« 今日は、サツマイモ植え | トップページ | トルコで私も考えた:高橋由佳里著~割礼について 其の二 »

2014年6月23日 (月)

トルコで私も考えた:高橋由佳里著~トルコライスについて 其の一

Img_20140622_0001

この本、買う予定ではなかったのですが、裏を見ると、

Img_20140622_0004

赤の下線。「トルコライスはトルコにはない!?」。トルコライスは、ちゃんぽん、皿うどんと

並ぶ長崎の名物料理。ピラフにトンカツとスパゲティを、一皿に盛ったもの。これが、基本形

で、あとは店によってバリエーションがあります。


本は、ピニールで包まれていて、これでは長崎県人としては、買わないわけにもいかず。

「トルコライスはトルコにはない!?」。これは、既に知られていることですが、一時、新聞に

Img_20140623_0001

この記事が載って、長崎としては、多少パニックになりましたが、「心づくし」さんのブログ

正しい休日の過ごし方」。その中で、紹介されている、ブログの「やまけんの出張食い倒

れ日記」を読むと、新聞が騒ぐほどの事もなく、新聞の一人相撲というとことで・・・


なお、心づくしさんのブログの「トルコライスの名の由来」に「長崎町人誌に」には、次のよう

に書いてあるそうで、私も確認をしましたが


昭和20年代の後半に、長崎万屋町角にあったレストラン・マルゼンのコック長が創製者と 

いう」とあり「スパゲッティ、炒飯、サラダの上にシシカバブが乗せてあったがその後、トンカ

ツがシシカバブに代って作られている」とあり、シシカバブはトルコ料理のひとつですから、

これは納得。さすが「心づくし」さん。


「トルコで私もかんがえた」には、

「私に考えられるのは、トルコの『シシケバブ・プレート』に似ているので、昔、長崎出身の人

がトルコに行って見たか食べたかしたシシケバ・ブレートが脳裏に焼けついて、それを身近

な料理で真似てみた説。または、東西ごちゃまぜのイメージから深く考えずに『トルコ』とつ

けた説」と書いてあります。


さて、「心ずくしさん」のブログに「T.斎藤さんの『土耳古めし』の記事」とあるので、調べてみ

たら、「知識の金曜日 福沢諭吉のトルコライス」ということで載っており、


「福澤諭吉が創刊した新聞「時事新報」に、『何にしようね』という料理コーナーが連載され

ていた。そこに、土耳古プレートの元になった『土耳古めし』のレシピが掲載されていたとい

う。日付は明治26年10月21日。」

土耳古めし
先づ鶏か牛肉にてソップを取り置き此ソップにあっさり鹽味(しほあぢ)を附け之を水に代用して飯を焚く可し、飯の焚ける前、別に鍋を掛け置きてバタをぢりぢりと底一面に煎り散らし、焚けると直ぐに飯を其中に入れて充分に掻廻はしバタのまんべんなく廻りたるを見て之を御鉢に移す可しバタ餘り多ければしつこき故其所らが手加減の肝要なる所なり少し鹽味を含む上に其味ひ云ふばかりなければ別におカヅが入らぬ程にて香の物か前號鳥めしに用ひしかけつゆ位にて事足るべし

 
(「知識の金曜日 福沢諭吉のトルコライス」より転記)


今で言う、ピラフの事だと思いますが・・・・・このブログの中に「また、明治時代の小説『食道

楽』(村井弦斎)にも土耳古めしの記述があるという。」ということで調べてみたら、ネットの

青空文庫にありました。「秋の部」の個所。


「第 二四八 ぺラオ飯」の所。「イイエ、パンは出しません。その代わり第五番目に手軽な

土耳古(とるこ)飯即ちペラオというお料理を出しましょう。それは米を二合先ずバターでよく

いためて、いまのプリスケを湯煮た汁がありますからその汁三合へ塩で味をつけて今のお

米と人参や玉葱の小さく刻んだのと一緒に入れてご飯のように炊きます。別に例の通りバ

ターでメリケン粉をいためてよく焦がして湯を少し注しますが万年スープならなお上等です。

それへ塩胡椒で味をつけてソースにして今のご飯へかけて食べますとなかなかけっこうで

す・・・・・・・」とあり、なお、「付録」の「西洋料理の部」にも


「第一 ペラオ飯」として

「第一 ペラオ飯 と申すは土耳古風の極くお手軽なお料理で我邦の上中流社会にもこの

頃大層流行します・・・・・・」

「第十 土耳古飯(とるこめし)」として、

「第十 土耳古飯 と申す料理には色々ありますがその手軽なものは前の通りにお米一合

をバターで入り付けた中へ牛肉四十目位を肉挽器械で挽くかあるは包丁で細かく叩いて加

えまして肉の色が変わるまで掻き混ぜながらよくいためます。それを深い鍋へ移してスープ

三合をさして塩胡椒で味をつけて煮ます。これには赤茄子ソースをかけると結構です。」と

書いてあり、現代のピラフとほぼ一緒の作り方です。


「我邦の上中流社会にもこの頃大層流行します・・・・・・」と書いてあることから推察すると、

「土耳古飯」というのは、かなり、知られた名前みたいですが、福沢諭吉の方は明治二六

年。「食道楽」は、初出が「報知新聞」で、明治三六年一月~十二月です。


トルコライスは、「土耳古飯」に誰かが、トンカツとスパゲティなどを加えて「トルコライス」と

言ったんではないでしょうか?しかし、他の所にも、少しあるみたいですが、「トルコライス」

のメニューが長崎だけ、なぜ多いのでしょう?


私は、あくまで以前書いた、「ソープランド」説をとりたいのですが・・・・こちらの方が、人間

の生活感があり、夢があるから。


ところで、新聞では、イスラム圏のトルコでは豚肉は食べない、と書いてありますが、なぜな

のか?ヒンドゥー教では、牛を聖なる動物みなし、食用にしませんが、イスラム教では、豚

を神聖な動物と聞いたこともなく、と思っていたら、この本に下のように書いてありました。


「イスラムでは豚は雑食で、他の動物の動物の肉やウンコまで食べるから、体内に細菌が

いて、それが人の健康に良くないと教えられているのだよ。だから豚は食べない。」

他に「コーラン」の教義とも関係があるようですが・・・・


余談ですが、NHKの「ごちそうさん」の、「脚本家×プロデューサースペシャル対談」で、岡

本幸江チーフ・プロデューサーはこう述べています。


「注目というか、他のキャストとは違う発想から生まれたキャラクターはいますね。一人は

『食道楽』の作者・村井弦斎さんにオマージをささげて誕生した、山中宗さんが演じる井村

幸斎。・・・・・・」


さて、この「トルコで私も考えた」、作者も後書きで言うように、山場は「オチンチン」に関する

ことです。


次回は「オチンチン」の話。お楽しみに、といっても、あなたや、あなたの御主人の、むくつけ

き「オチンチン」の事ではありませんから、御心配なく。


(参考・文引用:「トルコで私も考えた~高橋由佳里」「食道楽 秋の部~村井弦斎」「長崎町

人誌 第四巻 食の部Ⅱ~長崎文献社」。ブログ「正しい休日の過ごし方」「知識の金曜日」

「やまけんの出張食い倒れ日記」)





« 今日は、サツマイモ植え | トップページ | トルコで私も考えた:高橋由佳里著~割礼について 其の二 »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

ブログの紹介ありがとうございますm(__)m

私がこの一連の騒動の中で一番ガッカリしたのは長崎市の担当者が「トルコでは豚肉を食べない」という件に関して「勉強不足だった」というコメントをした件ですね
http://ssiimm.livedoor.biz/archives/51886734.html
勉強不足というよりはっきりいって無知ですよね・・・こんな輩が担当をしているのですから「長崎食の推進室」なんて解体しちゃえばいいと思いますね(^^)

無断借用して、申し訳ありません。また、私のブログも紹介いただき、ありがとうございます o(_ _)oペコッ

市の担当者、本当に「勉強不足」以前の問題ですね。テレビ、新聞等でも、トルコ人は豚肉は食べない、ヒンズー教にとっては、牛は神聖なものというのは、過去、何回でも報道してあるのですが、「食の推進室」「国際都市長崎」の名前が泣きます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 今日は、サツマイモ植え | トップページ | トルコで私も考えた:高橋由佳里著~割礼について 其の二 »

フォト
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ブログランク参加中ポチしてね(^o^)

最近のトラックバック

amazon

無料ブログはココログ