白雪姫は愚かだったのか?~小澤俊夫★昔話へのご招待 付録:橘公園桜情報&観櫻火宴のお知らせ
白雪姫の話はご存知だと思います。
継母の妃に、美しさを嫉妬された白雪姫は、小人たちにかくまわれていましたが、妃に毒
りんごを食べされられ、死んでしまいます。しかし、通りかかった王子様の熱いキッスによ
って生き返り、幸せになりましたとさ。
普通こんな感じでしょうが、グリムの初版本読んだ方はご存知だと思いますが、もう少し話
があるのですね。「007は二度死ぬ」じゃないですが、「白雪姫は三度死ぬ」。
白雪姫の母は継母でなく実母。妃に命令された猟師が命令に背き、命を助け、7人の小人
にかくまわれる。それを知った妃は、物売りのあばあさんに化け、胸紐(胸に巻く飾りの
紐)を売りに行き、結んであげるが、きつくきつく締めたため、白雪姫は息ができなくなっ
て、死んだように倒れてしまいます。仕事から帰ってきた小人がこれを見つけ、紐を切ると
生き返る。小人たちは、白雪姫に知らない人を入れないように注意をする。
次の日、白雪姫が生きているのを知った妃は、毒の櫛を作り再び売りに行き、それを白
雪姫は買い、髪をとかしてもらうが、毒の櫛を刺し、白雪姫は死んでしまう、小人たちが帰
ってきて、櫛を抜くと生き返る。小人たちは再びきつく注意をする。
白雪姫が生きていることを知った妃は、毒りんごを作り、また売りに行き、皆さんご存知の
通り死んでしまうが、白雪姫が生き生きしているので小人たちは埋葬せず、ガラスの棺に
寝かせ、それを王子が(キスをするのではなく)持って帰ろうとすると、従者がつまずきそ
のショックでリンゴが喉から取れ(いつも棺を持たされた召使が、不満を持ち、白雪姫の背
中を殴り、リンゴが取れたとの本もあり)、生き返り王子と結婚をし、幸せに暮らしました。
王妃は火で真っ赤に焼かれた上履きを履かされ踊らされ、死んでしまうまで踊りをやめさ
せてもらえませんでした。とさ。
さて、podcastの配信で「小澤俊夫(指揮者、小澤征爾さんのお兄さん)の昔話へのご招
待」というのがありますが、このなかで「白雪姫は愚かだったのか?」という話をしていまし
た。
それは、そうでしょう。小人の注意したことは聞かない。ちょっと、疑えば物売りが妃だとい
うことが分かるのに、3度も騙されてしまいます。なんと愚かな女か。現代の「俺々サギ」の
時代だったらいいカモ。
1960年時代愚かなことを繰り返すなと言う教訓の物語だという説もあったそうですが、小
澤さんは、白雪姫が愚かだったからこそ、王子と結婚できた。もし、愚かでなく毒りんごを
食べてなかったら、一生、森の中で小人たちの世話をやいて年をとっただろう。
愚かな事を繰り返すことで、最後に幸せになるという、おおらかな人生観。親が子供がバ
カなことをやっても、暖かい目で見守ってあげるのと一緒の事でないかと話をしていまし
た。なるほど、児童文学者は見るところが違いますね。
でも、あれですが、白雪姫は幸せになりましたが、人のいうことはきかない、人にはすぐだ
まされる白雪姫と結婚した王子様は幸せだったのでしょうか。うちの、かみさんは人には
騙されないが、私のいうことは全然聞きません。こんな、私、幸せなのでしょうか?
付録:
橘公園の「桜開花基準木」開花しました。だれも、開花宣言しないので、私が開花宣言を
「橘公園の桜、開花しました。」
橋の下の桜、奇麗に咲いています。広場の方も5~6分咲き。屋台も準備OK。このまま天
気が続けば、今週末は花見に十分でしょう。
3月31日は「観櫻火宴」~「日本一の武者松明行列」です。18時30分海岸出発式、松明
を持って商店街を歩き、20時から橘神社でイベントです。
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