ヘビがタコになる話
海の真ん中に見える島が対馬です。福岡より韓国に近い島です。昔は6ヶ町だったのです
が、今は合併して対馬市になりました。上の方が上対馬、下の方が下対馬。30年ばかり
前、上県町に3年半ばかり住んでいました。その時、50年配の上司の人がこんな話をし
てくれました。
自分は昔、釣りが好きで手こぎ舟も持っていた。若いときミズイカ(対馬ではミズイカ釣りを
好んでいる人が多く命を落とした人もあるくらい。)を釣りに行ったとき、釣り針にかかった
ので引っ張ってみたらヘビが食いついていた。そしたら、そのヘビのあたりの海が真っ赤
になって、見る間にヘビがタコになっていた。おどろいて、釣り具も投げ捨て帰ってきた
が、あれを機会に釣りを止めた。これを経験したのは自分一人ではないが・・・
嘘をつくような人ではなく、性格も剛胆な人でしたが。
この話、しばらく忘れていたのですが 、立平進氏著「ふるさとの心象風景」を読んで見る
と、「ヘビがタコになる話」として、この話が載っていたのです。立平氏は民俗学者であり、
以前は県立美術博物館に勤めておられました。
立平氏の本では、この話は平戸、五島あたりでも聞かれ、平戸藩主の「甲子夜話」のなか
で「蛇の蛸に変ずるは、領内の者往々見ることあり、蛇海浜に至り、尾を以て石に触れれ
ば、皮分裂し、その皮すなわち足となる。」と書かれてあり、170年前からこのような話が
語り継がれたことはたしかであり・・・・と書いておられます。
立平氏はこの話の原因として、「共同幻覚な作用が発動した可能性が考えられるというこ
とである。・・・」と記しています。
「民俗学事典」には、「社会が単純で人の素質に定まった型があり、外から攪乱する力
の加わらぬ場合には、多数が一度に同じ感動を受け、不思議な幻や音を共通に見たり聞
いたとしても少しもさしつかえない。」とし、柳田国男氏の民俗学に触れながら、吉本隆明
氏の「共同幻想論」を引用し、「山を駆けずり回ってたいへん疲労をおぼえた。この疲労は
判断力を弛緩させ、そのとき白昼夢のように山人に出遭い、あたかも現にあるかのような
光景を視させる。」・・・「山人がいるとか、人さらいがいるとか、山奥の雰囲気をおそれた
体験や言い伝えを、幼児のときでも聞いていたとすれば、猟師はたやすく山人に出遭い、
山人を銃で撃ち、山人と話を交わすという入眠幻覚をうることができるはずである。」とし、
「まったく同じ生活環境にある共同体の成員には、共有する記憶というものが認められる
のではないだろうか、といったのはまさにこのことでであった。・・・・・」と、共同幻想というこ
とで書いています。
まあ、古い人は「口裂け女」の話を覚えていると思いますが、あれもその一種だったのか
な?
しかし、何となく理解はできるが、上司の話は幻想ともおもえず、私も可愛い女が、歳を古
ると角が生えるというのも実際見ていますから(かみさんの事)。・・・地球上にはまだまだ
理解できないことがたくさんあるし。と言うことで不思議な話を思い出しました。
さて、今日はこちらも不思議な体験を。山際を歩いていると、今日は良い天気。
少し山道に入ったのは良いのですが、山道の変なところに穴が。穴とみれば興味が湧き、
奧を見ると4メートルくらいの深さ。最初、防空壕かなと思って入ってみたのですが、まあこ
んな山の中に作るはずはないし。
ゴミが入り口付近に捨てられていましたが、左に続く道が、左に曲がるともう真っ暗。
カメラのシャッターだけは切ってきましたが、なにやらまだ長く続いている様子。
真っ暗闇で、ここらあたりは猪が出て、奧が猪の巣になっていてはどうしようもないし、猪と
出遭って「今日は」では、済まされないし、引き返しましたが?ひょうっとしたら、天草四郎
の埋蔵金か?隠れ切支丹の聖堂か?誰が、何のために?こんな所に?近くの人の聞き
取りから始めることにしました。またのお楽しみ。
« この一曲~愛の贈り物/嵯峨美子 | トップページ | すわ日野江城へ~南島原市北有馬町 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 正月早々食いっぱぐれ(・_・、)(2025.01.09)
- 正月なので孫が来ましたが・・・(2025.01.03)
- 年末というのに・・・(2024.12.31)
- 令和6年 橘神社大門松造り進捗状況(2024.11.25)
- 台風10号~確かに通ったはずなのですが?(2024.08.31)
こんばんは
ヘビがタコに変身
共通記憶、共同幻覚ですか
昔々は情報は限られていたからそう考えるのが
筋が通っているんでしょうね
あんまり面白くないケド
投稿: エフ | 2012年3月 1日 (木) 22時22分