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2014年7月 4日 (金)

有明フラワー公園&番所跡~島原市有明町

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有明のフラワー公園。天気が悪い日も、ボチボチとお客さんがやって来ます。現在は、サル

ビアが主で、ラベンダーが少々。天気が良ければ、雲仙岳も見えるのですが・・・・

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ここのフラワー公園の少し上に、番所跡があります。島原半島は、愛野が昔は要所になっ

ており、地図をご覧になればすぐに分かると思います。

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(「島原半島の歴史 監修・松尾卓次」より)

赤の○印、上の方が土井口番所、下の方が原口番所。有明町誌によれば、この関所は古

くからあり、宝永四年(1707)、島原藩士団竹右衛門、種村新兵衛による「島原大概様子

書」にすでに載っているそうです。


青の矢印の道は、「北目道」と呼ばれ、平坦な道です。赤の矢印の道は「千々石道」で、山

越えの急な道ですが、上に登ってしまえば、後は下り道になり、距離的にも北目道より短く

なります。


さて、番所の位置です。黒丸が、フラワー公園。青丸が、植樹祭がおこなわれ、今年の長

崎国体のサッカー会場になる、百花台公園。赤の○印が番所跡です。

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   (「島原藩主 長崎監視の道~島原殿さん道の会著」より」

番所跡です。説明版があります。

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現在は、番所跡と分かるような所は、わずかに石垣が残るのみです。

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有明町史に載っていた、昔の様子です。番所屋敷と下番所屋敷。番所屋敷の石垣。

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                  (「有明町史」より)

番所屋敷とそれに付随する下番所屋敷があったそうで、敷地は二百坪。この番所の意義

については、説明版に分かりやすく書いてあります。クリックすると大きくなります。

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一つは、この千々石道は、雲仙が修行の場であり、その参道であると言うこと。


根井浄氏によると、参道口は主に4つあったそうで、その一つが北目から、この千々石道を

利用し、大三東(おおみさき・現島原市)の一本松→舞岳の麓→多比良(たいら・現島原市)

の魚洗川(イワラゴ・イワレゴ・イヲアライガワ)→長者屋敷(地名のみで現存はしていませ

ん)→九千部と国見岳の麓(ここは千々石道と離れ、雲仙岳に向かいます)→池の原(雲仙

ゴルフ場があります)→温泉(うんぜん・昔は温泉を、「うんぜん」と読んでいました)と登って

いた道。番所はこの道あたりになります。


なお、現在ではセクハラになりますが、雲仙岳には女性は登れず、麓で祈っていたそうで、

千々石には女人堂と言われる所があります。


あと、説明版に書いてあるように、千々石道は南北朝の合戦の間道、江戸時代は島原城

への裏手の進入道路としての重要拠点でもあります。


島原藩主は、雲仙の自然を大切にし、地域内の殺生、つつじの堀取り、野火等禁止をし、

山奉行の下に、山留め、山番人がおかれていたそうで、山留めの役料として、勤めの日数

によって、一日二合の扶持米と、田六段、畑五段が与えられており、当時の庄屋が七段、

乙名が四段だそうで、山留めの役料が大きかったことがうかがえます。


江戸時代に入ると、北目道が島原藩主の参勤交代の道路であったそうですが、幕末、長崎

に、特に外国船の入港等があり、長崎へ出かけるため千々石道を、何回となく利用したそ

うです。


この道は、千々石から、魚をのトロ箱を担いで、有明、島原方面へ魚を売りに行った庶民

の道でもあります。


なお、伊能忠敬もこの道の測量をおこなっていますが、後日、千々石で測量していった道を

紹介したいと思っています。


この道も、山の中に埋もれて、分からなくなっているところが、多くあります。代わりに、自動

車道路の立派な道ができていますが、歴史的な道です。何とか、再調査して、整備してもら

いたいものです。


(参考・文引用「有明町史」「島原半島の歴史~監修・松尾卓次」「修験道とキリシタン~根 

 井浄著」「新島原街道を行く~松尾卓次著」「長崎藩主 長崎監視の道~島原殿さんの道 

 の会」、説明版より)






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