エロエロ草紙~彩流社
「国立国会図書館」と言っても、ご存じの方は、少ないでしょうし、行ったことがある方は、ほ
とんどと言うより、皆無に近いでしょう。日本手品の重鎮、高木重朗氏、小説家の阿刀田
高氏もここの職員でした。
この図書館は、国会へのサービス、行政・司法へのサービス、国民一般へのサービスを行
っています。
また、日本国内で出版される図書を、納本制に基づいて収集、保存をしています。納本制
については、
「『納本制度』とは、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入する事を発行者
等に義務づける制度のことです。わが国では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)
により、国内で発行されたすべての出版物を、国立国会図書館に納入することが義務づけ
られています。」と言うことで、納入された本は、文化資源として後世に、保存をされます。
(国立国会図書館ホームページから)
なお、「・・・発行の日から三十日以内に、最良版の完全なもの一部を国立国会図書館に納
入しなければならない・・・」、「発行者が正当な理由がなく・・・・・・出版物の納入をしなかっ
たときは、小売価額(小売額のないときはこれに相当する金額)の五倍に相当する金額以
下の過料に処する。」だそうです。(国立国会図書館法 第十一章 その他の者による出版
物の納入より)
私たち仲間で作った本がありましたが、もちろん納入しました。あとで、納入に関する丁重
なお礼状をいただきました。
皆さんが本を出したときは、是非納入を。こうしておくと、自分の本が半永久的に残ること
になります。(多分、出版された本は、邪魔になるので、奥様とか子どもが処分するでしょう
から。)
さて、本論です。「国立国会図書館」では、蔵書を国民に供するため、「電子図書館」で、
一部ですが、閲覧できるようにしてあります。
「国立国会図書館」で検索し、「電子図書館」→「雑誌」に進んでください。「アクセス数ラン
キング」が書いてあります。
1位が一番上の写真の本、「エロエロ草紙」。助平な方がアクセスしているのか、はたまた、
風俗の研究をされておられる方が、アクセスしているのか、残念ながら、わかりません。
2位が「大日本帝国朝鮮写真帖:日韓合併記念」、3位が「台湾総督府警察沿革誌、第二
編」、4位が、なんと「軍隊料理法」、こんなん読んで、どうするんでしょう、結構面白かった
けど。5位が「最近朝鮮事情」、6位が「石巻日日新聞(号外)平成23年3月12日」、これ
は、東北震災の号外ですが、手書きで実に生々しいものです。是非、読んで見てください。
横道にそれましたが、この本、色刷りなのですが、ネットでは白黒でしか見られません。
今のネットのアダルト動画から見ると、鯨とノミのウンコくらいで、比べものになりません。こ
の本は、後書きによると、昭和五年十一月に「談奇群書:第2輯」として作られたそうです
が、製本の途中で発禁処分。世に出ることはなかったそうですが、2012年、ネット配信に
なるや、1位になったそうです。
著者、酒井潔氏は、昭和5年11月の後書きで次のように書いています。「エロエロ草紙は
イロイロ草紙である。即ち種々な色々を陳列展觀する意味である。草紙は勿論江戸時代
の草双紙のつもり。・・・・・エロエロ草紙は、上品なエロと、朗らかなナンセンス、すなわちウ
ルトラ生活の二要素を具備するもの。・・・・」
読んでみると、少しばかりのエロっぽさと、エスプリの効いた小話、小説、イラスト。
オリンピックの開催が決まりましたが・・・・・「オリンピック・エロ」
今の陸上競技では、オヘソ丸出しで、目のやり場に困りますが、このイラストを見ると、時
代の違いを感じます。
興味のある方は、ご一読を。助平心で読まれるなら、失望されるでしょうが、当時の風俗研
究としては面白いものです。私?勿論、風俗研究のためだけだとは申しませんが・・ 。
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