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2012年10月 1日 (月)

宿神(しゅくじん)★夢枕獏~困ったもんだよ、この男!

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ファンだから、買いましたが、困ったもんです。


以前に「新餓狼伝巻ノ二~やっと出ました」にも書きましたが、「餓狼伝」も「東天の獅子」

も「キマイラ」も完結していないんですよ。それで、これを新聞連載してたなんて。


この間も書いたとおり、「餓狼伝」から「新・餓狼伝」変わりましたが、「餓狼伝」第一巻が

出たのが、1985年、要するに「昭和」の時代、昭和60年。今は平成24年。ず~と読み

続けていますが、「俺の青春を返せよ!」って言いたい気分。


「東天の獅子」にいたっては、第四巻の最後の方で、やっと、主人公の「コンデ・コマ」こと

「前田栄世(後、光世に改名)」が登場。但し、まだ少年として。これでは、いつ終わるのや

ら・・・


夢枕獏曰く「今現在全部で十四本の小説連載を抱えている(2008年現在)」、下手した

ら、作者の寿命で十四本の未完の小説が残るかも。


まあ、「作者といえば親も同然。読者と言えば子も同然」と言う言葉もあるじゃないですか。

(あったかな)。作者が死んでしまえば、読者は孤児も同然。どうしてくれるんですか?


さて、この「宿神」、朝日新聞に連載されていたものらしいですが、うちは地方新聞しか取

ってないので、知りませんでした。「平清盛」と「佐藤義清(後に出家して西行)」が、親友

であったという設定。


え!平清盛と西行が親友????しかし、小説に書かれているように、両人とも「北面の

武士」。まあ、あり得ないことでしょうが、そこは小説。夢枕獏さんでなくては想像できない

ことでしょう。NHKTVの「平清盛」と重ね合わせて読めば、なお面白い。第三巻と第四巻は

11月発売だそうですが、これは、完結しているみたいですから安心。


作者はいつも後書きで書いています。「・・・本編を読み返して見たのだが、いやいや、本

当におもしろい」、いつも、自作を褒めるのが夢枕獏の口癖。


面白いと言えば、「神々の山領(いただき)」。これ、山岳小説としては最高の小説に属す

るでしょう。


なにせ、「そこに山があるからだ」の名言で有名な、マロリーの写真機(エベレストで遭難。

数十年後、遺骸は見つかったが、カメラは行方不明。これは、史実。)と、日本人カメラマ

ンが巡り会うところから始まり、マロリーがエベレストへ登頂したかの謎。山岳登山の醍醐

味。


「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」、楊貴妃も出てきたりして、伝奇小説として読み応えがあ

ります。


とにかく、夢枕獏は面白い。ただ、ちゃんと最後まで書いてくれると。これ以上連載は増や

さないように祈ってます。本当に困った男です。


今日は夢枕獏に、ちょっと腹がたっているので、文章がめちゃくちゃ。(いつもか


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