宿神(しゅくじん)★夢枕獏~困ったもんだよ、この男!
ファンだから、買いましたが、困ったもんです。
以前に「新餓狼伝巻ノ二~やっと出ました」にも書きましたが、「餓狼伝」も「東天の獅子」
も「キマイラ」も完結していないんですよ。それで、これを新聞連載してたなんて。
この間も書いたとおり、「餓狼伝」から「新・餓狼伝」変わりましたが、「餓狼伝」第一巻が
出たのが、1985年、要するに「昭和」の時代、昭和60年。今は平成24年。ず~と読み
続けていますが、「俺の青春を返せよ!」って言いたい気分。
「東天の獅子」にいたっては、第四巻の最後の方で、やっと、主人公の「コンデ・コマ」こと
「前田栄世(後、光世に改名)」が登場。但し、まだ少年として。これでは、いつ終わるのや
ら・・・
夢枕獏曰く「今現在全部で十四本の小説連載を抱えている(2008年現在)」、下手した
ら、作者の寿命で十四本の未完の小説が残るかも。
まあ、「作者といえば親も同然。読者と言えば子も同然」と言う言葉もあるじゃないですか。
(あったかな)。作者が死んでしまえば、読者は孤児も同然。どうしてくれるんですか?
さて、この「宿神」、朝日新聞に連載されていたものらしいですが、うちは地方新聞しか取
ってないので、知りませんでした。「平清盛」と「佐藤義清(後に出家して西行)」が、親友
であったという設定。
え!平清盛と西行が親友????しかし、小説に書かれているように、両人とも「北面の
武士」。まあ、あり得ないことでしょうが、そこは小説。夢枕獏さんでなくては想像できない
ことでしょう。NHKTVの「平清盛」と重ね合わせて読めば、なお面白い。第三巻と第四巻は
11月発売だそうですが、これは、完結しているみたいですから安心。
作者はいつも後書きで書いています。「・・・本編を読み返して見たのだが、いやいや、本
当におもしろい」、いつも、自作を褒めるのが夢枕獏の口癖。
面白いと言えば、「神々の山領(いただき)」。これ、山岳小説としては最高の小説に属す
るでしょう。
なにせ、「そこに山があるからだ」の名言で有名な、マロリーの写真機(エベレストで遭難。
数十年後、遺骸は見つかったが、カメラは行方不明。これは、史実。)と、日本人カメラマ
ンが巡り会うところから始まり、マロリーがエベレストへ登頂したかの謎。山岳登山の醍醐
味。
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」、楊貴妃も出てきたりして、伝奇小説として読み応えがあ
ります。
とにかく、夢枕獏は面白い。ただ、ちゃんと最後まで書いてくれると。これ以上連載は増や
さないように祈ってます。本当に困った男です。
今日は夢枕獏に、ちょっと腹がたっているので、文章がめちゃくちゃ。(いつもか)
ポチしてなぐさめてね。
« この一曲~美しき天然&さよならトコロテン | トップページ | 西郷(にしごう)の板碑~長崎県諫早市 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 気まぐれ資料館~次は「草双紙」の世界(2023.01.15)
- ザッとした読書感想文なのですが(^_^)(10月~11月中旬読了)(2022.11.13)
- 落語「紀州」の原典は松浦静山「甲子夜話」?(2023.09.19)
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
コメント