幻の肥前鳥居 その2 ~長崎県南島原市有家町・島原市
昨日の続きです。
肥前鳥居については、ネットで調べるといろいろ出ていますが、諫早の説明版は、笠木と
島木が二本一体化したように書かれていますが、島木が省略されているものもあるそうで
す。
(「有家町郷土誌」より)
有家町のも、多分このこの形ではなかったでしょうか。有家町郷土誌、有家町報176号の
「史跡巡り~「温泉神社『一の鳥居』」によれば、昨日書いたように、地震で倒壊後、大正
11年に再建されましたが、「台石を残し倒壊、その年に鳥居の改修は、おこなったものの
鳥居上部の鰹節型(別名舟底型とも云う)は、取り除かれ、新たな物と、作り替えたもので
ある。」という事だそうです。
「尚古い、舟形上部右半分は、大地震の時、池の中に落ちたままで後になり、後に池の中
から発見され、神社に保存されている。
また、左半分は、時の世話人により、猿田彦天神ときざまれ、現在久保田名、隈田俗に云
う石橋四つ角の、道祖神として、崇拝されている。」(有家町郷土誌)
一番上の写真が、「猿田彦天神」になった、鳥居の一部です。場所がよく分からず、若い男
の子がいたので、聞いたのですが知らないということ。年寄りの方も見当たらず。ウロウロ
していたら、こんな所にありました。後からみれば、鳥居の端の方だった、ということが分か
ると思います。
さて、有家町誌に載っている、池の中から見つかった部分です。これが、神社の中に保管
されているとか。
神社の中を見ても、それらしき物は見当たらず、丁度、宮司さんがお祓いをしていたので
尋ねると、猿田彦大神の方はご存じだったのですが、神社内にあるという、上の写真を見
せても、よくわ分からず、神社の横の方のお店の方で、生まれて、ここで育ったという方に
尋ねても、分からす、しばし、神社の中を見つけていたら、ありました。
神社本殿の裏側。多分横にしたままでは、ということで下部を埋めて、立てたのでしょう。
こうして見ていくと、一の鳥居は、島木を省略した笠木だけのものだと分かるとおもいます。
なお、鳥居の柱の部分は以前の残った物を使ったのでしょうが、三本継ぎになっておりま
す。年代は彫ってありませんが、温泉神社の歴史を考えると、かなり古いものだと思われ
ます。地震がなかったら貴重なものとして、残っていたと思うと、島原半島に於ける「幻の肥
前鳥居」です。
余談です。
温泉神社に行くには、大きな鳥居が参道にあり、神社の入り口に、今まで書いた鳥居があ
りますが、その間にもうひとつ、この写真の鳥居(年代的には明治6年のもの)があったそ
うですが、バスが運行を始め、通れないということで、温泉神社内に移したそうです。
貫の部分、新しいのが分かると思いますが、台風のとき落ちたそうです。その時、「四面
社」と書いた、額束も落ちたそうですが、まったく無事だったそうです。神社横のお店屋さん
から聞いた話です。「やっぱり、神様の魂が入っととやろな。」と言われていました。
地震に、台風。やはりおっかないですね。古人曰く、「世に恐ろしきもの、地震、雷、火事、
カミサン。」
東北の、地震、津波大変でしたが、こちらの島原半島も、昔から、地震、噴火、山の崩壊な
ど、何回か襲われております。自然の脅威の前には、人間の非力をつくづく感じますね。
(参考:「有家町郷土誌」「有家町広報誌~史跡巡り㉑)」)
今年の桜は、一斉に咲き始めたみたいですが、本当は、ポチポチ咲いていくのが情緒があ
って、良いのですが・・・・「お酒飲む人 花なら蕾 今日もポチ咲け(酒) 明日もポチ咲
け(酒)」。
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