秋永代経法座~思わぬ話★「ひとつの言葉で・・・・・」
故あって、お寺を長崎から、地元に移したのですが、父が亡くなるまでは、全部任せてお
いたので、お寺のことは、全然分からず。
春に、永代経法座があり、初めてのこととて、出かけてみたら、みんなで読経して、その
後、正式名称は何というのか知りませんが、布教師?説教師?、要するに講師が出てき
て、お話し。
やれやれ、2時間もの話かと思っていたら、意外に面白く、笑わせたり、泣かせたり、その
中に、仏の教えを取り入れるといった事で、あっという間の2時間。お経は素人では、なに
がなにか分かりませんが、こういう風に話をされるとよく分かります。
まさに、井上ひさし言うところの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいこ
とをおもしろく(バリエーションがいろいろありますが)」でしょう。
先日、秋永代経法座の案内が来ていたので、また出かけて見ました。
今回の講師は、熊本県から来ておられましたが、TVで「浪花節 説教師」ということで出演
されたことがあるとか。会う人、会う人に、「TV見た。」、「見た。」、「見た。」と言われたそう
ですが、「俺は家政婦か!(テレビドラマの「家政婦のミタ」の洒落)と言ったそうです。
話は、相変わらず上手で、お経、仏の教えが分かりました。時々節を付けながら、話をし
ていくのですが、この節回しが、まったくの浪花節。うまいこと。
「辻説法」という言葉があります。いまは、選挙中に道端に立って、自分の考えを訴えるこ
とを言いますが、本来は、往来で、通りがかりの人に対する布教活動で、これくらいの、話
術、声量なければ、通行人は、立ち止まって聞いてはくれないでしょう。
今、雲仙市は選挙中ですが、相も変わらず、車か徒歩で、名前を連呼するばかり。これく
らいの辻説法ができる候補者がいれば、すぐに一票入れるのでが・・・・
さて、この話の途中に、皆さんご存じの「ひとつの言葉で けんかして ひとつの言葉で な
かなおり・・・」という言葉。これを作ったのが、谷川俊太郎とか北原白秋が作ったとか、
種々の説があり、詠み人知らずの状態ですが、この話の事が出て、以下、メモを取りなが
らだったので、多少違うところがあると思いますが・・・・思わぬ話でした。
ある集まりに、講師が出席したところ、某上人から
「一つの言葉で けんかして 一つの言葉で 仲直り と言う言葉は知っとるか?」と聞か
れ、
「はい大好きな言葉です」と答えると
「誰が詠んだか知っとるか?」
「知りません、詠み人しらず・・・・」
「バカモン、○○○○が作ったったい」
「○○○○は死んどりますばい」
「下宿で死んどった、俺は一番に行ったんだ、あれは事実ぞ、自殺だよ。人間の言葉のも
つれで、感情をもつれさせ、最後には、彼は自分で死んだんだ・・・この詩(うた)を軽々しく
使ってくれるなよ。」・・・・・「○○○○が命がけで訴えて、日記に書いていったぞ」と言われ
ビックリしたそうです。講師は、「言葉は人を生かしもするが、殺めもする」と、言っておられ
ました。
今、この言葉に、いろいろ付け加えている方がいるようですが、本来の言葉を大事にした
いものです。この日、紹介された言葉で書きます。
ひとつの言葉でけんかして
ひとつの言葉で仲直り
ひとつの言葉におじぎして
ひとつの言葉に泣かされた
ひとつの言葉はそれぞれに
ひとつの心をもっている
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