おとくなサイはいかがですか?・めっけもののサイ~シェル・シルヴァスタイン
(おとくいなサイはいかがです?裏表紙)(めっけもののサイ 裏表紙)
両方とも、中身は同じです。
「おとくいなサイはいかがです?」は、よしかわ みちおさんの訳、篠崎書林の出版です。
1988年出版。
「めっけもののサイ」は長田弘さん訳、BL出版社です。2011年出版。
これには、「おおきな木」を村上春樹さんが新訳で出しましたが、あとがきで、「出版社(篠
崎書林)が継続して出版を続けることができなくなったという事情もあり」とかいてあり、この
本も同じだと思います。
長田弘さん訳には、本を開けた表題の前と、後に下の2ページが追加されています。
さて、なぜなんでしょうね。下の「メグ」「カート」はだれでしょう?シルヴァスタインの子ども
はショシャンナとマシューだし。
ところで、表紙を見てください。色が違いますね。片方のサイは白、もう一つは色つき。ま
ったく逆になっています。原画がないので正確には分かりませんが。
題も違いますね、原題は「WHO WANTS CHEAP RHINOCEROS」です。皆さんはどちら
が良いですか。村上春樹さんの新訳、おおきな木(THE GIVING TREE)の後書きには『長
く読み続けられた本なので、混乱を避けるために「おおきな木」という題はそのままつかわ
せていただきました』と書いてあり、なんとなく、題を変えたかったのではないかという感じ
がします。長田弘さんは題を変える方を選んだのでしょう。
内容は、少年がサイを家に持ってきて、そのサイがいろんな面白く役に立つということを描
いていますが、この本は、シヴァスタインが「シェルビーおじさん」のペンネームで出してい
ます。楽しい童話です。
さて、やはり、随分と訳も違っています。適当なページで比べると。
■よしかわ訳「ほんとうにわるいこと してないときは ママにぶたれないよう まもってくれ
る」
■長田訳「きみがお母さんに叱られるのを、ぜったいに、ふせいでくれるよ。きみがしたの
が、ほんとうにわるいことでなければね」
■よしかわ訳「さむいふゆのよる ベットに もぐりこまれるといやになる」
■長田訳「つめたい冬のよるにはね、いっしょにベッドにもぐりこむんだ。」
随分違いますね。
原文がありませんから、あまりいえませんが、意訳と直訳(といっても、長田弘さんは詩人
で両者それの考えがあるのでしょうが)という感じがするのですが、好き嫌いでしょう。
読み比べると面白いですよ。もちろん、原文があればもっとね。
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