チャンポンと坂口安吾
長崎の食べ物と言えば、チャンポンにカステラ。
先日、「坂口安吾の新日本地理 06 長崎チャンポンー九州の巻」にふれ、「金鍔次衛門」
の事を紹介しましたが、安吾はキリシタンについて、長崎に来てかなりの事を調べて行った
ようです。この、安吾の作品も、長崎チャンポンと題をつけながら、本質はキリシタンにふれ
たものです。
もちろん、チャンポンの事にも触れていますが、チャンポンについて、下記のように書いて
います。
「・・・・陶器製のカナダライに相違ない平鉢の中へ、高句麗の古墳の模型をつくって少女が
運んでくる。古墳の上側にかけてある物をしらべると多量のキャベツやらキノコや肉などを
原料に支那と日本の中間的なウマニに煮たものである。
・・・・カナダライに水をナミナミと満たした場合にはカナダライの内部が直接空気にふれる
空間というものはなくなるのであるが、日本のウドンと支那のウドンのアイノコの場合にお
いてはその空隙がないのみでなく更にカナダライの高さと同じぐらいのものが上へ盛りあ
げられており、更にその上にキャベツ一個分はないけれども一個の半分以下ではないらし
いキャベツとキノコと肉などが積み上げられているのである。
・・・しかし、その時おどろくべきものを見たなア。学校帰りの一四五ぐらいの女学生三人組
と、母親らしき女と十一二の男の子の一組が、ちょっとお八ツ代わりにチャンポンを食いに
来たらしき様子であったが、五六ぺん笑い声をたててお喋りしているうちに、みるみる古墳
の山をくずして、三食分のチャンポンをカステラのように平らげてそこにカラのカナダライが
なければまだ完璧に何も食べていないような顔でしたなア。実に私は目を疑ったね。おそ
るべき女学生がいる。おそるべきオカミサンとその子供がいる。
・・・ところがチャンポン屋に回を重ねて通ううちに、長崎の老若男女というものは実に一人
残らず同じような特別の胃袋の持ち主で、そこに例外は決してないということが、たちまち
明白になりましたね。・・・・」
これは昭和26年の作品ですが、これを読む限り、長崎チャンポンは、この頃までは全国的
に有名で無い事が分かりますね。
なお、長崎の人間としていいますが、そんなに長崎の人間の胃袋は特別のものでは無い
ですよ。確かにチャンポンは量はありますが。上の写真は、上品な盛りのチャンポンで、こ
の倍くらい盛り上げたチャンポンはザラです。
なお、安吾は中身を、キャベツ、キノコ、肉をあげていますが、カマボコ、いか、えび、あさ
り、牡蛎などもはいったりします。とにかく、美味しいので、長崎にお越しの折には、食べて
みてください。ただ、店は選んで・・・・あまり・・・・という店もありますから。
これだけ、入れば、栄養、野菜繊維文句なしでしょう。私の知り合いにも、昼食は毎日チャ
ンポンばかり食べていたのがおりました。
他県の男性の方にいっておきますが、長崎の女性の胃袋も普通ですから、安心して結婚
してください。
なお、長崎にはトルコライスというのもありますが、その名前の由来について、面白い話が
あるので、いずれまた、ポチとご紹介を。
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関東で、長崎ちゃんぽんだけを食べさせてくれる個人のお店は残念ながらまだ知りません。チエーン店でのお店の名前は存じ上げていますが、お味の方はどうなんでしょうか・・・。いずれにせよ、本場で人気のところに行くのが一番理にかなっているということでしょう・・・。
投稿: | 2013年1月28日 (月) 10時09分
チェーン店、出来たばかりの時は、分量ばかりで勝負でした。ただ、近ごろは色々研究をしている見たいです。
やはり、食べ物は本場で食べるのが良いでしょうね。食べ物に合った、風土、雰囲気というのもありますから・・・・
投稿: | 2013年1月28日 (月) 22時03分
亡くなったおじさんに「どこのちゃんぽんが美味しいのか」と聞いたことがあります。
長崎市に行ったときに「どこで食べようか」という魂胆でしたが、その全国チェーンの名前が出てきました。旅行に出た時もいなかと同じ味を味わえると思ったんでしょうね。
栃木には3店舗あって、時々利用しています。
投稿: TOK | 2013年1月29日 (火) 08時15分
いつもコメントありがとうございます。
チャンポンは、各店の味があり、難しいですね。ちなみに、私の母は、新地の中華街に実家があるため、私も小さいときからチャンポンを食べて育ったのですが・・・チェーン店の味も大分良くなってきていますよ。
千々石のチャンポン店、久保田食堂も後継者がいないため閉店しました。良く食べに行っていたので淋しいかぎりです。
千々石駅の指摘ありがとうございました。当時を知る方に聞いて回ったら、やはり今の看板があるところが駅舎みたいです。詳しくは、もう少し調べてブログで・・・・
投稿: sugikan | 2013年1月29日 (火) 23時06分