雲仙鉄道 その8~竿御前と山伏の墓
今日は、雲仙鉄道跡周囲であまり目立たない所と、まったく気がつかないところ2カ所を紹
介したいと思います。ひとつは「竿御前」です。あまり標識が目立たないせいか、見落とし
が多いようです。場所は終点の肥前小浜駅から200m~300m手前から海の方へ、少し
入ったところです。目印は下の写真、赤い四角のところに標識が立っています。
一番上の写真のように両方に立派なのが立っています。右はコンクリート製、、左は木製
ですが、この木製のリアルなこと。男の私でさえ思わす頬ずりしたい感じ。コンクリーの方
は昭和47年、木製は昭和55年なっていますが、多分古くなったのを立て直したのではな
いでしょうか。木製の方は誰か、あやかろうと思ったのか、上の方がかじられていました。
(絶体私ではありません。)
この、真ん中の石像は「さよ姫」だそうです。
この笠を持った「さよ姫」は、この近くの山領にも立っています。
「小夜姫」「佐用姫」「さよ御前」「竿御前」いろいろ言い方があるみたいです。「道祖神」だ
そうですが、「さよ姫」にはいろいろまつわる話があるようです。北有馬にも「さよ姫」神社
がありますが、ここの話とはまた違った話のようで、松浦の有名な「作用姫」とどんな関係
があるのか?
真ん中の像、比較的新しいようで、ひょうっとしたら、右の方が元来あったやつなのかな?
よく分かりませんが・・・
さて、もう一つ絶体に見つけられないのが、山伏の墓。
千々石から行くと、1番目のトンネルと2番目のトンネルの間、写真の赤の四角のすぐ下
の所です。最初は何かと思ったのですが。文字を見てみると。
「改 昭和五年十一月十二日建之 小濱鐵道株式」。「改」と書いてあるには、改めてここ
に立てたということでしょうから、古くなったから立て替えたのか、別の場所にあったのをこ
こに立て替えたのか。何だろうと思って、裏(本当は表)を見るとビックリ。
「山伏之墓」の銘。真ん中の文字は「南無妙法」までは読めるのですが、「南無妙法蓮華
経」ではなさそう。
でも、なんで小濱鐵道が山伏の墓を立てたのでしょう?ここらあたりでは、山伏の話は聞
いたことがないんですが。有明町には山伏の墓というのがあって。
こんな感じです。
ひょうっとしたら、工事中に何かあったのかとは思ったのですが、ここの開通は昭和2年。
昭和5年に建てられたのですから開通して3年目。また、山伏は海ではなく山で修行をす
るもの。ひょうっとしたら山の中に何かないかと探したのですが、あるのは荒れ果てた畑の
石垣ばかり。
だだ、ここの道路の横の山を登ると釜山から猿葉山へ抜け、猿葉山には猿葉稲荷があ
り、雰囲気的には石に囲まれ修行には適当な場所ですが・・・
もしかしたら、有明町みたいなのがあって、工事に邪魔なので取り壊したのかな?あの時
代、文化財とか遺跡には一般的には関心のない時代でしたから。
小濱鐵道の資料があったら何か記述してあるのでしょうが、資料が全然なくて・・・
何でしょう、小濱鐵道株式会社と山伏の墓の関係は。
さて、偶然、長崎日日新聞を見つけて、雲仙鉄道のことを書き始めたのですが、ただ単に
駅名の標識を辿るだけではなく、ここの鉄道敷設の大変さ、また、周囲の話など知ってお
いた方が面白いのではないかと思い、書いたのですが、何となく話があちらこちらにいっ
て、来たことがない方には分かりにくかったと思います。こちらに興味をもって来られるとき
に、参考にしていただければと思います。
本来は、温泉鐵道(愛野~千々石)、小濱鐵道(千々石~小浜)に分けて書かなければな
らないところもあったのですが、統一して雲仙鉄道にしました。愛野~千々石間について
は、まだ、分からないところがあり、後日ぼちぼち調べて見たいと思っています。
なお、富津については別に書いておりますので、そちらをご覧下さい。
一応、雲仙鉄道はここらで終わりたいと思いますが、また、なにか新しい発見があったら
アップします。堅い話ばかりになってしまい、本当はナンパ路線でいきたいのですが、性格
が性格で困ったもんです。
●富津関係
千々石町~小浜町・汽車道・緑のトンネル・六角井戸は→こちらをクリック
愛宕山神社(雲仙市小浜町)~絶景かな絶景かなは→こちらをクリック
富津弁天公園(雲仙市小浜町)~六角井戸に来たならば・・・は→こちらをクリック
参考:「小浜町史談」「おばま~史跡巡りガイド」
雲仙鉄道その1~その7までは左のカテゴリー「雲仙鉄道」をクリックしてください。
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