屋根裏の明かり~シェル・シルヴァスタイン
山歩きで足の関節を痛め、少し良くなったと思って外歩きしたら、また、痛み出して、しばら
くは外出禁止。
ということで、久しぶりに、シェルおじさんの本読みました。この本詩集ですが、1981年出
版、「ビッグ・オーとの出会い~続僕をさがしに」もこの年出版しています。
この間書いた、「歩道の終わるところ」も、アメリカの多くの図書館でずっと禁書になってい
たそうですが、この本も、いくつかの親のグループから非難をあび、多くの地域や学校の
図書館で禁書になり、アメリカ図書館協会の「最も異議の多い本百冊」に入っているそうで
すが、出版されると「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーに入り、「スクール・ライブラリ
ー・ジャーナル」誌からは最優秀児童図書賞を与えられたそうです(マイケル・G・ホーガ
ン著 水谷阿紀子訳より)。アメリカって面白ですね。
こんな絵もありますから、目くじら立てる親はどこの国にもいるのでしょう。
この本、初めの方に「TO SHANNA」と書いてありますから、このとき11歳の娘の「シャン
ナ」(本名・ショシャンナ)のために捧げたのでしょう。
訳は倉橋由美子さんですが、訳者あとがきで、この本が大人にも子どもにも受ける理由の
一つには「言葉遊び」の面白があり、日本語にしたとたん面白さの半分は失われると言っ
ていますが、「日本の読者には、まず絵の面白さを見ていただいて、それから詩の面白さ
を読み取っていただくと、いう順序の方をお薦めしたい。」と書いています。上の絵グロテ
スクみたいですが、詩と一緒に読むと面白いですよ。好きな詩を一つ。(クリックしたら少し
は大きくなります。)
この本1冊本棚に置いておくと楽しいですよ。
この本の最後の詩です。
この橋
きみの憧れの遠い国々
この橋は途中までしか届かない─
ジプシーのテントやアラブの市場
一角獣のあそぶ月夜の森を
ぼくと一緒に辿ってみよう
不思議な世界の曲がり道
だけど橋は途中までしか届かない
最後は自分の足で行け
絵と一緒に読むと良いのですが・・・
「ぼくを探しに」の「ぼく」も、「ビッグ・オー」も、「人間になりかけたライオン」も、最後は自分
の足で行くよりほかはないのです。そして私もあなたも。
先ほどの、マイケル・G・ホーガンは、シルヴァスタインの死について書いた章の題を、「チ
ェックアウト」としていますが、シルヴァスタイン、あの世に行っても自分の足で歩いている
のでしょう。ひょっとしたら、この世にまたチェックインするかも知れません、あのシェルおじ
さんのことですから・・・
良かったら下をポッチしてね。
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