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2012年2月 7日 (火)

”史上最短”の民話~開高健講演会より

Photo_2

開高健講演会のカセットブック。2巻になっています。

今日、本の整理をしていたら出てきました。発売1990年。22年前のカセットです。

第1巻が41歳、第2巻が53歳の時の講演会の録音です。

開高健を読み出したのが、高校生の時。対談集「悠々として急げ」の裏表紙の言葉。



Festina Lente

古語に《フェスティナ・レンテ》という。

悠々として急げ、の意である。

もとはこれ、ある王様の治政の座右の銘だったと伝えられるが、

衆庶の日常必須心得としたいものである(著者のことばより)


これを読んで《フェスティナ・レンテ》という言葉はいつも頭の中に響いていたものでした。

もっとも、悠々としすぎてこの歳になってしまいましたが。


第1巻は「経験・言葉・虚構」。41歳の時の講演会。

・”史上最短”の民話

・ライオンという言葉を発明した男

・作家は全て人間主義者

・「文学」は病の産物か?


第2巻は「地球を歩く」

・セーヌの下のウンチ

・戦争レポーターをやめたわけ

・アマゾンは現代文明爛熟の地

・地球から酸素がなくなる


さて、”史上最短”の民話はこう始まります。言葉、虚構と言うことを考えるたびに、ひとつ

の事を思い出す。

プリンストン大学、ハーバード大学、東京大学の言語学、民話学の研究者が、人口数十人

の沖縄のある島に研究に行って、取材が終わり、帰ろうとしたとき、老人が追ってきて

「家に帰ったら、これくらいの虫がいました。」と言ったそうです。研究者は、老人が家に帰

って戸を開けたら、ムカデみたいな長い虫がいたのかと思ったら、どうも違うみたい。良く聞

くと「家に帰ったら、これくらいの虫がいました」というのが民話だったそうです。ただそれだ

けの。

これには、プリンストンも、ハーバードも、東京大学もひっくり返って、呆然としたそうです。

民話は家庭等の現世のバリエーションがあって、別の世界を作っていくもの。

開高健、奄美大島で落ち合って、この話を聞き、研究者にどんなことかと尋ねても呆然とし

たままだったそうです。

開高健「民話コンクールがあったら一位になっただろう」「どんなシュールレアリズムの詩を

もってもかなわないだろう。」とも語っています。そして「いまだに謎のように漂う」


しかし、便利な民話ですね。「いいこと、お話をしてあげるからすぐ寝るのよ。家に帰った

ら、これくらいの虫がいました。おしまい。お休みなさい」使ってみませんか?


私も短いお話が得意で、子供によく聞かせたものです。「昔々、ある所に、おじいさんとお

ばあさんがおりませんでした。おしまい。」「相撲で熊に負けた金太郎は泣いて帰りました。

おしまい。」「桃を切ろうとしたおばあさんは誤って手を切ってしまいました。おしまい。」こん

な話ばかりしていたので、少し変わった大人になったのかな?

皆さんはちゃんとお話してあげてくださいね。


第2巻のテープは切れてしまって聞かれませんでした。残念。


「家に帰ったら、これくらいの虫がいました。」

何なんでしょう。でも、なにか面白いな。「家に帰ったら、これくらいの虫がいました」か。

 

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