新・長崎弁かるた
昨日、島原半島の方言について、書いたばかりでしたが、今日、本屋に行って見ると、
「新・長崎弁かるた」がでていました。
作製は、長崎の放送局、「KTN」。主旨は、方言が共通語の浸透で消えゆく運命にある現
代、方言の記録と、古典的な知育玩具の新しい形として、CD付のかるたを作ったと言うこ
とです。
「古典的な知育玩具」と言われれば、私たちも小さいとき、かるたで文字を覚えた思い出が
あります。
かるたの絵は、「のざわ のりこ」さん。栃木県出身で長崎に移住。長崎でのカルチャーショ
ックを描いた、「長崎に来ちゃった」は、かえって長崎とはこんな所だったのかと、長崎人の
私が、感じさせられるものでした。CDの朗読は、KTNの4名のアナウンサー。
左が、取り札、右が読み札。この、「てまぜ」、又は「てまんぜ」、同じ長崎でも、微妙に違う
ところがありますが・・・・学校でよく言われたものです。授業中に、机の下で手遊びをしてい
ると、チョークとともに、「てまぜをするな!」の言葉が飛んで来ました。
皆さんもやっているでしょうが、「ゆーたくれて」。「酔っぱらって」の事です。
「おめかんで」は「大声を出すな」。と言うことで「イガ」は子どもの事。奥様と、なにをしてい
るとき、奥様が、思わず大きな声を出しているときも、「あんまり、おめくな、イガが起きっや
っか」などとも使います。なに、とは、なにの事です。
「なえたー」は「疲れた」。長崎では、良く「きゃー」等の接頭語を良く使います。「へいふり
坂」は実際にある坂の名前です。「おなら」をしながら登るから、「へいふり坂」ではありませ
ん。
諏訪神社の鳥居を作るとき、石材が重くどうしようかと思っているとき、一人の宰領が石の
上に立って御幣を振って励まし、石を運んだ坂にちなんで、「弊(へい)振り坂」だそうです。
「ちんぐ」はよく使います。韓国語で、「友だち」の事だそうです。はやり、長崎は国際都市で
すね。「ちんぐやろが、酒代は出しとけ。」
千々石では、「みどい」、「みどか」等と使います。「かわいい」と言うことです。転じて、「かわ
いそう」にも使います。「旦那さんが、亡くならしたげな、みどかねー」。「こん子(このこ)は、
みどかね」。などと、使います。
ちょっと、きつい言い方です。「下品」なと言うことです。おとなでも、「げさっかことは、すん
なよ」、などと使います。
「がまだせ」は「頑張れ」のこと。来年の長崎で開催される国体は、「長崎がんばらんば国
体・がんばらんば大会」です。「がまだせ」も「がんばらんば」も、ほぼ同じ感じで使われま
す。
もっとたくさんあるんですが、あとは買って楽しんでください。
読み札の下に、主に話されている地域として、「県南」、「県北」、「県央」、「島原」、「五島」、
「壱岐対馬」と標記が有り、○印が付けてあります。
CDの読み手は、アナウンサーのためか、流ちょうに読んでいますが、じいさんやばあさん
に読ませた方が、情緒があったのではないかな。
千々石でも、昔、一回ほど老人クラブが方言の劇とか、語りをやりましたが、最後は農作業
の劇。農作業が終わったあと、車座になって、慰労会の風景がありましたが、出してきたの
が本物の酒、最後は出演者全員、「ゆーたくれて」、劇もなにもあったものではなく、町長も
舞台に上がって、一緒に飲んでいました。でも、あれは楽しかった。
さて、小さい子どもをお持ちの方、この「かるた」買いませんか?「古典的な知育玩具」で
す。一緒に遊んで、心をふれ合わせ、文字を覚えさせ・・・変なゲームをさせるより良いと思
いますが。
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