渡期ではないでしょうか。散骨葬、樹木葬、家族葬等も増えて来ています。

講義の方は、先生がカクレキリシタンのご子孫、また、ミッションスクールの教授という事から考えれば、そういう立場もあるのかなと思いました。

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