皿うどんと金蝶ソースの密接な関係
全国チェーンのお店の皿うどんです。
長崎と言えば、「チャンポン」が有名ですが、この皿うどんも、美味しいものです。
最近、チャンポンの元祖、「四海樓」の4代目、陳優継(ちんまさつぐ)氏が下記の本を出さ
れ、読んで見ると、長崎に生まれた私も、初めて知ることがあり、勉強になりました。
チャンポンは最初は「支那饂飩」として売られています。
チャンポンは、肉から野菜、海のもの、何でも入っていることから、ごちゃ混ぜにする事を、
長崎では「チャンポンにする」といい、何気なく使っていたのですが、中国語の福建語で「吃
飯(ご飯を食べる)」を「シャポン」「セッポン」と言い、これが「ちゃんぽん」に聞こえ、美味し
そうに食べている「支那饂飩」と同義語になり、「ちゃんぽん」という料理名になったのでは
ないかと言うことです。
さて、この四海樓は、斎藤茂吉も長崎時代(1917~1921年まで長崎医学専門学校の教
授)の時、かなり通ったみたいです。
吉井勇、増田廉吉、渡辺与茂平、和田魚風、吉屋信子も来店、斎藤茂吉は芥川龍之介、
菊池寛が長崎に来たおり、四海樓を訪れ、玉姫、(四海樓創始者、陳平順氏の娘)と麻雀
をしていったそうです。
1956年には、常陸宮様も訪れ、中華のフルコースの皿うどんを、お代わりされたそうで
す。また、1977年、浩宮様(皇太子殿下)が来られたときも、皿うどんを、お代わりされ
たと言うことです。
この皿うどん、「細麺にしますか、太麺にしますか」と聞かれる事があります。私ともあろう
者が、皿うどんは、最初から細麺が本来の姿だろうと思っていたのですが、この本によれ
ば、皿うどんの誕生は以下の通りでした。
ルーツは「炒肉絲麺」。要するに焼きそばのようなもの。
初期の皿うどんは、チャンポン麺を軽く炒め、次に、具材を炒め、チャンポンのスープを少
量注ぎ、麺を戻し水分が無くなるまで炒めるもの。要するに「焼きチャンポン」。ですから、
皿うどんの麺は、チャンポン麺を炒めた太麺で、これが本来のもの。
平順氏は、これに考案を加え、炒めたり、煮詰めたりで手間がかかるため、麺を細くし、あ
らかじめ油で揚げておき、炒めた具材にとろみを付け、かけることで、迅速にできるようにし
たそうです。
さて、長崎の黒田醤油の初代黒田氏が、中華料理に合うソースはないか、平順氏に相談
しながら、研究していたそうすが、考えれば、中華料理に西洋料理のソースとは。今まで、
不思議に思わなかったのですが・・・・
外のソースと違うのかどうか、金蝶ソースを交えて3本ばかり買って来て比べてみました。
一番右は以前紹介した、醤油とソースをブレンドした「しょース」ですから、これは除外。
3つのソースを比べて見ましたが、ソースは、トンカツとか、フライにかけるもんですね。そ
のまま舐めてみると、刺激が強い、間違っても、ジュースとかビールの代わりに飲まないよ
うに。
さて、この3種類比べて見ると、カゴメソースと、イカリソースは大体のところ似ていました
が、金蝶ソースは、この二つより、味が濃いと言うか、尖っているという感じ。
考えれば、皿うどんは、味付けに砂糖が入って甘めに作ってありますから、これくらい味が
濃いと合わないのでしょう。黒田氏の研究のたまものです。
ちゃんと、「長崎生まれ」、用途は「皿うどん」と書いてあります。皿うどんと、金蝶ソースは
かくの如く、密接な関係です。このソース、Amazonの通販でも買えます。
「長崎県民ご当地ソース 金蝶ウスターソース」と書いてありました。
(参考・文引用:「ちゃんぽんと長崎華僑~陳優継著)
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以前読んだときには皿うどんに関してはほとんど記述が無かったように記憶していますが改訂されたのかな?
http://ssiimm.livedoor.biz/archives/51624255.html
そもそも四海楼自体が皿うどんはあくまでちゃんぽん麺を使った料理だと決め付けていてHPでも
また、極細の麺を油で揚げて上から同様の具にとろみをつけてかけた「炒麺(ちゃーめん)」があるが、皿うどんと混同されているようである。
と紹介しているくらいです
投稿: 心づくし | 2013年10月13日 (日) 23時30分
そちらのブログ読みましたが、日付が2010年12月22日、「最近四海樓の社長が書いた・・・・・」とありますが、私の本は、「2009年10月7日、第一刷」ですから、改定版でではないでしょう。多分一緒の本だと思います。皿うどん、ソース、もやし、はんぺん、チャンポン面と唐灰汁については、101頁~116頁に書いてあります。
「炒麺」については、画像をチックしていくと、ほとんど太麺を使っていますね。ひょっとしたら、四海樓さんの勘違いでは?
最も中華料理は、広東料理、北京料理、福建料理、四川料理、日本化、アメリカ化したもの等ありますから・・・
新地の実家では、皿うどんと言えば、細麺ばかりでしたが・・・
長崎の昭和の風俗・文化関連の書籍は確かに、少ないですね。今和次郎さんの「考現学」の方向になるのでしょうが、頑張って、出版でもして下さい。
なお、キリシタン、鎖国時代の本、「腐るほど」はありません。長崎図書館でも手に入らず、某図書館でやっと一冊見つけたこともあります。多いようで、少ないですね。この間も、どこの図書館にもないので、買おうと思ったら、5万円。おまけに、あちらこちらに分散して、不自由しています。
投稿: sugikan | 2013年10月14日 (月) 21時41分
>なお、キリシタン、鎖国時代の本、「腐るほど」はありません。
ちょっと筆が滑ってしまいましたm(__)m
本文も訂正しますが・・・キーボードで「筆が滑る」とは違和感がありますね^^;
投稿: 心づくし | 2013年10月15日 (火) 09時15分
キーボードで「筆が滑る」ですか、何か新語が必要ですね。
>本文も訂正しますが・・・
あたってもいますから、訂正まではいらないと思います。
こちらも、資料が思わないように、手に入らないので、少しイライラしているので、つまらない事を書いて、失礼をしました。 o(_ _)oペコッ
投稿: sugikan | 2013年10月16日 (水) 22時28分