高城神社の猩々(しょうじょう)の石造 その1~長崎県諫早市高城神社
先月、諫早市郷土館所有の古地図展があるとかで、見に行ったら、「諫早市郷土館 解説
シート(歴史編)」というのが置いてあり、50ページ程度の小冊子ですが、多分いくらかする
のかと思ったら、なんと只でいただきました。
一昨日、雨なので半日ばかり読んでいたら、面白く、よく調べてあること。せっかくですか
ら、これを元に、何回かに分けてご紹介を。
最初は、諫早の眼鏡橋のすぐ近くにある、高城神社の猩々の石仏です。高城神社の祭神
は諫早家初代龍造寺家晴公で、明治15年に創建。本来は、諫早公園と市役所の中間に
建っていたそうですが、諫早大水害で大破。現在の場所に移設されたそうです。
さて、この神社の社殿にあがる右手に上の写真の様な、御手洗いがあります。よく見ると、
少女の像のように見えますが、
実は「猩々(しょうじょう)」の像だそうです。
辞書に寄れば、猩々といえば、オランウータン、ゴリラ、チンパンジーのことですが、中国の
想像上の動物で、猿に似てあり、人の顔を持ち、人の言葉を理解して、酒を好むと言いま
す。酒飲みの異名とも載っています。
もう一つ、能の一つで、唐土の高風という孝行息子が、夢のお告げで酒売りになって、富
貴になったそうです。ある日、いつもやってくる客が、「自分は海中に住む猩々」だと名乗っ
たそうです。
月夜の美しい時、潯陽江(しんようのえ)に猩々が現れ、酒を酌み交わし、舞を舞い、いくら
汲んでもつきぬ酒壺を、高風に与え消えていたそうです。
この像は、壺の酒を汲みつつ舞う舞姿であり、御手洗いが酒壺を現しているそうです。
諫早市郷土館の資料には、「これが少女の姿を借りた猩々像であることは、その右肩から
下に垂らした手ふき様の布形の浮き彫りのなかに『飲みつきぬ 香り深し 菊の酒』という
文句が彫り込まれていることからあきらかです。」と書いてあります。
なお、「猩々」という能は、縁起の良い、めでたい舞だそうです。
さて、この像にはもう一つ仕掛けがありまして、また明日。
(参考・文引用:「諫早市郷土館 解説シート(歴史編)」「大辞林」より)
うちのカミサンもひょっとしたら人間の姿をした○○ではないのかな?ポチ、心配。
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