NHK連続小説「マッサン」&ウィスキーつれづれ その2
え~、いよいよ始まりました、「マッサン」。今からどうなるか楽しみですが・・・・記事は土曜
日にアップしようと思っていたのですが、パソコンと、カミサンの機嫌が悪く、今日になりまし
た。前の続きです・・・・
上は、ニッカウヰスキー九州工場に見学に行った時いただいた、ミニボトルと、ポットスチ
ル(蒸留釜)を形取ったもので、プラスチックではなく、ちゃんとした銅製です。残念ながら、
九州工場(日田市)は廃止になりました。今では、手に入りません。
先に書いた分の補足を少し。スコッチに限らず、ウイスキー関係の事ですが。一応、知って
おられた方が、良いかと思い・・・・
●シングル・モルト。前に書いた分で、樽から出し、水以外は加えていません。蒸留は2~3
回(ほとんどが2回)です。
●グレーン・ウイスキー。シングル・モルトは、大麦だけしか使いませんが、グレーン・ウイス
キーはトウモロコシ等の穀物を使い、何回も繰り返し蒸留します。それだけに、純粋で、ア
ルコール度数が高く、安く出来ますが、風味が劣ります。
●ヴァッテッド・モルト・ウイスキー。シングル・モルトウイスキーを数種混合して作ったもの。
ブレンダーの腕の見せ所です。日本では、ピュアモルト・ウイスキーという名称で、出てい
かと思います。
●ブレンデッド・ウイスキー。いわゆる、ブレンド・ウイスキーで、数種のシングルモルトにグ
レーンウイスキーを混合して作ります。「角」「オールド」「ホワイト」「リザーブ」等がこれに
入ります。
ウイスキーの製造過程です。
(「日本ウイスキーの誕生~三鍋昌春著より」)
簡単に言うと、大麦を発芽させ、適当なところで乾燥し、粉砕し、発酵させ、2~3回蒸留さ
せ、樽詰めし、数年間(スコッチ・ウィスキー規則により、3年以上)寝かせますが、最初の
年は3~4%。それ以降は1~2%ずつ蒸発して減っていくそうですが、これを「エンジェル
ズ・シェア」。「天使の分け前」というそうですが、天使さんは飲んでも良いのかな?
乾燥には、ピート(泥炭)を使いますが、先に紹介した「アイラ・モルト」を作っているところが
島。乾燥に使うピートを海岸で干すそうです。ピートが潮風に吹かれ、潮風の風味を吸収
し、燃やして、乾燥する時、潮風の香りが大麦に移り、独特の香りがする、ということを聞い
たことがあります。
ウイスキーについて、興味がある方は、「モルトウィスキー大全~土屋守著」を。
この本は、ひとつのウィスキーについて、2ページにわたり、歴史、工場の内容、エピソード
などが書いてあります。
「アイル・オブ・ジュラ」の所。「・・・人口わずか200人。それに対して野生の鹿(アカシカ)
が6,000頭も住んでいる。・・・ジュラはまた、ジョージ・オーウェルが小説『1984』を書い
た島としても知られている」。どうです、一杯やりたくなりませんか?秋の夜、ジョージ・オー
ウェルの本でも読みながら・・・・
さて、「マッサン」のことについては、調べていたら、ニッカのホームページ「竹鶴物語」に書
いてありますので、そちらをお読みください。→こちらをクリック。
右の本、「日本ウイスキーの誕生」は、社会的、歴史的、経済的な面から書いてあります。
なぜ日本のウイスキーが、バーボン、アイリッシュ、カナディアンのウィスキーでなくスコット
ランドのウィスキーを作るようになったのか・・・・
少しばかり、サントリーの鳥井信次郞氏、竹鶴政隆氏の事も載っており、竹鶴氏は1916年
に大阪高等工業学校醸造部を卒業、徴兵検査の関係で、8ヶ月ばかり摂津酒蔵に入社。
徴兵検査で、アルコールは火薬造りの大切な原料で、それに従事しているという事で、乙
種になり、兵隊に行かないで良いことに。
それまで、まがい物の洋酒はあったものの、社長が本物を作りたく、政隆を英國に派遣。ス
コッチの製造を学ぶも、帰ってみれば、不況で会社はウィスキー造りを断念。
ここで、これまた、本格的な洋酒造りの夢を持っていた、鳥井信治郎氏(サントリーウィスキ
ーの創業者)が、竹鶴政隆氏のことを知り、スカウト。
年俸が4,000円。当時大学生の初任給が四、五十円。いろいろあり、昭和9年3月1日に
退社して独立。「大日本果汁株式会社」を創立、「日果」ということで、「ニッカ」の社名になっ
ています。
ニッカとサントリー。二大ウィスキーですが、接点があったことを、本を読んで、知りました。
本屋さんに行ったら、平積みしてありました。出版が昭和57年ですから、連続TV小説にな
るので、再版されたものでしょうが、酒好きには興味深い本でした。TVドラマには出ていな
い場面もありそうで、早く、詳しく知りたい方はお読みください。 (この項、おしまい)
(参考・文・図引用:「モルトウィスキー大全~土屋守著」「日本ウイスキーの誕生~三鍋昌
治著」「ウイスキ銘酒事典~橋口孝司著」「ヒゲのウヰスキー誕生す」より)
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