赤岩観世音・音姫観世音~赤岩観世音編★秘境の神社/雲仙市国見町
雲仙から国見町へ下る道。続に奧雲仙といわれているところですが、この道路の所に大
きな鳥居があります。
右へ行けば雲仙、左へ行けば国見町、手前に来れば田代原になります。鳥居には、「赤
岩観世音・音姫観世音」と書いてあります。
ここには、10年ほど前写真を撮りに来たことがありますが、久しぶりにいって見ました。
鳥居から15分程度は軽トラックでも入れるような道。この日は、雲仙岳もすっきり見え良
い気持ち。ここは、鳥甲山の中腹より少し下にある程度かな?鳥甲(とりかぶと)山は、国
見町住民の信仰を象徴する霊山であったそうです。
ここから、赤岩観世音と赤姫観世音の分かれ道になり、道が少し険しくなります。
左に行けば赤岩観世音、右に行けば音姫観世音。
歩くこと20分程度。まさに秘境の神社という感じです。
崖の下の、岩穴の中に神社があります。千々石断層の続きになるのでしょう。上の方は、
鳥甲山の山頂です。一回鳥甲山に登ってこの上の方から覗いたら、とにかくおっかなかっ
た。まったくの、絶壁です。
さて、この「赤岩観世音」と「音姫観世音」何か関係があるのかと調べると、資料がなく分
からない。たしか、「殿様監視の道」という本で、祭日には賑わって、うどん屋なども出てい
た、という記憶が薄くあったのですが、国見町郷土誌にも見当たりません。
数週間調べて、やっと見つけたのが、国見町郷土史研究会の「国見町の忘れられた文化
財第二集」という14頁の小冊子と。八斗木(はっとき)小学校の先生と、他団体、機関の
方が作った「八斗木むかしむかし」という冊子。ただし、前者は主に音姫観音が主で、後者
は赤岩観音が主。
今回は赤岩神社を主に書きますが、雲仙を開山した行基が田代原に、寺や僧坊を建てた
いと願い、苦行をしたとき、赤岩観世音が願いを助けてやろうとした伝説があるそうです。
たぶん、ここの雰囲気からすると、修業道者の霊場として、赤岩観音が祀られたのでしょ
う。祭神は「武甕槌神(たけみかつちのかみ)と「経津主神(ふつぬしのかみ)」。
むかしは、地元はもちろん、ご利益が多いということで有明、島原からもお参りがあったそ
うです。鳥居の寄進者の所にも「島原市三会」の文字もありました。
さて、この観世音の命日が、旧暦3月18日で、その折りお参りする人が多く、里から酒、う
どん、おかしなどを売る店が登ってきたそうです。次の日は「千日ごもり」といい、千日お参
りをしたのと同じご利益があるということで、夜になると、ご詠歌の合唱があり、流行歌も
交わったそうです。この場所でと、信じられないことですが・・・
残念ながら、神仏分離の令により、この赤岩観音は大正4年に烏兎神社境内の岩下神社
に移されたそうです。この岩下神社も大宝年間ごろから祀られていたと口伝にあるそうで
すから、とにかく古い神社と言えるでしょう。
現在の赤岩神社は、新築され仏像も新しい物が多いようでした。こうしてみるとと時代の
移り変わりを感じます。
こちらは岩下神社です。ご神体は鍵が掛けられ拝めませんでしたが、「岩下神社」の横の
所に「赤岩さん」の文字が書いてありました。
時間があったら、「赤岩観世音」寄って見てください。とにかく凄いとこですよ。
あしたは、「赤姫観世音」編です。←クリックしてね。
参考:国見町郷土誌・国見町の忘れられた文化財第二集・八斗木むかしむかし
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