センゴク天正記★宮下英樹~マンガと侮(あなど)るなかれ
中学生の時から、歴史が苦手というより、あの年号を覚えるのが苦手で、日本史、世界史
の授業はまったく上の空で聞いていたものですが、近ごろ、少し興味を持ち始め、といって
も簡単に読めないものはないかと思っていたら、このマンガが本屋の棚に並べてあり、あ
まり期待もしなかったのですが、「史上最も失敗し挽回した男・千石権兵衛秀久」との宣伝
文に釣られ、読み始めたら面白く、あっという間に14巻読破。
主人公は千石秀久。秀吉の古参の家臣。信濃小諸藩の初代藩主だそうで、ウィクペディ
アにを読んでいると、「一色軍記」では石川五右衛門を捕らえたとの記述が残されている
そうです。
仙石さんと、秀吉さんですが、まあ、マンガだからマンガ的には書いてあり、最初の方に、
老眼では見えないような、小さな文字で、「この物語はフィクションであり、実在の人物、団
体等はいっさい関係ありません」、と書いてありますが、なんのなんの。
一巻目の最初に「言合戦(ことばがっせん)」のことが書いてあり、「言合戦」とは戦国時
代盛んに行われた神経戦術だそうで、「細川幽斎覚書」にある「言争い(ことばあらそい)
の条」によるとその戦術とはー「正楼(せいろう)の上に二~三人も上がり、拍子木を打
て音頭を取り(中略)竹束の裏に有之同勢一同に声をそろえ、時の声をつくり、鉄砲をは
たはたと打ちかけ候、左様に致す時は、夜の五つ時、また夜明けにも致し候、幾度も右の
如くに致し候へば、城中(中略)殊の外騒ぎ、慌てるものにて候」という風に、本格的に書
いてあります。
そのはずで、参考文献が「改選 仙石家譜」、「信長公記」、「甲陽軍鑑」、「武功夜話 前
野家文書」、「雑兵物語」、「寛政重修諸家譜」、「細川幽斎覚書」、「北条印判状」、「武田
信繁家訓」、「日本史(ルイスフロイス)」「桑山基氏文書」、「早雲寺殿廿一箇条」、「耶蘇会
通信」、「革島一宣宛信長朱印状」というものですから、まさに本格的に調べて書いたも
の。マンガといえども侮れません。
さて、主人公は仙石秀久なのですが、一番重きを持っているのが、織田信長。
かっこいいですね。典型的な肉食男子。あまり、表には出てきませんが、実質的な主人
公。
戦いについても、
ちゃんと図示してあり、分かりやすいですね。このマンガで学校の授業をしてくれたら、興
味が持ったんですけれど。
ただ、この本、14巻目が「中国戦略編」の所までで、次が武田との戦い、まだ本能寺まで
も行ってなく、どこまで続くんでしょう?本の帯には、「センゴク天正記」は次の15巻で完結
だそうですが、「センゴク第3部(仮)」がヤングコミックで連載されるそうです。ここまで来た
ら、最後までお付き合いでしょう。年金暮らしには本代が辛いんですがね。
マンガでお勉強なんて良い時代ですね。ポチね。
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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 職務経歴書の書き方 | 2012年9月 6日 (木) 10時08分
コメントありがとうございます。
ごちゃごしゃしているブログで、恐縮していますが、よろしければいつでもお越し下さい。
お待ちしています。
投稿: sugikan | 2012年9月 6日 (木) 12時49分