頼山陽と天川屋~長崎県雲仙市千々石町 附録:大門松追い込み&ドクターヘリ
千々石に天川(あまかわ)屋という旅館があります。今は新館が出来て、ほとんど、そちら
で営業をしています。こちらは旧館。この天川屋に頼山陽が泊まったのは、千々石の人は
ほとんどの方が知っているところですが・・・
頼山陽については、学校でも習ったのでご存じだと思います。私は歴史の時間が嫌いで、
寝ていたので詳しくは覚えていませんが、歴史家、思想家、漢詩人、文人で、「日本外交
史」を書き、尊皇攘夷思想に影響を与えました。(これくらいは覚えています。)
さて、この頼山陽が千々石町に来ており、これについては、大正5年の、坂本竜之介著「山
陽遺蹟研究会」に書かれているらしく、それがそのまま「千々石郷土誌」に載っていますの
で、簡略に書いてみます。多少面白い話が、載っています。
頼山陽は長崎に63日間滞在。肥後に渡る予定が、「䌫を解いて僅か半時ならぬに、雲行
き愈いよ怪しくなり温泉山(雲仙岳)、黒雲漲りて・・・・海水忽ち闇く、怒濤瀾船を呑まねば
已まぬ大時化となった・・・」このため、「一陸地に漂着した。」そして、「一漁村に達し、一民
家に請ふて宿ることを得た。」
この、一夜の宿を請うたのが、「天川屋伍平というものの家であった」。すなわち今の天川
屋になります。ところが、このとき「嚢中一銭の貯えもないので、巳むなく紙を展べ筆を執
り、彼の程明道が『漠辭盃酒十分醉。只恐風花一點飛』を書いて与えたそうです。
主人は、皆目分からず、「之を壁に貼り、見る毎に一夕の宿料を損したと恨んで居た。」そ
うですが、神代村の医師母里柳庵(ぼりりゅうあん)が、この書き物を見て、「山陽の眞蹟た
るを認めて」、銀二朱で持って帰ったそうです。同家にて秘蔵しているとの事だそうです。
「伍平、後に至りて山陽の事を聞き、其の眞蹟を僅に銀二朱で売ったのを、甚く悔んだそう
である。」と言うことでした。
このあと、千々石から国崎の岬(南串山町)の沖合から、早崎海峡をへて、大屋の島につ
き、澁江龍淵という儒者を訪れますが留守。一通の書を預けますが、これが
「泊天草洋」、天草洋に泊す。「雲耶山耶呉耶越。水天髣髴青一髮。・・・・」という有名な漢
詩です。
口之津町で、「青一髮」という焼酎を造っています。宮崎康平さんが、この漢詩の一節から
名付けたそうです。
一人で作っているため、なかなか手に入りません。知人から、一度もらったことがありまし
たが、スッキリした良い焼酎でした。機会があったら是非一度。
「附録」
いよいよ、大門松の追い込みです。聞いてみたら、12月23日(日)の午前中に、完成式を
おこなうそうです。皆さんもどうぞ。特に、写真家の方は良い素材ですよ。
さて、この間、ドクターヘリの事に、少し触れましたが、小浜の埋め立て地の所で、上から
なにか音がすると思ったら、ドクターヘリが降りてきて、ビックリしました。
患者の方、無事なら良いのですが・・・
総選挙、ポチポチ結果が出てきました。この先、世の中どうなるんでしょう。
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11月25日に千々石の親戚に寄ったところ、丁度大門松の竹を建てているところでした。
完成まで一ヵ月掛かるんですね。
投稿: TOK | 2012年12月18日 (火) 14時30分
コメントありがとうございました。
皆さん、仕事があるため、休みの日にしか動けません。
でも、材料集めだけでも、大変なものです。
23日は、朝から完成式があるみたいです。暇が取れるようでしたら、是非どうぞ。
投稿: sugikan | 2012年12月18日 (火) 21時19分
私は栃木県に住んでいるので、完成式の様子を挙げて頂ければ嬉しいです。
おじさんが3月に亡くなったのですが、葬式に間に合わず11月末にお線香をあげに訪れました。お墓は千々石を見通す高台にあって、いつ来ても気持ちの良いところです。
おばさんたちにこのブログの話をしたら興味津々でした。女性同士は知り合いかも知れません。
帰ってから気がついたのですが、グーグルのストリートビューでほぼお墓の場所から橘湾を眺めることができます。千々石は栃木県より進んでいます。
投稿: TOK | 2012年12月19日 (水) 22時48分
了解です。
ただ、当日は、子ども会の、ミニ門松作りの指導もあって、会場が近くなので、行ったり来たりして写真を撮るつもりですが、良い写真が撮れるか心配です。
もちろん、完成した門松はアップします。
栃木県は、友人が二名いましたが、なかなか、愉快な人でした。(40年前ですが・・・)
投稿: sugikan | 2012年12月20日 (木) 18時23分