「日本酒の教科書」~木村克美著
「白玉の歯に染みとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」
酒が好きな人にしかできない、短歌ですね。作者は、酒豪の歌人、若山牧水。
さて、秋の夜、しみじみ飲むのに、あっているのは、はやり日本酒かな?
本屋に行ってみたら、日本酒の本のコーナーが作ってあって、安部晋三氏の推薦の「獺祭
(だっさい)」(山口県の酒)もありましたが、この時期に、ノンビリと、推薦文なんか書いてい
て良いんですかね。
一番上の「モルトウィスキー大全」。以前、何回か紹介をしましたが、日本酒については、あ
まり、この手の本が無く、パラッとめくって、他にもいろんな本があったのですが、沢山の日
本酒の紹介がしてあるので、思わず、今日の少ない小遣いから買ってしまいました。
内容は、「日本酒を造る」「日本酒を味わう」「美味い日本酒を知る」の3部構成。
下は、日本酒の製造行程ですが、意外と手がかかるもの。部分的には、TVなどで見ること
がありますが、この流れを見ると、手がかかってますね。
清酒の分類として、「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「吟醸酒」「大吟
醸酒」「本醸造酒」「特別本醸造酒」があり、それぞれに、規定があるのはご存じだと思いま
す。
これとは別に、日本酒のいろいろとして、「生一本」「樽酒」「にごり酒」「おり酒」「凍結酒」「長
期熟成酒」「ソフト酒」「発泡酒」「高酸味酒」「低アルコール酒」「生詰酒」「生貯蔵酒」「生酒」
「新酒」「古酒」「原酒」「冷やおろし」「荒走り」「生酛」「山廃酛」とあり、「貴醸酒」というのは、
なんと贅沢に、「仕込みの水のかわりに日本酒で仕込んだ特殊な酒。非常に甘く濃密な味
わい。神話時代からある高貴な存在」と書いてあり、知ってしたら、飲める時に飲んでおい
たら良かった。
お酒の紹介は、下のように、各々の酒に「第一の香り」(酒器に注いだ直後の最も鮮烈な発
酵の香り)「第二の香り」(空気中の酸素と触れた後の原料由来の香り)、「料理との相性」「
温度」「米」「麹」「値段」が書いてあります。
「ウィスキー大全」には、各々の蒸留所のエピソードまで書いてあり、例えば「ハイランドパ
ーク」の所。
「ハイランドパークが建てられたのは1795年。かってそこに伝説的な密造者マグナス・ユ
ウンソンの密造所があった。彼は収納税官の目をゴマかすため、教会の説教壇の下にい
つもウィスキーを隠し(教会の長老だったといわれる)、査察官がやってくるとわかると、そ
れを牧師館に運び込み白布をかぶせて天然痘の患者を装い、見事追い払ったという。」
日本酒も、いろいろなエピソードがあると思いますが、そこまで書いてあると、もっと面白い
本になっていたのではないかと思うのですが・・・
さて、この本に「酒席におけるマナー違反」もかいてあり、
「一気飲み」「覗き徳利」「併せ徳利」「逆さ盃」「振り徳利」「逆さ徳利」「持ち歩き」「倒し徳利」
「泥酔」とあり、現役の頃、私が全部やっていたことですね。
これに、酔ったふりした、セクハラもありましたが・・・職場の女の子、十数名、全員並べて、
一人一人、膝枕していきましたが、あれは気持ち良かった。セクハラ問題にならなかったの
は、私が美男子でカッコ良い男だからです・・・・
あと「絞り徳利」があります。これは、全部飲んだ徳利を逆さまにして、雑巾を絞るように、徳
利を絞ると、タラタラと酒が絞り出てきます。ウチの親父がやっていて、本当に酒が出てき
ました。
秋の夜、皆さんも静かに盃を傾けては如何でしょう。「冷や良し」「燗良し」「燗冷まし良し」。
私も、心臓病が出ても良いから、一杯やってみるか。
« 再度「年金改悪」~どうする? | トップページ | 「夫婦川柳」(傑作選)~綾小路きみまろ編 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 気まぐれ資料館~次は「草双紙」の世界(2023.01.15)
- ザッとした読書感想文なのですが(^_^)(10月~11月中旬読了)(2022.11.13)
- 落語「紀州」の原典は松浦静山「甲子夜話」?(2023.09.19)
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
コメント