釈迦苦行像~パキスタン・ガンダーラ美術展より
古い資料を片づけていたら「パキスタン・ガンダーラ美術展」に行ったおりの解説書が出て
きました。
この展覧会。1984年に東京、大阪、福岡で開催され、福岡では6月23日~7月15日に
開催されています。福岡まで見に行きましたが、これ見たときは、ビックリしました。84㎝
×53㎝の像で、そんなに大きな像ではないんですが、展覧会の中では異彩を放っていた
ことを覚えています。
腹部の部分ですが、なんとリアルな表現でしょう。
解説によれば「シダッルター太子は悟達を求めるため多くの遍歴の後、最後に苦行に入
る。6年間に及ぶ激しい断食修行をなしたと仏典は伝えている。」とあります。
ガンダーラ美術の特徴の一つはリアリズムにあるそうですが、極地にあるともいえる像で
あり、これが本当の釈迦の苦行を伝えるものでしょう。しかし、リアルなだけではなく釈迦
が持つ崇高さが分かると思います。
3~4世紀にガンダーラの工人が作ったそうですが、もちろん名前も分かっておりません。
「ラホール博物館」所蔵だそうですから、是非ご覧にお越し下さい。(と言っても気楽には行
けませんが)
さて、お釈迦様については
手塚治虫が書いており、手元にあったので読み返してみたら、釈迦の人生が如何に苦行
であったのかが分かります。もっとも作者は後書きで「この漫画の中で、重要な役割をする
シッダルタの周辺の人物は、ほとんどみんな架空のもので・・・」と書いていますが、手塚治
虫の物語は事実より真実に近いのでしょう。
なお、手塚治虫は修行の様子を
と描いており、これ、上の展覧会を見に行って参考にしたのかなと思っていたら、手塚さん
の作品は1972~1983年に描かれたもの。展覧会があった前の作品で、手塚治虫の想
像で描いたのでしょうが、さすが天才手塚治虫さん。
この作品、全8巻で気楽に読めとはいえませんが、一度は読んでみて人生に対して考えて
みるのも良いかもしれません。(参考:パキスタン・ガンダーラ美術展解説書)
お釈迦様にポチね。
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コメント
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25年ほど前、イギリスからの帰路、縁あってパキスタンに立ち寄った時、このラホール美術館に行って、実物を見ました。そのきっかけは、NHKの番組で紹介された、従来の仏陀イメージと違うこの像に私は強い印象を抱いていたからです。その像を実際目の前にした時は、感慨深いものがありました。想像していたよりも小ぶりの像でした。ちょうど横にいた見ず知らずの年配の日本人と「これがあの仏像ですね」みたいな言葉を交わした記憶があります。
投稿: 宮崎重人 | 2012年7月 8日 (日) 11時49分
コメントありがとうございました。
私もあの仏像を見たときは、従来持っていた釈迦のイメージと違い、衝撃をうけたものでした。
できれば、写真と実物は迫力が違うので、もう一度実物をみたいのですが・・・
投稿: sugikan | 2012年7月 8日 (日) 13時03分