「刑務所の中」~花輪和一
皆さんの中で、刑務所に入った方はおられませんね。多分。
最近、年々、衰えを自覚するようになり、おまけに、隣の家の犬の鳴き声で、自律神経が乱
れて、まあ、困ったもんです。世をあげてペットブームですが、嫌いな人間もいるので、「嫌
煙権」があるなら、「嫌犬権(けんけんけん)」があっても、イイジャナイですか。
最近「終活」が流行っているので、私も、身の回りの物を整理していたら、上の本が出て来
て、2000年初版、2002年に、21版。意外と売れた本です。
出版社が「株式会社青林工藝社」。たしか、「ガロ」を出していた「青林社」の内紛を機に、独
立した会社だったような気がします。
さて、刑務所と言えば、安部穣二さんの「塀の中の懲りない面々」とか、近くは、ホリエモン
さんの事があり、映画では、刑務所脱走のカッコ良い映画がありますが、こちらは、ごく真
面目に、刑務所の中の生活を緻密に書いています。
著者は花輪和一さんですが、独特のマンガを書いていて、知る人ぞ知る人です。花輪さん
が入獄したのは、昔から、ガンマニアで、改造拳銃を持っていたり、友人(ガンマニア)から
処分を頼まれていたのを、そのまま待っていたのを逮捕されたもの。
求刑が弁護士の思惑と違い、重くなって、弁護士が落ち込んでいた時、「いや!5年なら軽
い方ですよ」と弁護士さんを、逆に元気づけたそうです。判決は、懲役3年の実刑。
普通刑務所を描くと、暴力を振るわれたというか、理不尽なことがあったとか、書かれます
が、花輪さん、何というか、冷静というか、真面目に書いています。
食事の方も、お正月は、赤の四角で囲んだように、おせち料理がでて来るそうです。
雑居房で、食事を受け取っているところですが、テレビも置いてありますね。ただし、問題を
起こすと
こちらが独居房。花輪さんも、入ったことがあるらしく、中で薬袋を作る作業をやってたみた
いで、一日で200~300枚ばかり作っていたそうです。アナタが今日病院で貰った薬が入
った薬袋もひょっとしたら・・・・・
こちらが、作業場になります。刑務所で、ときどき、受刑者が作った、作品の即売会があり
ますが、安くて良い物がたくさんあります。私も、何回か行ったことがありますが、バーべー
キューの道具を買いましたが、もう、十数年使っています。
この作業場、見ると単に作業場みたいですが、便所に行くのにも、手を上げて「願います」と
言って、職員の許可をもらいて、便所に行くそうです。
消しゴムを落として、拾うときも「願います」といって、「消しゴム拾います」と言い、職員の許
可をもらい、消しゴムを拾うそうですが、面倒臭いナ。
ちなみに、作業等級は見習い工から一等級まで、10等級に分けられ、真面目に作業に務
めると、金額も上がっていくそうです。花輪さんが出所した時に貰った、作業賞与金は、五
万九千二十五円だったそうです。
風呂です、一番向こうで職員に頭を下げているのは、カミソリを借りているところ。入浴時間
は15分。私は、5分程度しか入浴しませんが・・・
ホリエモンさんが、出所してきた時は、ブクブク太っていたのが、スッキリ痩せてました。私
も近頃太り気味で、仕事をやめると、生活がだらしなってしまっているので、規則正しく、健
康のためにも、入ってみようかな。カミサンの顔も見なくてすむし、家賃、ガス、水道代はタ
ダ、食費もタダ・・・・どうですアナタも、ご一緒に・・・・・
これから入所される方も参考に。ただ、この本が出て、14年も過ぎていますから、施設は
良くなっていると思います。諫早の刑務所も、建て替わっています。
(文章・絵引用:「刑務所の中~花輪和一著」より」
« 「落花生を茹でる」 | トップページ | 「警察庁長官を撃った男」~鹿島圭介著 »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
- 「妻が口をきいてくれません」~野原弘子著(2022.04.21)
- 「絶滅動物物語」ー地上より永久に消え去った者へのレクイエムー★作 うすくらふみ・監修 今泉忠明(ビッグコミック連載)(2021.11.16)
- 「新・餓狼伝/巻ノ五」「ゆうえんち」「白鯨」☆夢枕獏著 「クラッパー刃牙」☆板垣恵介著(2021.05.11)
- 数十年ぶりの「週刊朝日」(2020.06.30)
コメント