湯煎餅★たかが湯煎餅されど湯煎餅 最終回~雲仙市小浜・雲仙
こちらの、容器には「入徳」と書いてあります。包み紙の、黒い四角の所、ここにも「入徳」
と書いてあります。この絵柄に「入徳」と書いてあるのは、この店だけです。
「入徳」と書いて、「にっとく」と読みます「頴川入徳」。中国人。漢方医であり、僧侶。中国名
「陳明徳」。
明朝末期の乱を逃れ長崎にきます。この来た時期、説明版には、慶安年間(1648)とあ
りますが他の本には、寛永4年との記述もありますが、はっきりは分かりませんでした。
さて、入徳は小浜へ来ますが、小浜温泉が病気の治療に効ありと、広くPRし、いわば小浜
溫泉の恩人です。「頴川入徳師翁碑」が小浜の伝妙寺にあり、墓は長崎市夫婦川の春徳
寺にあるそうです。
入徳が、ここらあたりで入浴したであろうという場所があります。
ほとんどビルの蔭になりますが説明版があり、ここの坂を上がると、小浜歴史資料館(旧
湯大夫本多氏邸)があり、途中に「豊後湯跡」があり、島原城主松倉豊後守重政が気に
いったらたしく、しばしば訪れています。
松倉重政は、島原城を築城しますが、そのための重税、苦役等が、後の島原の乱の原因
となっていきます。寛永七年、入浴にきたおり変死します。これは、いろいろ話があるの
で、又後日。
さて、湯煎餅の美味しい部分
焼いた後、丸く形成しますが、その時できる不要の部分。意外と美味しいですよ。ただし、
この部分、普通、土産物屋さんには置いてありません。湯煎餅を作っているとこにしかあり
ません。
ただ、この部分、昔は一枚一枚焼いており、この部分が、今のより少なく、美味しいらしく
「長崎県溫泉誌(Ⅱ)」には、次のように書いてあります。
「センペイの子、今頃の人々はセンペイの耳というが機械焼きでは出てこないので(注:多
分昔と今では機械が違っていたのか?)手焼きしか出てこない。これも特有の味があり美
味しいしい。一週間前から注文していないと手には入らない。」
とのことで、昔、一枚一枚、おじいさんが焼いていたという、小浜神社裏にいったら、
ご覧の通り、家さえありませんでした。神社で、小浜を良く知った方に出会い、聞いたとこ
ろ、小浜には一枚一枚焼いているところは、今は無いという事でした。ただ、前に書いたよ
うに雲仙にあるので、そのうちと思っています。
そういえば、カステラも焼き上げた後、端の方を切り落とし形成しますが、あの切りとった
部分が美味しんですよね。
小浜に来られたら、湯煎餅の耳。長崎に来られたら、カステラの切り落とし。捜してみて下
ださい。これも、旅の楽しみでしょう。
長々と、湯煎餅の話を書きましたが、たかが湯煎餅にも、いろんな事があることを知って
いただければと思い書いてみました。私は小浜の隣町の人間なので、まだ、いろんな話が
あるようでしたが、一応は、これにてお終い。
(参考資料:「小浜町史談」「おばま~史跡巡りガイド」「ふるさと散歩~小林正著」「長崎溫
泉誌(Ⅱ)」より)
食べ比べてみると、耳の方がポチ美味しいみたい。あなたの、美味しいそうなお耳も、ポ
チしゃぶってみたいな。
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