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2013年3月13日 (水)

「なぬかもりの石」と徳利淵~長崎県雲仙市瑞穂町

P3120204

国道58号線(愛野~島原に行く開拓道路・今のグリーンロードの一段上の山側を走ってい

ます。)の道の側、独立行政法人種苗管理センター雲仙農場の横の空き地に石がありま

す。


どこにでもあるような石ですが、この石には話があります。

この事は、瑞穂町史談会で出している、「みずほ史談」の、「生活文化部長 前田晴夫氏」

が「『なぬかもり』の石」という事で書かれております。


昔、藩と藩の境には、藩境の藩境石、藩境石塚などがありますが、その他にも、川、あるい

は、大きな石を目印に境界をしていたそうです。


瑞穂町には、「天草石」と呼ばれる大きな石があり、吾妻町と瑞穂町の境界であったそうで

すが、林道拡張に伴い、一部が割り取られたそうです。


そして、現存しているのが、この「なぬかもりの石」だそうです。以前は、ここらあたりは、野

芝に覆われ、「にしばる」と呼ばれ、遠足の場所であったそうです。大小2個の石があり、

「めおと岩」と呼ばれ、大きい方が上の写真、「なぬかもりの石」と呼ばれ、小さい方は、育

苗センターの防風林の中にあります。フェンスで入れないので外の方から

P3120213_2

分かりにくいと思いますが、四角で囲んだ石です。


この、前田晴男氏が書かれたものによると、「なぬかもりの石」には、次のような話があり

ます。


昔、何故か、赤子がこの岩の傍に捨てられていたそうです。赤子は泣くじゃくっていました

が、「不憫に思われた神様が人間に姿を変えて現れ、石の角から顔を見せて泣く子をあや

し、近づいてくると反対側の角に移動し、近づいたら移動しの繰り返しで七日間おもりをさ

れたが与える乳もなく、食べさせる物もなく、ついに赤子は動くことも出来なくなってしまい

ました。」。「なぬかもり」は、「七日守り」の事でしょう。


この話を読んで思い出したのが、以前書いた、雲仙の「七日回りの石」。昔の雲仙は女人

禁制。子どもを僧房に預けたが、どうしても会いたく、赤ちゃんを連れて、「七日回りの石」

まできて、休んでいると、いつの間にか、赤ちゃんがいなくなり、泣き声が岩の反対側から

聞こえてくる。そちらに行くと、赤ちゃんの姿はなく、泣き声が、岩の反対側から聞こえてく

る。また、そちらに行くとまた姿はなく、反対側から泣き声が聞こえてくる。母親は狂ったよ

うに、岩の回りを7日7晩回り、息絶えてしまった。


「なぬかもりの石」「なぬかまわりの石」。題も似ているなら、中身も似ている。雲仙の話が

こちらに伝わったという事も考えられますが、「七日」と「回る」。何となくひっかかりますね。


「初七日」、「七日参り」、「七五三」、「七七・四九日」など「七日」というのが多いですね。

「回る」も「輪廻転生」、「胎内巡り」、「巡礼」など、「回る」と同じようなものであり、この「七

日」、「回る」、何か、仏話の話に出てきませんかね。二日ほど捜しているのですが・・・


さて、この石の存在も、話も忘れられていくのでしょうが、せめてもは、名称を書いた標識で

ほしいものです。


ここから、しばらく走ったところに徳利淵というのがあります。

P3120217_3

流れが徳利に似ているところ、濡れた部分が徳利に似ているので、徳利淵と名付けられた

のでしょう。平成23年に地域の人が、道路からでも見えるように整備したそうです。

この、上の方には水神様が、祀られています。年代は分かりませんでしたが、鳥がいたず

らしないようにか網が張ってありました。

P3120219_2

何となくホットするようなお顔でした。

(参考・引用:「みずほ史談 第8号~「なぬかもりの石」 前田晴男著」より)


さて、今日もカミサンは、何とか会で、昼のお食事会。料理代を聞いたら、なんと、5,000

円。私は500円のコンビニ弁当。ポチどころか、随分と羨ましかった。

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コメント

私の親父です。意外なところで名前を見つけてしまいました。こういった活動をしていたとは全く知らず、勉強になりました。

コメントありがとうございました。
「みずほ史談」意外と面白いですよ。いま20号が出ましたが、是非お読みください。

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