コノヒトタチつっつくべからず~シェル・シルヴァスタイン
シルヴァスタインの本について、紹介しようと思っているのですが、どうしても「おおきな木」
「僕をさがしに」「ビッグ・オ-」について触れなければならないのですが、あの本、なかなか難
しいですね。絵もストーリーも難しくはないのですが、特に「おおきな木」については、解説書
まで出ていて。訳も最初に出版された、ほんだきんいちろう氏の本、最近訳された村上春樹
氏のがあって、読んでみると翻訳の感じが随分違って、悩みます。
と言うことで、簡単なところから。
この本、子どもたちも喜びますよ。表紙に出てくるような、変わった動物、怪獣(?)たちがたく
さん出てきます。大人が読んでも愉快になる本です。子どもだって、大人だって、水木しげる
さんの妖怪は好きでしょう。そして、その怪獣についての説明が面白い。
出版は1964年東京オリンピックが開催された年です。シルヴァスタイン34歳の時の作
品。珍しくというか、唯一のフルカラーみたいです。日本での出版は2009年。随分間があ
りますが、絵本というより詩集のような本です。
訳は、パスカル短編文学新人賞、伊藤整文学賞、芥川賞、谷崎潤一郎賞、各賞を受賞し
た川上弘美さんです。
ただ、訳に関しては原典をあたっていないのでよく分かりませんが、題名を見ると「DON'T
BUMP THE GLUMP!」というように韻を踏んでいますから、本文の方も言葉遊びがたくさん
あったことと思います。訳も大変だったでしょう。
出てくるのは、ムシノイドコロ、タチマチーナ、シマシマちゃん、ちっちゃいくん、ソノニイルン
ダ、テアイオカ、ヘマヘマさん、世にもおそろしいフシュウウウウウ。まだまだありますが、あとは
読んでからのお楽しみ。自分が知っている人に似ているような怪獣も出てきたりして・・・
ほとんど短い文ですから、一つくらい文を紹介したいのですが、絵がないと面白くないので省
略します。
子どもに読んでやっても良し、一人で読むのも良し。楽しいですよ。
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