隠れ切支丹洞窟聖堂跡か?~マッド(松蔵?)が岩(伝六穴)★(雲仙市瑞穂町)
島原半島の切支丹と言えば、北有馬町、有家町、西有家町等を中心にした所が有名で、
半島の反対側、愛野町~有明町までは、あまり話題にのぼることがありません。
先日、瑞穂町誌を読んでいたところ「マッド(松蔵?)が岩。(伝六穴ともいう)という」、とい
う記事があり、穴ときけば居ても立ってもおられず。すぐ急行。場所は書いてあるのです
が、地図にも載ってないような小字名。とにかく、田代原に行く道、三叉路の杉林とのヒ
ントで、あたりをつけ、入ってみたらビンゴ。ここは、穴の上の林を抜けたらすぐに国道。
さて、近頃、山にはイノシシが多く、この間罠にかかったイノシシを見たばかりでおそるお
そる覗いたら、
なにやら、普通の洞窟ではなさそう。人手で彫ったことは一目瞭然。入り口は上から落ち
てくる土で、狭くなっている。
それでは穴に挿入ではなく突入。入ってみてビックリ。
祭壇のようなもの、小さな穴が数カ所。穴の中は私が入っても十分立てるので、170~1
80㎝程度か。左右14~15メートル程度。下の土を見ると、イノシシの足跡。
なにやら分かりませんが、絵みたいなのを描いた跡。自然に出来たものではなさそう。
子供が入っていたずらに描いていったのかと思ったのですが、どうにも違う感じ。道が整
備されるまでは、林の中だったはず。近頃の子供は、こんな林の中には来ないでしょう。
写真右の方、なにやら置けるようにきちんとした、四角の台が。
外には、人が組んだ石垣。
瑞穂町史には、切支丹との関係をにおわせて書いてありましたが、とにかく何らかの宗教
的雰囲気はぷんぷんとしていました。
消去法で考えると、面白半分、暇つぶしで作ったはずはなし。防空壕でないことは明らか。
ここ、島原半島雲仙は修験道の場所であるが、修験道は自然の岩の洞窟あたりで修業を
するもので、自分で穴を掘ってこのような場所で修業をするはずはない。
他に、このようなところで儀式をする宗教は、島原半島では聞いたことはない。だとすれ
ば、あと残るのは、禁教後のこちら方面の隠れ切支丹の聖堂だったのか。(ここの台、穴
の中にキリスト、マリア像などを飾ればまさに聖堂と言う感じでした。)
はやり、こちらの方面にも島原の乱には加わらなかったものの切支丹の影響はあったの
でしょう。
近所の人にも、この穴の存在は知っている人もおり、切支丹関係ではないかとの話であっ
たとか。また、瑞穂町町史によれば、「以前は実際に仏像か何かがあったという。」とい
う記述もありました。
正式な調査はやってないようでしたが、穴の上の土が崩れ落ちそうで、せっかくの遺跡。
調査をして保存して欲しいものです。
町村合併になり、各町に残る史跡、遺跡の調査等なおざりになっている感じが否めませ
ん。ここは、整備保存すれば、大きな観光資源ともなりうるのですが・・・
« この一曲~時代おくれ★河島英五 | トップページ | 中国嫁日記/第2巻~買っちゃいました »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 日本音楽の面白さ(2024.10.01)
- 台風10号~確かに通ったはずなのですが?(2024.08.31)
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 勝手に開花宣言~橘公園(令和6年3月28日)(2024.03.28)
- 観桜火宴のお知らせ(2024.02.19)
「キリシタン遺跡」カテゴリの記事
- 速報・千々石ミゲルの骨?~ネットニュースより&”Qookaiさん(2021.09.12)
- 「隠れキリシタン像」???(2017.02.28)
- 「サント・ドミンゴ教会跡」~長崎市(2015.09.19)
- マリア地蔵菩薩立像(通称マリア地蔵)~島原市指定有形文化財(2014.10.08)
- 地蔵像(大野村庄屋元地蔵)~島原市有明町(2014.09.17)
「キリシタン関係」カテゴリの記事
- 慶長より寛文に至る間 キリシタン宗門殉教者並に召捕の場所~「切支丹宗門の迫害と潜伏」(姉崎正治著)より(2022.12.06)
- 千々石天満宮神送り★千々石ミゲル墓所調査(2022.09.26)
- 千々石ミゲル清左衛門供養碑建立~雲仙市千々石町天満宮(2022.04.27)
- 千々石ミゲル墓所調査プロジェクト報告~2021.9.18(2021.09.18)
- 「千々石ミゲル墓所調査プロジェクト主催」講演会(2021.07.04)
コメント