雲仙大黒天(パワースポット)横の天照法師について~長崎県雲仙市小浜町雲仙
最近、パワースポットとして紹介され始めた、雲仙の磨崖仏の大黒天です。
小浜町史談によると、永久3年(1151)。「満明寺が再建、瀬戸石原に三百坊、別所に七
百坊(この数字、本によって違いがあり、正確には分かってないみたいです)。大黒天彫
刻。」と書いてあります。
別所はもちろん、僧の修行したところですから、その時彫られたのでしょうが、年代まで
は?
この大黒天の横に石仏があります。青の四角が大黑天。赤の四角が石仏です。
この磨崖仏、雲仙の別所ダム(鴛鴦の池)のほとりにありますが、ダムの工事が昭和36年
~44年。この磨崖仏は昭和40年に発見されたと、新聞に載ったそうですが、この横の石
仏。
セメントで補修したような感じですが、横に二本の石柱が。
右の石柱は途中から折れています。
左は、
「是ニ行者空照法師生存・・」まで読めましたが、下は土に埋まって読めません。
もう片方には、「昭和六年一月二十九日」の文字が。と言うことは、昭和四十年頃に発見さ
れたのでは無く、もっと以前から、この大黑天は知られていたことが分かります。四十年説
がインターネットのあちらこちらで見受けられますが・・・
さて、この「天照法師」ですが、西有家に関係があるらしく、西有家の郷土誌に載せてあり
ました。
生まれは、佐賀県東多久。当時、南有馬村で病気を治す霊験を現していた空照さんにお
願いし、西有家の八十八か所の設置を進めたそうです。
なお、「雲仙お山の情報館」の、西氏に聞いたら、空照師は、雲仙最後の修験者であった
そうです。、昭和六年に百日の回峰修行をされたそうです。延暦寺の「千日回峰行」では、
一日平均三十キロ、山中をめぐるそうです。雲仙の山中も岩が多く、上り下りが厳しいとこ
ろです。
なお、高岩山に登る途中に「奥の院・一夜大師」の小さな標識があり、登山道を逸れ林に
入り五百メートルくらいの所に、空照師の立像があるそうです。
(西有家町郷土誌より)
台には、「開山空照師 昭和八年見岳名中」と刻んであるそうです。見岳は現在南島原市
です。
なお、ここから細いけもの道を登ると、巨岩があり、その中に石窟があるそうで、これがな
かなか見つけにくいそうで、ここで百日修行をされたものだと考えられています。
さて、この石窟の中には、一夜大師というものがあり、見岳名の信者の人が、セメント、砂
などを険しい山道を石窟まで運び上げ、一夜のうちに、大師像を作りあげたといいます。
(提供:雲仙お山の情報館)
なお、この場所については、聞いておりますので、体調が治ったら是非いきたいと思ってお
ります。
最初に戻りますが、空照師が百日修行をおこなったのが昭和六年。大黑天の横の像も昭
和六年。記念に作ったのかな?
雲仙の山は奥深く、修験者が多く修行をしていますから、まだまだ、知られていないところ
があるかも・・・
なお、空照師、行基が修行をしたという行基洞(ここも分かりにくく、二度ばかり捜しました
が分かりませんでした)で二十一日間の業をおこない、故郷に帰られたということです。
(参考:「西有家郷土誌」「雲仙歴史散策資料~西久海著」「雲仙お山の情報館」)
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