新・餓狼伝巻ノ二~やっと出ました
知る人ぞ知る、夢枕漠の少しではなく、まったくのおたくっぽい格闘技小説です。
「新・餓狼伝巻きノ一」が出たのが平成18年12月、今度の「巻きノ二」が平成23年9月。
実に5年弱待たされました。(「小説推理」に不定期で連載されているようですが、04年は
1回しか書かれていない模様です)
もっとも、「新」という字がつく前は単に「餓狼伝」でしたが、第1巻が出たのが1988年、2
巻1986年、第3巻1988年、第4巻1989年、第5巻1993年、第6巻1995年、第7巻
1995年、第8巻1996年、第9巻1997年、第10巻1998年、第11巻1999年、第12
巻2001年、第13巻2003年そして「新・餓狼伝」に変わりましたが、物語は連続していま
す。
「新・餓狼伝巻ノ一」が平成18年「巻ノ二」が今年です。ここまで実に23年かかってい
ます。
物語はまだまだ全然というほど完結しそうにありません。
格闘技小説は格闘技の場面がキモであって、筋を説明しても意味ありませんから、できれ
ば最初から読んでみてください。
著者は後書きで次のように書いています。「これは、もしかしたら、終わらない物語になっ
てしまうのではないか、そんなことも、時折考えるのである。
いくつかの理由がある。
それは一つには書き手の、つまり僕という人間に寿命があるからだ。この物語が要求し
ている長さは、僕の寿命よりも長い可能性があるからだ。云々」
著者より私の方が早くくたばってしまうと思うのですが、早く結果を読みたいと同時に、23
年間も待たされていると、内容的にも終わらないで欲しいと思うようになってきました。結
末より、課程の方が重要な小説。
栗本薫の「グイン・サーガ」も彼女の死によって未完になりましたが、そのようになるみた
いな予感がします。
格闘技を良く分からない方も是非お読みください。わたしも、この本を読んで目覚めまし
た。
« ぶらりぶらりと~千々石農作業風景 | トップページ | 百花台公園(雲仙市国見町)~のびのびと遊ぶならここ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 島原半島に関する三冊の本(2024.05.05)
- 気まぐれ資料館~次は「草双紙」の世界(2023.01.15)
- ザッとした読書感想文なのですが(^_^)(10月~11月中旬読了)(2022.11.13)
- 落語「紀州」の原典は松浦静山「甲子夜話」?(2023.09.19)
- 「積ん読」の効用(2022.08.19)
コメント