「ダンヒルライター」と映画「竜二」の私的思い出 その2
DVDの映画の最初に、メッセージがでます。
「竜二」主演の金子正次、さる、11月6日未明に亡くなりました。
金子正次の「竜二」は永遠に不滅です。
1983年公開の映画です。いつ、どこで見たのか忘れましたが・・・・・・
自主制作で、金子政次の初出演の映画。湯布院映画祭に出品後、10月29日より全国で
公開され、ヒットするも公開中の11月6日に33歳で死去しました。上の言葉、亡くなった
後、映画館に貼られていたそうです。あの頃に、青春を送っていた方は、この映画、ご存
知だと思います。
あらすじを簡単に書くと、
新宿でやくざ稼業をやっていた竜二(かなりの顔役)が、やくざに漠然とした疑問を覚え、
やくざから足を洗い、別れていた妻と子供(女の子は金子政次の実際の娘)と一緒に暮ら
し、ひと時の幸せを送る。酒屋の配達をし、以前とは、取る至らない給料だが・・・
その中で、昔、足を洗った先輩、同稼業で、友だったやくざの死、手下だった男の出世に
出会いながら、再び竜二はやくざの世界に戻っていく。
ラストシーンが、秀逸で、肉屋の特売日に、妻と娘が並んでいるのを見かける竜二。妻も
気付くが、2人の間には何の言葉もない。かたい顔の竜二。映画は、無音の世界になって
いく。
しばらく見つめあうが、竜二の眼にかすかに涙が流れる。妻に背を向け、雑踏の中に消え
ていく竜二。妻はすべて分かったのか、娘に、「あや、おばあちゃんの所に帰ろうか。」「ま
た、全日空に乗れるの?」
最後は、竜二が夜の雑踏の中を歩き、萩原健二の「ララバイ」の音楽が流れる。暗転。こ
この所、恰好良すぎる!
さて、この映画の中で、竜二に2人の手下がおり、一番下のチンピラが、バーゲンで服を
買ってきて、兄貴分に、自慢する。「これ意外と安いんです、そこんところで、バーゲンやっ
てたから」、と言うやいなや、兄貴分が、「なんだ、この野郎バーゲンだ、やくざがバーゲン
のものが買えるかよ、そんなものは、???主婦か、あほだら倅に、まかせればいいんだ
よ。
お前ヤクザの意地があるのかよ・・・・・・・と竜二さんに言われたんだよ。」と台詞があり、こ
の言葉が妙に頭の中に、残っていたのです。
後日、ある人から、こう言われました。「100円ライターなんか使うんじゃないよ。100円ラ
イターを使うやつは、100円の価値しかないよ。」
このようなことから、特にダンヒル支社での感動から、やはり、男は一流のものを持たなけ
れば、という思いが頭に中にずっとあり、タバコを吸わないのにかかわらず、ダンヒルのラ
イターを○万円で買ったのでありました。
ここら辺の心の動きは、他人には分からないと思いますので、ブログタイトルも、「私的思
い出」にしています。「私的」なら、自分だけ分かれば良いもんで・・・・
ほかにも、カミサンに値段を言ったら、離婚ものの一流品を、密かに隠し持っているので
ありますが。
竜二がやくざを引退する時のセリフ
花の都にあこがれて
飛んできました一羽どり
ちりめん三尺パラりと散って
花の都は大東京です
金波銀波のネオンに下で
男ばかりがやくざではありません
女ばかりが花でもありません
六尺たらずの五尺の体
今日もゴロゴロ明日もゴロ
ゴロ寝さまよう私にも
たった一人のガキがいました
そのガキも今は無情に離れ離れ
ひとり淋しくメリケンアパート暮らしよ
今日も降りますドスの雨
刺せば監獄
刺されば地獄
私は本日ここに力尽き引退いたしますが
ヤクザモンは永遠に不滅です
このセリフ、長淵剛の「泣いてチンピラ」の曲が似ている所があり、「花の都に憧れて 飛
んできた逸れ鳥」「六尺足らずの 五尺の痩せこけた体で」「刺せば監獄 刺されば地
獄」。長淵剛の曲の方が後です。
さて、そこで、百円ライターを使っている、アナタ、今すぐ一流品に取り替えなさい。安っぽ
いもの使うんじゃありません。安っぽい人間になりますよ。
私、本当は、マッチでタバコに火をつけるのが、一番カッコ良いと思っているのですがね。
「マッチ擦るつかのま海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや」 寺山修二
「既に煙草はなくなりぬ 頼むマッチも濡れ果てて ・・・・・・・・・」 討匪行より
ところで、私のダンヒルどうしてるかって?御仏壇のローソクの火を付けるのに、使ってい
ます。カミサンも、一流品に取り換えたいんですがね。こっちが取り換えられる方か・・・・
« 「ダンヒルライター」と映画「竜二」の私的思い出 その1 | トップページ | 節談説教~御正忌報恩講から思い出したこと »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 令和6年 橘神社大門松造り進捗状況(2024.11.25)
- 台風10号~確かに通ったはずなのですが?(2024.08.31)
- デビュー決定!!(2024.07.14)
- 今日はうれしい炊飯日より(^o^)(2024.06.02)
- 狭心症その後(2024.04.15)
コメント
« 「ダンヒルライター」と映画「竜二」の私的思い出 その1 | トップページ | 節談説教~御正忌報恩講から思い出したこと »
秀逸です
私的には、北公次が連れてきていた、弟分があほみたいなので、がっかりします
本作の中には懐かしのビニール本の印刷所とか色々出てきます
ブルーレイで再販して欲しいんですがね
投稿: くるみのお父さん | 2021年7月16日 (金) 15時02分
コメントありがとうございます
ただ、ただ、懐かしい限りです(; ;)ホロホロ。
投稿: sugikan | 2021年7月16日 (金) 20時46分