警察で思い出すこと~「殺人犯はそこにいる~清水潔著」を読みながら
冤罪事件の「足利事件」を取り扱った本です。本の帯の裏に書いてあるように、「不当な捜
査」「杜撰な証拠」「虚偽の自白」「消された目撃情報」「DNA鑑定の闇」。
作者は、ジャーナリストで、新潮社「FOCUS」編集部を経て、現在日本テレビ報道記者・解
説委員。
「交通大戦争」で警視総監感謝状。「桶川ストーカー事件ー遺言」にて「編集者が選ぶジャ
ーナリズム賞」「JC大賞」を受賞。「足利事件」関係の報道、冤罪キャンペーン報道で「日
本民間放送連盟優秀賞」「同テレビ報道番組優秀賞」「ギャラクシー賞」「編集者が選ぶ雑
誌ジャーナリズム賞」を受賞しています。
読んでいただくと分かりますが、警察、検察、裁判所、マスコミの怖さが分かりますね。これ
を読みながら、私も警察に関し、思い出したことがあるので・・・・
某町で、公的補助金を貰っていた団体の会長が、何年も監査も受けず、総会も開かず、ひ
ょっとしたら、補助金を自分の懐に入れているのではないかと、団体の人が飲み屋で、話を
していたところ、運悪く警察官も飲みに来ていて、片耳に入れ、調査。
私も、間接的に、少し関係があったせいなのか「少し聴きたいことがあるので、お越しいた
だけませんか」と警察からの丁重な電話。
応接室で、話かと思ったら、いきなり「取調室」へ。良くテレビで見るような部屋で、コンクリ
ート打ちっ放し、鏡(多分マジックミラー)、机が二つで、一つには私と刑事。もう片方は、記
録する警察官、窓は鉄格子。
刑事さん、開口一番、大声で、「お前達、もみ消そうとして、動ごいとっやろ、知っととぞ、話
してみろ(長崎弁ですが、長崎弁も意外と迫力ありますよ)」。ここらあたり、気が弱い方は、
「ははあ、私がやりました」というところですが、私、事情が分かりませんから、「はあ?」。
後は、向こうが怒鳴りながら、事情を説明、何回も「お前達も、もみ消しよっとやろ」と、これ
で、半日。こちらは、あまり、関係無いので、淡々と事実を述べるのみ。
これ、やり取りしながら、やはり、「冤罪」というのは、あるのだと実感。幸いに、事件になる
ということも無く、呼ばれたのは一回だけで、留置所に入ることもなく、向こうからの謝りの
一言もありませんでした。でも、オッカナかったですよ。ウチのカミサンほどもないけど。
よく、悪い事をしていないなら、そういえばいいじゃない。という方がいますが、そんな雰囲
気ではありません。嘘だと思ったら、経験してみてください。
もう一つ、以前にも書きましたが、山側にカクレキリシタンの遺跡があるというので、見に行
きました。道は、私の普通車が十分に通れる広さ。
途中、罠にかかっている猪がいて、檻を破るような勢い。やばいなと思い、一応警察へ連
絡。(某警察署です。名前書いても良いんですが、私が住んでいるところの本署です。)
ところが、何時まで待っても来なくて、「どこら辺ですかね」「○○停留所から、まっすぐ行っ
た一本道」。これが、4,5回。最後は、「こちらから、停留所のところに行って、待ってます」
やっと来たのが、白と黒のツートンカラーの車。下りてきて、道を見て曰く、「歩いてどれくら
いかかりますか?」「三十分くらいでしょう」「車が公用車(パトカー)で、クラウンなんです
よ」。要するに、この車(パトカー)では行けないと言うこと。傷をつけるのが怖いのでしょ
う。
事件があって、道を見て、「公用車」「クラウン」なんて言うんですかね。まして、管轄内の道
を知らないなんて!
ウチの常会のとき、消防署が説明に来て、質問の時、ある方が、「この間、救急車が来た
時、道が分からず、ウロウロしとったばってん、暇があったら、地図でも見て、頭に入れと
け!」と怒られていましたが、警察も、一時を争う事件がおこる可能性も有り、管内の地図く
らい頭に入れておくべきでしょう。まてし、「公用車」「クラウン」。お笑いものでした。
さて、マスコミも同じ。不謹慎で申し訳ありませんが、一番笑ったのが、松本サリン事件。河
野さんが犯人扱いになり、河野さんの小屋から、「農薬」が見つかり、専門家が「農薬から
サリンを合成するのは不可能」と言っているのにも関わらず、警察発表の「農薬があった、
農薬があった」の垂れ流し記事。
実は、私も少し園芸をやっていて、農薬たくさん持っているのですが・・・別件逮捕されるか
な。
さて、あなたにも、万が一の事もあるかも知れません。警察も検察も裁判所もマスコミもあ
てになりません。この本を書いた、清水潔氏のような方も、沢山いるわけではありません。
まして、電車におけるセクハラの冤罪事件が、何件かおこりました。悪い事をやっていない
のに、犯罪者にされる恐れは誰にでもあるのです。この本読んでみてください。分かりま
す。
この本によると、周辺に、他に四名、行方不明一名。合計五名の子どもが殺されたという事
です。清水氏は、この犯人を突き止め、警察に情報提供をおこなっているようです。「ルパ
ン」と名称をつけていますが、最後にこう書いています。
ルパンよ、お前に遺族のあの慟哭は届いたか。
お前がどこのどいつか、残念ながら今はまだ書けない。
だが、お前の存在だけはここに書き残しておくから。
いいか、逃げきれるなどと思うなよ。
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