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2013年8月 2日 (金)

おおきな木★3冊の本から~シェル・シルヴァスタイン

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久しぶりに、シェルおじさんの登場です。ただ、シェルおじさんは、1999年に亡くなっている

し、有名な本はほとんど、翻訳され、ブログで取り上げたので、、これで、シェル・シルヴァ

スタインの事は、最後になると思います。一番有名な本。「おおきな木」です。皆さん、この

本を読んだ事として、以下書きたいと思います。


おおきな木には、3種類の本があります。シェル・シルヴァスタインの原本、「The Giving

Tree」。ほんだ きんいちろう訳の「おおきな木」。ほんだ きんいちろうさんが亡くなられ、

出版社が出版を続けられなくなったため、村上春樹さんが翻訳した、「おおきな木」。


この本の題は、「The Giving Tree」であって、「The Big Tree」ではありません。村上春樹さ

んは、後書きで、「長く読み続けられた本なので、混乱を避けるために『おおきな木』とい

う本の題はそのままに使わせていただきました。」と書いていますが、裏読みすると、本の

題も変えたかったのでは?


この二人の訳は、全くちがっており、特に、主人公の少年のことを、ほんださんは、「ちびっ

こ」、「そのこ」、「おとこ」、「よぼよぼの そのおとこ」、というふうに、表現を変えています

が、村上さんは、少年が、老人になっても、一貫して「少年」と表現をしています。シェル・シ

ルヴァスタインは、一貫して、「the boy」です。


親にとって、子どもが六十歳になろうが、七十歳になろうが、「子ども」です。シェルと村上

さんは、明らかに、大人を対象に書いているのでしょう。子どもに、よぼよぼの老人の絵を

見せて、「少年」と言っても、理解できないでしょう。


ほんださんと、村上さんの訳にもそれが如実に表れています。

ほんだ訳、「むかし りんごの きがあって・・」

村上訳、「あるところに、いっぽんのきがありました。」


ほんだ訳、「まいにち ちびっこは やってきて」

村上訳、「少年はまいにち その木の下に やってきました」


ほんださんの訳は、リズムがあって、子どもにピッタリでしょうが、村上さんの訳は、口で読

むより、目で読むタイプの文章です。比べて見ると、明らかに、子どもを対象にした訳と、

大人を対象にした訳ということが分かります。

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二冊の本があります。「『おおきな木』の贈りもの」は、主に、シェル・シルヴァスタインの人

生を描いたもの。「子どもとファンタジー」は、「おおきな木」を、スウェーデン、英国、韓国、

日本の7歳から17歳までの子どもに読ませ、「子どもたちが、『自己』を発見する課程を感

情や認識の側面からとらえようとした発達心理学」の本。


これを、読むと、年齢によって、国によって、読み方が違っていることがよく分かります。

「・・・・なんで木がしゃべるのか教えて・・・・」

「・・・林檎の木が少年を甘やかさなければ、少年の人生も、もっと変わったものになったか

もしれないと思えてならない・・・・・」

「・・・年老いているのに、小さい頃の少年がわすれられないのかもしれないけれど・・・・。り

んごの木はバカだなあと思う。・・・・」


まだ、たくさんな意見がありますが、「りんごの木」の解釈。「りんごの木」を「母(親)」と見る

か、「友人」と見るか、「自然」と見るか、「神」と見るか。


「母」と見るのが、ダントツに多いのが日本、次いで、韓国、英国、スウェーデンの順。「友

人」と見るのが、スウェーデン、英国、日本、韓国の順、。「自然」とみるのが、韓国、スウェ

ーデン、英国、日本の順。「神」と見るのが、英国、韓国。スウェーデン、日本は無し。


たぶん、日本で、この本を、子どもに読んで聞かせる方は、「母」として、読まれている方

が、ほとんどなのでは?


ほんださんは、後書きで、エーリッヒフロムに触れながら、「『愛とは第一に与えることであ

って、受けることではない』と主張してしたのを、記憶している人も多かろう。これこそ、この

物語に貫流する中心的な思想なのである。と書いています。皆さんも、そのような感じで、

読まれていると思います。


さて、この物語で、一番気になる言葉、木が切り刈られたあと、

ほんだ訳、「きは それで うれしかった・・・だけど それは ほんとかな。」

村上訳、「それで木はしあわせに・・・なんてなれませんよね。」

原文、「And the tree was happy・・・but not really.」


ほんださんの姿勢は、断定的ではなく、こどもに考えさせようとする、態度がみてとれま

す。なおこの部分、これまで、「木はしあわせでした。」と、ずっと書かれていましたが、これ

が本当だったかどうか、本音が見てとられるところで、木の意識の二重構造が見られま

す。これが、この物語の一種の難解性を生んでいるところでしょう。


さて、蛇足ですが、先ほどの、「子どもとファンタジー」のなかで、「・・・・切り株になった、り

んごの木にもう一度実がなって・・・・」という、子どもの感想がありますが、

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多分、シェルおじさんの、「おおきな木」を意識して書いたのでしょうが、佐野洋子さんの、

「おぼえていろよ おおきな木」。


老人の家の横に、おおきな木があり、落ち葉は散る、洗濯物は日陰になる、朝から小鳥

が集まって鳴いてうるさい。


木を切りとりますが、今度は、昼寝のハンモックはつれない、洗濯物を干すロープの、つ

なぎ所がない。ということで、老人は困るのですが、いつの間にか、切り株から芽が出てく

るという物語です。


さて、シェルおじさんの、「おおきな木」にも、芽が出て来て、また新たな物語りが始まるの

か、天国のシェルおじさんが知るのみでしょう。


参考:「『おおきな木』の贈りもの~マイケル・G・ホーガン著 水谷阿紀子訳」「子どもとファ

ンタジー~守屋慶子」「おおきな木~シェル・シルヴァスタイン著 ほんだ きんいちろう訳・

村上春樹訳」)


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コメント

 sugikanさんがインテリであることに、今、気がつきました。

いえいえ、単なる野次馬です・・・・・m(_ _)m

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