弁天様・よけ石・鳩の穴~長崎県雲仙市千々石町
今日は船を頼んで、千々石から小浜あたりまで。富津公園あたりに「鵜の穴」というのがあ
って、これは明日書こうと思っていますが、ちっと気になることがあり、磯づたいには行けな
いということで、船でお出かけ。
まあ、例によって「穴」と聞けば出かけたくなるのが性分ということもあって。あなたも好きで
しょう。競馬、競輪の大穴狙いあれと一緒ですよ。
さて、私泳げないこともあって、浜育ちの知人も一人同行してもらいましたが、漁船に乗
るのは初めてで・・・でも、海から見る景色は、普通に見ている風景とは違い楽しいもので
した。
港から撮った釜山(かまやま)です。千々石少年自然の家があるところです。この山の後に
猿葉山があり、約26万年前に噴火した火山だそうですが、「弁天神社(富津弁天公園内)
の林を抜けると、島原半島には珍しい断崖絶壁の海岸が迫ってくる、崖は堅い縞模様の
安山岩の溶岩で出来ている。」(長崎遊学7 島原半島をひと筆書きで一周する~寺井邦
久編著より)と言うことで、この千々石から小浜にいたる海岸の絶壁は、猿葉山の火山の
影響といえるでしょう。
船が浮かんでいる少し上の、こんもりした林の中に、地元では弁天様と呼ばれる宗像神社
があります。
灯籠を見て行くと一番古いのが宝暦四年(1754年かな?)随分古い神社ですが、
立派な飾りまで作ってありますが、獅子の口に玉が咥えられているのが分かるでしょうか。
この弁天様にはいわれがあるということで、知人と共に、ここの神社を預かっている方の所
へ。
当主は五代目の方だそうですが、祖先が島原半島の村々を回り、お金を集めて(何とかと
言う制度だそうですが、名前を忘れました。)島原に納めに行くとき、夢枕に弁天様が現れ
「帰ってこい」と言いわれ、これが三日間続き、戻って来たときに、「島原大変」が起こり一
命をとりとめたそうです。代々伝わっているという話だそうです。
港を出るとこのような風景が続きますが、まあ、海の方からでしか見られない風景で感
動します。これも猿葉山の火山の影響だと思われます。なお、この林の上の方を雲仙鉄道
が通っていました。
この穴「鳩の穴」という名前だそうで、昔は小舟で入れ、蝙蝠なんかも住んでいたそうです
が、今は崩れて入れなくなっています。
こちらは千々石で一番大きいと言われる「よけ石」といわれる石です。昔はここまで歩いて
行かれたそうです。
大正七年の「千々石村郷土誌」によれば、「千々石字釜ニ辨天神社アリ海岸ニ臨ミ風景殊
ニ麗ハシク奇岩怪山老松の間ニ点在シ千々石村ノ海岸中殊ニ目ヲヒクトロコタリ 其怪石
中ニヨケ石ナル大石アリ」と言うことですが、今は港などもでき、風景が変わって、普通に
は見えなくなっています。
この、よけ石にも話があり、「千々石村郷土誌」によれば二つ話が載っており、
一つは、信心深いおばあさんがここらあたりに薪を取りに行ったとき、崖上から大きな石が
転がってきて、あわや押しつぶされてるところ「南無阿弥陀仏」と手を合わせていたら、お
ばあさんをよけて転がり落ちたそうです。これからこの石を「よけ石」というそうになったそう
です。
もう一つの話は、山の中腹に村民が植樹していたところ、石が転がり落ちてきて海岸に落
ちたそうですが、植えた樹木をことごとく「よけて」いったそうです。
あしたは、木津、富津、そして「鵜の穴」のご紹介です。これも、めったに見られない海から
の風景ですよ。お楽しみに。
(参考:「千々石町郷土誌」「長崎遊学7」「昭和54何版千々石郷土史」「大正七年千々
石村郷土誌」)
辨天様とよけ石のご利益あやかってにポチよ。
« 千々石海水浴場&松林と松倉重政~雲仙市千々石町 | トップページ | 木津・弁天公園(富津)・小浜・鵜の穴~長崎県雲仙市小浜町 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 日本音楽の面白さ(2024.10.01)
- 台風10号~確かに通ったはずなのですが?(2024.08.31)
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 勝手に開花宣言~橘公園(令和6年3月28日)(2024.03.28)
- 観桜火宴のお知らせ(2024.02.19)
コメント
« 千々石海水浴場&松林と松倉重政~雲仙市千々石町 | トップページ | 木津・弁天公園(富津)・小浜・鵜の穴~長崎県雲仙市小浜町 »
汽車道から「よけ石」に降りる道がありますよ。
子どもの頃、良く泳いだ所です。海の中に湧水がわき出るところがあり、そこに行くと突然冷たくなるのでちょっと怖い所でした。
写真の穴は私たちは「鱶穴」と言っていたと思います。
投稿: 平林敏郎(仮名) | 2012年7月25日 (水) 12時57分
今回は須之崎の知人と、船人さんとで行ってもらいましたが、よけ石までは、弁天様の所から行っていたそうです。この道いまは使えないとのこと。
この海岸、魚釣りに適しているらしく、汽車道から海岸へ下る道がたくさんあるようです。その一つでしょう。第二トンネルの海側の絶壁には、ロープと縄ばしごまで用意してありました。その他崖を下るロープを2~3本ばかり確認しました。
湧き水の所も見てきました。富津の沖では温かい水(温泉?)が出ているところもあるそうです。
なお、穴については、両名とも「ハトンアナ」と言ってましたが、地域とか世代で言い方が違うのかな?
投稿: sugikan | 2012年7月25日 (水) 22時14分