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2012年9月 3日 (月)

国語入試問題必勝法★清水義範~受験生必読の本?

Photo_2

今日から2学期が始まりますが、受験生にとっては、いよいよ入試勉強の終盤戦。


いつものように図書館に行って、本を捜していたら、懐かしい本が。「国語入試問題必勝

法」。この本、7つの短編からなっていますがその一つが「国語入試問題必勝法」。初出が

1986年、「小説現代」で、「入試国語問題必勝法」を「国語入試問題必勝法」に改題し、

吉川英治文学新人賞を取っています。


とにかく、意表を突くような、国語問題の解答法。国語が苦手な受験生を、家庭教師が教

えるという物語ですが、


「きみはその問題を与えられて、まず問題文を読み始めたね。それが間違っている」

「それから、もっと悪いのは、きみは読んだ文章の内容を理解しようとした。違うかい」

「・・・・もっと修行すれば問題文も読まずに正解を出すことも不可能じゃない」

なんていう、セリフがあったり、


「こういう、内容を三十字にまとめろとか傍線の意味を五十字で説明しろ、という問題は本

当はむちゃくちゃなんだよ。最低の愚問だと思ってもいい」

「そうに決まっているよ。三十字で言えることなら原作者が三十字で言っているはずじゃな

いか。それじゃ言えないからもっと長く書いているんだ。・・・・」

なるほどですね。


解答のために必要な技法として、「・・・例えば選択肢が四つある場合は、大、小、展、外、

の四つになっていることが多い。選択肢が五つの場合は普通これに、誤、というのが加わ

る。」


問題を読まなくとも回答する方法として、「・・・その、第一の法則は、長短除外の法則」

「そこで第二の法則が役に立つんだよ。それは、正論除外の法則だ」

具体的にどんな法則かというと、本をお読み下さい。面白いから。


で、私の場合は、この本が出版されたのが、受験が終わって十数年経っていましたから、

時すでに遅しでした。


と、ここまで書いて思いだしたことが、福岡で谷川俊太郎さんの朗読会を聴きに行ったら、

「いるか」という詩を朗読していました。


いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるか


いるかいないか
いないかいるか
いるいるいるか
いっぱいいるか
ねているいるか
ゆめみているか



朗読後、「この詩、教科書に載っているらしく、この詩にイルカが何匹いるか、という問題

が出ているらしく、作者の責任があるので数えたんですが、・・・よく分からないんですね。

数えてもしようないだけど・・・」ということを言われていました。まあ、作者にも分からない

問題もあるんですね。

さて、この「国語入試問題必勝法」、お役に立つかどうか受験生諸君、ご一読を。



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