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2014年10月27日 (月)

「警察庁長官を撃った男」~鹿島圭介著

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8月31日「TV朝日」の「世紀の瞬間&日本の未解決事件スペシャル」で放送をしたみたい

ですが、知らずにTVのチャンネルを回していたら、最後の方だけ見ることができました。


覚えておられる方もいると思いますが、オウム真理教。あの当時、目黒区の公証役場事務

長・假屋さん拉致事件、坂本弁護士家族殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件

があり、オウム教が疑われ、1995年3月22日に、オウム真理教施設の一斉捜査。そし

て、3月30日の国松警察庁長官の狙撃事件。


警視庁のトップが、狙撃されたので、オウム真理教が、目をそらせるために狙撃したので

は、という話も流れました。


某巡査長が、オウム真理教の一員で、犯行を疑われましたが、立件は困難と見送り。その

後、某巡査長は、元オウム真理教徒3名と共に再逮捕されるも、処分保留として釈放。


中村泰(ひろし)。1930年生まれ、東京大学教養部理科2類に合格。学生時代、共産党に

入党。


地下活動家として、中村は過激で、「『一般市民を苦しめる為政者と、その官憲は敵』との

考えに凝り固まり、武器を手にした暴力革命を志向。」


その後、窃盗を重ね、東大を自主退学。以後、武器調達のため、金融機関の金庫破り。

300万(現在の貨幣通貨で10倍以上)を得るが、職務質問に会い警察官を射殺し、逮捕さ

れ、無期懲役が確定。


家宅捜索で、9ミリ・ショート口径のコルトマスタング自動式拳銃と142発の実包。パスポ

ート(偽造)、カリフォルニア州、アリゾナ州の免許証。変造指紋が見つかる。


なお、銀行の貸金庫から、9ミリ・ルガー口径のグロック19型、スター(スペイン製)、スミス

&ウェッソン、他の貸金庫からコルト・ダイアモンドバック、チャーター・アームズ・ブルドッ

グ、ワルサーP88、SIG P226、あと、書くのが大変なので、本で読んでください。なお、短

機関銃、実弾1016発、致死量1000人分を超えるシアン化合物(青酸カリ)まで入ってい

たそうです。


さて、なぜ、それだけの(アメリカにも貸倉庫を持っていて、そちらにも大量の火器が入って

いたそうです)物を、何の目的で買い集め、日本にどうやって運んだのか、話が長くなるの

で、これも本を読んでください。


その火器と同時に、段ボールに入った、膨大な数の新聞、雑誌。皆「長官狙撃」事件の記

事が見つかったそうです。


これだけ、揃えば、中村泰が疑われ、調べを受けるも、落ちず、2005年5月で打ち切り、

捜査班も解散。


ところが、2年ほど後、捜査を再開。2007年。このとき、「私が撃ちました。」


あと、オウム犯人説に固持する公安部、中村犯人説で捜査する刑事部、警察上層部の思

惑の絡み合い。


中村を被疑者として、逮捕できるはずが、当初よりオウム犯人説に固守する、米村が警視

総監として着任。中村の逮捕については、「実質上には判断保留という名の”塩付”だっ

た。」


2010年3月30日、この事件は時効になりますが、その時の警察の記者会見で「これまで

の捜査結果から、本件はオウム真理教の信者グループが教祖の意思のもと、組織的、計

画的に敢行したテロと認めた」という説明をし、各界から批判を浴びたのを、覚えておられ

方は、少なからずおられると思います。


ところが、中村を犯人とた捜査は、中村が、事件後海外渡航しているので、中村を犯人とす

る時効は200日ばかりあり、この間も捜査は続けられ、新しい発見があったり、ある弁護

士が告発をしたり、検察審査会に不服審査を申し立てたりしますが・・・

さて、中村の時効が来た時の警察の見解は・・・・後は本を読んでみてください。


作者は、この本を書くにあたり、「本書を執筆する意図は主に二つある。一つは、オウムだ

けにこだわり、オウムしか見て来なかった警視庁公安部が、この15年間、一体何をしてき

たのか、その捜査の実態を明らかにすることだ。・・・・それともう一つは、重要参考人に浮

上しながら黙殺された、中村泰という男の長官事件における極めて高い容疑性を詳らかに

することである。」と書いてあります。


下手な、推理小説より面白いですが、日本の警察はこんなものかと、不快感と疑惑が湧い

てきます。私達の小さな時は、お巡りさんは「正義の味方」だったのですが・・・


中村泰はどういう人物だったのか、不思議な人物です。


(参考・文引用:「警察庁長官を撃った男」~鹿島圭介著)






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