歩道の終わるところ~シェル・シルヴァスタイン
(「歩道の終わるところ」表表紙・裏表紙:クリックすると拡大します。)
1974年、シルヴァスタイン44歳の時の作品です。1970年には長女ショシャンナが生まれて
いますが、1972年には父親が亡くなっています。1975年にはショシャンナの母スーザン・ヘ
イスティングが亡くなっています。(法的な婚姻はありません)
「歩道の終わるところ」は発売されるとベストセラーリストの一位になり「ニューヨーク・タイ
ムズ」の推薦書にも選ばれ、1984年には朗読でグラミー賞を受賞したそうです。
さて、この本は絵本ではなく、詩集です。
絵が入っていたり、文字だけの詩であったりしますが125編の詩からなる本です。
子どもも、楽しめますが、「ビッグ・オーとの出会い」のあとがきで、倉橋由美子が書くよう
に、「大人が読むための絵本」かもしれません。
こんなこと言われたら、この本閉じられませんよね。
一番面白いのが、「カバサンドの作り方」。もちろんあの「カバ」です。動物の大きいやつ。
カバサンドの作り方
カバサンドの作り方は簡単でございます
材料は
パン ひときれ
ケーキ ひときれ
マヨネーズ 少々
オニオンリング ひとつ
カバ 一頭
ひも 一本
胡椒 少々
これだけでございます
さてこれからが問題でございます
召し上がり方が
これには、絵がついていますが、私、意地悪なので絵は載せません。本当に「カバサンド」
簡単にできますよ。自分で確かめてください。絵を見たら、笑い転げてしまうでしょう。この
本、本棚に置いて時々読むのが楽しいでしょう。一気に読むのが惜くって。
すこし横道にそれますが、マイケル・G・ホーガン著、水谷阿紀子訳「大きな木の贈り物
の」の中に、「図書館で読めない本として」『「歩道の終わるところ」と「まよなかのだいどこ
ろ」は、アメリカじゅうの多くの図書館でずっと禁書になっている。シルヴァスタインのいくつ
かの詩に見られる反抗的な内容だけでなく、これらの本に含まれる2~3の挿絵が、子供
にふさわしくないと考える人たちがいるのだ」と書いてあります。
読んでみて、別にそんなことはないのですが、やはりアメリカは文化の面で後進国、失礼、
発展途上国なのでしょうかね。
本の題になっている、「歩道の終わるところです」
歩道の終わる所
ここは歩道の終わるところ
車道の手前
やわらかい草が白く光り
太陽が真っ赤に燃えて
月夜鳥が羽を休め
ペパーミントの風に吹かれるところ
こんな所は出て行こう
ここは黒い煙が流れ
暗い道が曲がりくねっているところ
アスファルトの花咲く採掘場を横目に
ゆっくりと歩調を整えて歩いて行こう
歩道の終わるあの場所へ
ゆくっりと歩調を整えて歩いて行こう
チョークの矢印を追って
それは子供たちの矢印
子供たちはしっている
歩道の終わるあの場所を
さて、歩道が終わる場所には何があるのでしょう。文章だけの詩は、自分で絵を思い描く
ことが必要です。たぶん、この本を読むと分かってくると思います。シルヴァスタインと一緒
にでかけてみませんか?
(参考:マイケル・G・ホーガン著、水谷阿紀子訳「大きな木」の贈り物)
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