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2012年2月12日 (日)

この一曲~ベートーベン交響曲 第7番

7

ベートーベン交響曲第7番。ご存知ですね。ドラマの「のだめカンタービレ」の主題曲に使わ

れていた音楽です。千秋様がSオケで最初にタクトを振り、留学するときに最後にタクトを

振った曲です。


この曲、なんかで使われていた記憶があったので、DVDを借りてきて、見たらビンゴでし

た。(当時ちらっとしか見たこと無いのですが。)

確かめるために、第1巻しか借りて来なかったのですが、あまりに面白く、日本編の6巻、ヨ

ーロッパ編の2巻、完結編の2巻、一気に見ましたが、笑ったり、泣けたり、おまけに名曲の

説明までついていたり、学校音楽の時間はこのドラマを見せた方が、音楽好きの子どもが

増えるのではないでしょうか。


ベートーベンの交響曲というと3番「エロイカ」、5番「運命」、6番「田園」、9番「合唱付~歓喜

の歌」と、標題音楽の間に隠れて、なんとなく地味な存在でしたが、このドラマに取り上げら

れ少しは知られるようになったようです・・・


日本人はと言っても、外人の事は知りませんが、標題音楽が好きですね。「月光」「悲愴」

「未完成」「新世界」等々、題が分かった方が頭の中で何んとなく、その感じになるのでしょ

うが、フルトヴェングラーは「音楽とは、あくまで耳で聞くもので、頭の中で考えるものでは

ない。」と言っています。


この曲、初演当時はいろいろ評価があったそうで、ワーグナーは「舞踏の権化」、ウェーバ

ーは「ベートーベンは精神科行きだ」といい、北ドイツでは「あれは酔っ払いの音楽」と酷評

されたとロマン・ローランの著作に書いてあるそうです。


一時は、クラシックと言うとベートーベンでしたが、耳が不自由で、背が低く、醜男で、女に

もてなく、刻苦して音楽を書いたところが、明治以降の、列国に追いつき追い越せの勤勉

で努力家の日本人に合ったのでしょう。戦後、名曲喫茶というのがあり、私たちの一世代

前の方はそこで、ベートーベンを一生懸命聞いたそうですが。

砂川しげひさも「ベートーベンの音楽は人が苦境に立たされたときに、はじめて威光を放つ

種類の作品だということ・・・」と書いています。

「つべこべいわずに」良い題です。ベートーベンの音楽にピッタリ。

Photo


いま、ベートーベンを聴く人も少なくなって来ているようです。私たちの暮らしが不況、就職

氷河期と言われながらも、昔より良いのか、J-POP、TV、ゲームのおかげで感性が鈍って

きたのか。


余談になりますが、学校で映画鑑賞の時間があり、泣ける映画で、私も泣きながら見たの

ですが、明かりがついたら、ハンカチを出して泣いているのは先生ばかり、生徒はケロリと

したもので、子供の感性もここまで来たかと思うとガックリしましたが。


フルトベングラーではありませんが、標題音楽以外にも、耳だけを頼りに聞いていくと良い

音楽に出会えますよ。一緒を友とするような。



(参考:五味康祐著「音楽巡礼」 砂川しげひさ著「つべこべいわずにベートーベン」 ライナ

 ーノート)




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