カエルにタバコをすわせたらどうなるかの実験研究~岡村正孝
小学校6年の時だったか、理科の実験でカエルの解剖というのがあり、カエルを取ってき
て、かまぼこ板に腹を上にして、手足をピンで留め、メスで腹を切って、心臓とか肺とか腸
とかの観察をしたことがあります。さすが、女の子はキャーキャー言いながら引いていたみ
たいですが。心臓がピクピク動いているのを見ると不思議な気がした思いがあります。
残酷だという人も、魚がピクピク動いている生け造りりを、「おいしい、おいしい」って食べ
ているでしょう。
いま、あんな実験をやると、残酷だといって父兄から苦情がきて、校長先生の責任が問わ
れ、新聞には載るわ、動物愛護団体からは抗議はくるわで大変でしょう。でも、当時は、ち
ゃんと文部省検定の理科の教科書で「カエルの解剖」ってのってましたから。
さて、この本、題が面白そうだったので図書室から借りてきたのですが、凄いといって、な
にせ、作者が小学生の2年生です。繰り返しますが、小学生2年の自由研究です。この本
の出版が1983年ですが、この実験に取り組んだのが1982年。今から29年前になりま
す。
この作者、カエルが好きで飼っていたそうですが、新聞、ラジオなどで煙草の害を知り、「タ
バコは、人間にとってわるいといわれている。そして、自分に害をあたえるだけではなく、
いろんなへややレストランで、煙をまんぱいにさせて、ほかのひとにも害をあたえている。
タバコは、生き物にとって、ほんとうにわるいのか。」というのが実験のきっかけで始めた
そうです。
実験装置の工夫、カエルの収集、実験の試行錯誤、実験の観察、まとめ。例えば、カエル
の体重の違いによる、タバコの害の違いまで考える凄さ。しつっこく何回も書きますが、小
学生2年ですよ。読んで見てください。この論理的な考え。
大阪市長のなんとかさんとか、文部省がまた教育改革とか何とか言っていますが、この本
読んで欲しいですね。こんな子供たちを育てていくのが本当の教育なんでしょうが・・・
この研究、「学生けんび鏡観察コンクール」の文部大臣賞奨励賞を審査員が一致して推し
たそうで、それをほとんどそのまま本にしたそうです。
最近読んだ本で感動した本です。作者の岡村君、37歳になりますが、今頃どうしているの
でしょうか?
この本、廃本になっているみたいですが、図書館で借りるか、Amazonあたりで中古本が
手に入るみたいです。小さい子供を持っている方、是非読んで見てください。
最後にもう1回、小学生2年の本ですよ。
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