漁人(ふなと)市場「とっとっと食堂」・その正体は~長崎県島原市
実は、どうしようかと数日間考えていて、まあ、島原まで行って、それから決めようかと。
「嶋原半島史」という本があって、千ページ弱の上、中、下、三巻。昭和29年に発行の本
ですが、ほとんど手に入れにくく、Amazonでも、中古の本で出ていますが、何しろ5万円程
度の本。
市内の公民館の図書室にも置いてあるのですが、どこかの誰かが、何十年も借りて行っ
ているらしく、三巻揃っている所はない状態。
島原城の近くの古本屋さんで見つけ、状態はあまり良くありませんが、他の所より安く、と
いっても年金暮らしでは高く。どうしようかと、島原城の周りをグルグル回っていると、いつ
しかお昼。まあ、優柔不断のみが取り柄の私。
昼になったので、とりあえず飯でも食ってと。どこで食べようかと思っていたら、魚料理専
門のお店を思い出して。来たのは初めてですが。
「とっとっと食堂」。「とっとっと」とは長崎弁。知人のために、取っている汽車の座席などを
他人が座ろうとするとき、「そこ、とっとっとですよ。」なんて使います。どこかみたいに「そこ
の座席は、私の知人のためにとっておりますから、ご遠慮ください」なんて、長ったらしいこ
とはいいません。「そこ、とっとっと」ですみます。
さて、この食堂は、島原市の湊新地町、上の写真の船着き場の近くに建っていますが、
ここの湊は、
1864年(元治元年)2月22日、勝海舟、坂本龍馬一行が、長崎に行くために、熊本から
船で着いたところなのです。雲仙を越え、当日は会津(愛津・現雲仙市愛野町)に一泊、次
の日には長崎へ着きます。
なお、この周辺は幕末、明治にかけ栄えたところで、北原白秋、与謝野鉄幹、種田山頭
火、竹久夢二(「島原巷談 精霊流し」を描いています)などが訪れた所だそうです。
さて、この食堂
その正体は、島原松平藩七万石の穀物倉庫だったのです。「殿様ん(とのさん)蔵」と呼ば
れていたそうです。
本来、この倉庫が五棟建っていたそうですが、三棟が台風、シロアリの被害で解体。残る
一棟も痛みがひどく、この倉庫だけが無事で、解体された倉庫の木材を利用して、梁や椅
子などに使っているそうです。
竹久夢二の絵が、飾ってあるので見て歩いていると、中年の女性から「説明しましょうか」
といわれ、近くの方らしく、昔の、ここらの様子を伺うことができました。なかなか、有意義
なお話でした。(美人の方でしたけれど、もう少し若かったらな・・・・)
一日限定10食につられて、干し甘鯛の焼き魚を。おいしかったですね。家で焼いて食べ
るのとは大違い。
食堂の横には、生け簀で魚を売っていて、「ふぐ」をこちらでは「がんば」と言いますが、フ
グにあったって死んでも良いように、「棺」(がん)ばそば(棺をそば)に置いてでも食べたい
という意味ですが、その「がんば」が美味しそうに泳いでいて
カミサンのために、「キモだけ売ってくれない」と頼みましたが、断られました。
さて、本の方ですが、目をつぶって財布から金をだして買ってきました。
全部文章ばかりですが、最初に四十ページ弱、貴重な写真があって、もったいないので一
枚だけお見せします。以前にも書いたように、明治の廃城令によって、島原城も民間払に
下げ、解体されますが、その時の写真です。
(「島原半島の歴史」より~林銑吉編)
今の復元された島原城。
帰りがけに、普通の本屋さんによりましたが、「楽園のカンヴァス」(1600円)、「屍者の帝
国」(1800円)、「天守再現 江戸城のすべて」(648円)、「ハーモニー」(1600円)、「天
草回廊 カクレキリシタン」(2000円)。プラス「島原半島の歴史」。(?万円)、その他、雑
誌「俳句」「週刊朝日」「夢(健康関の本)」「ビックコミックオリジナル」「ビッグコミックスペリ
オール」を買いました。そして、昨日はついに買いました「日本キリシタン墓碑総覧」(800
0円)。ばれたら、カミサンからおごられるな、間違いなく。
もっとも、金の心配より、死ぬまでに読めるのかな?
おまけに、図書館から借りてきている本が、五冊。どれから読んで良いのやら・・・
まあ、本より、これくらい彼女がいれば、楽しいのにな。本音をポチッとばかり。
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