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2012年2月17日 (金)

ヘレン・ケラーと長崎そして雲仙②~雲仙編

1

ヘレン・ケラーの来日は昭和12年4月15日ですが、離日の8月10日まで、日本各地、朝

鮮、満州(当時)まで及び、全行程1万4000キロ、39都市を訪問、講演回数97回と言い

ます。

長崎での記念植樹の際「記念樹に寄せて」を書いた日が、5月29日。雲仙に着いたのが5

月30日。


泊まり先は雲仙ホテルですが、写真右の二人がヘレン・ケラーを日本に招聘した岩橋武夫

とその奥様でしょう。

2

その時の宿帳です。ヘレン・ケラーの自筆署名が分かると思います。下に書いてあるのが

秘書のポーリーの名前ですが、これから見るとイギリス人だったことが分かります。部屋は

同じく1号室です。


忙しい中でのほんのひとときの休息だったのでしょう。いかにもくつろいだ様子が写真でう

かがえます。

3

4

おばあさんから何か受け取っているみたいですが、ひょっとしたしたら温泉卵かな?


さて、今日は「温故叢書 56号」の「雲仙と湯けむり」佐藤隆久氏(熊本第一ライオンズクラ

ブ)の文章をもとに書いていますが、ここからちょっとヘレン・ケラーのお茶目なことが書い

てありますからそのまま写してみます。


『雲仙ホテルで旅装を解いたヘレンは日本の温泉における「男女混浴」なる風習をすでに

同行の岩橋武夫さんから聞き及んでおり、温泉を自然に湧き出でる大地の恵みと考え、性

別を超えてくつろげる場所と解釈をしてそれを”実行”したのだ。そのとき、大浴場の中に

は、ヘレンと秘書のポーリーそして岩橋夫妻の姿があり、ヘレンは自らを「象」、ポーリーを

「アザラシ」と呼んで湯船の中を子供のように泳ぎ回ったという。そしてヘレンはこのニュー

スがアメリカに知れたら大変だといいながらも精いっぱい湯あみをたのしんだのであった。

いっぽう、岩橋は「神は完全に私に目隠しをなさっているから(注:岩橋氏も目が不自由で

した。)実におおらかな天国がそこにあった」とのちに述懐している。』

(あの、ヘレン・ケラーが混浴を!)



この文章については、佐藤隆久の(注)によれば、「本文のヘレン・ケラー」のエピソード及

び史実は、岩橋英幸著「青い鳥のうたーヘレンケラーと日本」(NHK出版社)からの引用で

あることを付記する。と書いておられます。この本、探したのですが、長崎県内の図書館に

はまったく無く、ネットでやっと見つけたら9,500円残念ながら断念しました。


しかし、この文章を読んでヘレン・ケラーの強い意志とは別の、底抜けに明るい一面がうか

がえると思います。ヘレン・ケラーが人々に愛された理由のひとつでしょう。


さて、ヘレン・ケラーは本土の全日程を終え(7月4日)、朝鮮、満州(当時)へ旅立とうとし

た時、盧溝橋を挟んで日中の戦争状態。

ヘレン・ケラーは釜山を経て、京城、奉天、大連と行きますが、ヘレン・ケラーのことが新聞

を飾ることもなく、その上、講演旅行中のヘレン・ケラーの一行がスパイだと言う噂も流れ、

大連を最後の終了地とし、8月10日横浜から帰国をしました。


この後、昭和23年に来日。このときは昨日書いたように、長崎の永井博士を訪問。

第3回目の来日は昭和30年。熱烈な歓迎を受けたそうです。


岩橋武夫氏の逝去が昭和29年、第3回目の来日の時は日本に来て泣き崩れたそうで

す。

秘書のポーリーは昭和35年逝去。ヘレン・ケラーは昭和43年6月1日逝去87歳でした。

ヘレン・ケラーのことはこの後も長く語り継がれ、人々に勇気を与えてくれるでしょう。



本日の写真提供、情報には「雲仙お山の情報館」のご協力をいただき深く感謝いたしま

す。

■写真・情報提供:雲仙お山の情報館

■文書参考・引用:社団法人温故学会第56号 佐藤隆久氏著「雲仙の湯けむり~ヘレ 

 ン・  ケラーーとニールス・ボーアー」から

  なお、このニールス・ボーアーのことも手に汗を握る面白いものですが、ヘレン・ケラーと

  は直接ないので割愛いたしました。

(追記)佐藤氏の文章ではヘレン・ケラーは、来日2日後の4月14日に塙保己一の曾孫、

          忠和氏と会われたそうです。 


                             

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コメント

失礼します。通りすがりの者です。
お探しの本、横断検索で探しましたら、長崎県内の公共図書館にはありませんが、長崎大学の中央図書館か所蔵のようです。
また、福岡県や近隣の県立図書館がお持ちのようですので、お近くの図書館にご相談いただければ、取り寄せも可能かと存じます。
以上、おせっかいでした。

失礼します。通りすがりの者です。
お探しの本、横断検索で探しましたら、長崎県内の公共図書館にはありませんが、長崎大学の中央図書館か所蔵のようです。
また、福岡県や近隣の県立図書館がお持ちのようですので、お近くの図書館にご相談いただければ、取り寄せも可能かと存じます。
以上、おせっかいでした。

情報ありがとうございました。
また、検索し直してみます。
また、よろしく。

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