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2012年11月12日 (月)

下針(さげばり)金作★鉄砲名人~原城の乱へ(島原市三会)

Pb090494

島原の乱について、読んでいると、「下針金作(さげばりきんさく)」という人物が、書かれて

いることがあります。


島原の三会(みえ)というところで、百姓をやっていたとか、猟師をやっていたとか資料によ

って、多少違いはありますが、数間離れた所に、下げた針を打ち落とす腕前。名付けて

「下針金作」。その実、「金作」とは仮の名前で、小西行長の家臣「駒木根八兵衛友房」。


関ヶ原の戦いで敗れた、「小西、豊臣」の残党は、互いに連絡をとり、豊臣家の再興を計

画していたと言われています。


島原の乱が起こると、三会村の1420名と原城に立て籠もり、鉄砲の狙い撃ちで、幕府軍

を悩ませたといいます。


写真の場所は、「下針金作屋敷跡」と言われています。場所は、愛野町からグリンロード

が終わり、がまだすロードが始まる交差点から、右に曲がり、左の一本目の道を入って行

くと写真の所に出ます。赤の矢印の所が祠があるところです。

Pb090501

この中に、祠があるはすなのですが・・・・


この祠は、昭和初期ある事情があって奉祀されたものだそうですが、太平洋戦争中、出

征兵士の武運を祈願して、列をなしていたそうです。(有家町郷土誌より)


また、この場所には雀も寄りつかず、飛ぶ鳥も避けて通ったと言います。そして、宝クジの

神様になっているそうです。鉄砲の名手ですから、良く当たるそうです。(新島原街道を行

く:松尾卓次著より)


さて、扉は閉まっているのですが、中をどうしても見たくて・・・回りの畑にはだれもいない

し。


とはいっても、開けたとたん、ズドンとやられてはたまらないし、一応近所に家があったの

で(祠の所有者ではありませんでしたが)、「開けてみてもいいでしょうか?」と尋ねたら、

「元通りにしたらいいんじゃない。」と言うことで、恐る恐る開けてみました。

Pb090509

祠の中には、なにか入っているような木箱が。さすがに、これは開けきれませんでした。

「宝くじは当たらなくて良いですから、いい女の子に当たりますように。」とお祈りをし、お賽

銭をあげて来ました。


さて、話が長くなりますが、原城の第一陣の攻め手の大将、「板倉重昌」を、この「下針金

作」が撃ち取ったという話があります。


村井昌弘著、「耶蘇天誅記」によれば、「・・・三会村の奴原が固めたる出丸の狭間より放

ちたる横矢の銃玉、左の乳の下に当たり、・・・その場に討ち死にをぞ遂げられける」。こ

の、「奴原」というのが「下針金作」でしょう。


金井俊行著、「原城耶蘇乱記録」では、「・・・重昌益々進ミ城塀ヲ攀ツ賊下針金作之ヲ狙

撃ス胸ヺ貫ラ卒ス行年五十一歳・・・」


「奴原」とか、「賊」とか表現してありますが、「島原の乱」については、多くの資料が残って

いますが、全部と言っていいほど「幕府側」の資料ですから、仕方が無いところでしょう。


なお、「耶蘇天誅記」は江戸中期、「原城耶蘇乱記」は明治25年に、書かれていますが、

「耶蘇天誅記」は、部分的には見つけましたが、この部分の原典は見つけきれなかったの

で、有家町史談会発行の「嶽南風土記」、福田八郎氏の「原城聞書覚」から、「原城耶蘇

乱記」は、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーから引用しました。


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